―ワラワを、復活させて貰えぬか?―
突然の声に戸惑いながらも、「ん~っ、少しだけ考えさせてぇ~っ。」と言い、
その場を後にしたレイカ
自身の研究室に戻り考えるレイカ
―ワラワを復活させればソナタの望み、叶えてやってもよいぞ―
そのフレーズが、レイカの頭から消えなかった
翌日レイカは再び地下へと足を向けていた
―…来たようじゃな。答えは、決まったのかのう?―
ラビスの言葉に口を開くレイカ
「方法を、教えて下さぁ~い♪」
―良いじゃろう。―
その日から、レイカは研究室に籠るようになった
ラビスに言われた「光属性エネルギーを増幅する機械」を完成させる為である
それから半年後、度々失踪事件が発生した
更に一ヶ月後
洋館の地下室そこにはラビスが封印されている石棺とレイカが完成させた機械、
それと10数人の「光属性」を持つ人間が居た
10数人の人間は機械から延びたチューブに繋がった小部屋みたいな部屋に入れられていた
「それじゃ、始めますよぉ~♪ ラビス様。」
そう言うと機械のスイッチを入れるレイカ
それと同時に苦しむ10数人の人々
10数人の人々から採取された「光属性」エネルギーは機械を通じ
石棺へと送りこまれていた
時間が経つにつれ人々はその身体を金に変えていった
そしてその全てが金に変わった時、石棺が静かに開いた
蓋の開いた石棺が姿を表すラビス
思わず膝をつけるレイカ
「御苦労だったの。茶和麗華。…ここは暗い。少し、明るい所が良いのう。」
「だったら、上に行きましょう。」
そう良いラビスを案内するレイカ
ちなみに地下室はレイカの作った装置で全て金で埋まった
応接間お茶を出しラビスの正面に座るレイカ
お茶を一杯飲むと「人類物品化計画」について語るラビス
「のぅレイカ。試してみたいとは、思わぬか?ソナタのその技術力を。」
「…うん。私は貴女様に付いて行きたいでぇ~す。ラビス様♪」
事実上ラビスに忠誠を誓うレイカ
「ならばソナタにこれを授けよう。」
そう言うとどこからともなく何かの欠片を取り出すラビス
「ラビス様、これは?」
「ソチも聞いた事ぐらいは有るじゃろう。賢者の石の欠片じゃ。」
ラビスの言葉に驚くレイカ
「うわぁ~っ、そんな凄い物を私に?」
「そうじゃ。ワラワは人を嫌う。じゃがソナタは好きになれた。
それと忠誠の証も含んでおる。受け取ってくれるな?」
「らじゃ…でーす♪」
「少し辛いが、我慢するのじゃ。」
そう言うと手に持っていた賢者の石の欠片をレイカの体内に埋め込むラビス
その直後から苦しくなるレイカ
だがそれも一瞬で終わる
「ほう、ソチは中々の適正を持っているようじゃのう。」
「ありがとうございまーす、ラビス様。」
それから1ヵ月後水無月家応接間「それで、その洋館の近くで、でっかいミキサーが人々をさらっているらしいんですよ~ぉ。」
「ミオちゃんと一緒に見に行きたいんだけど、ミオちゃん…部活で帰りが遅いし。」
「それで…シグーネさん、代わりに一緒に来てくれないかなぁ~と。」
腰まで届きそうな水色の髪。
セイナは、シグーネを相手に一人興奮気味で話したてる。
「ああ~んっ!? なんでアタシがアンタと一緒に行かなきゃいけないのよ?」
褐色の肌、緑の髪、長く尖った耳。
シグーネが髪をかき上げながら、面倒臭そうに答えた。
「だって…ソレがお化けだったら怖いもーん。
その点シグーネさんなら、お化けとか親戚みたいなものでしょ?」
「魔族とお化けを一緒にするなっ!!
それを言うなら、アンタ達人魚も同じようなもんだろっ!」
素でボケる…セイナに、シグーネは激しく突っこんだ。
「違うもん! お化けと人魚は…おんなじじゃないもんっ!!」
「あぁ~~っ、アンタと話をしていると、イラついてくる。」
そう言って、シグーネは席を外そうとした。
「あ、待ってぇ~! だったら一緒に行ってくれたら、ミオちゃんの剣道着を貰ってきてあげる!」
―ピクっ!―
「脱ぎたてだろうね?」
「う…うん、汗がいっぱい染み込んだやつ。」
―ニヤッ!―
「フ…ッ! アタシもまだまだ青いな。こんなボケ人魚の事を気にかけてあげるなんて。
いいだろう、一緒について行ってあげようじゃないの!」
そう言ってシグーネはニッコリと笑いながら、セイナの両肩を軽く叩いた。
内心、ちょっと不味い事を言ってしまったと後悔するセイナだった。
洋館1階ホールこっそり侵入し、辺りを見渡すシグーネとセイナ。
「アラ、やっぱり来たのね~っ♪」
その前に姿を表すレイカとミキサー型の機械
「アンタ、誰だい?」
腕を組み、余裕のしぐさでレイカ達を睨むシグーネ。
『―シグーネ―』
機械音的な声がシグーネを呼んだ。
「何なの…今の声は? 気安く呼ぶんじゃないわよ。」
ミキサー型の機械に名を呼ばれ反応するシグーネ
それと同時に触手が飛び出し、腕組したままのシグーネに絡みつく。
「な…なんなのよっ、これはっ!?」
魔法を使う暇も、逃げる事もできず、ミキサーに中に放り込まれる。
「それは秘密です♪」
笑顔でそう言いながらスイッチをオンにするレイカ
5分もしない内に、どろどろの液体と化すシグーネ
「シ…シグーネさんが…溶けちゃった?」
呆然とたたずむセイナ。
「ミキシンガー、次はアッチの娘ですよ~ぉ♪」
楽しそうに、ミキサー型の機械に命令するレイカ。
その表情には、罪悪感らしきものは一切無い。
『―ミナヅキ セイナ―』
「え…っ、あ…ハイッ!!」
右手を高々と上げ、元気良く答えるセイナ。
同時に触手がセイナに絡みつき、同様にミキサーの内部へ放り込んだ。
「たあいも無いわね♪」
微笑みながら、スイッチを押すレイカ。
ウィィィィィィィン…
機械音と共に振動する、ミキサー型の機械。
「ミオちゃーん、たすけて~ぇ!!」
内部で泣き叫ぶセイナ。
だが、徐々に溶けていくうちに
「―ん、でも…結構気持ちいいかも…」
その表情は恍惚としたものに変わっていた。
液状化した二人を別々の容器入れ替えるレイカ
その30分後、洋館に現代の天女族、神楽巫緒が姿を表す
その頃、プウーペ達のいるアジトでは…
本編「新たな幹部・レイカ1」へ続く----------------------------------------------------------------------
私はレイカについて、簡単な設定はしていたものの、ここまでしっかりしたバックストーリーは考えておりませんでした。
それだけに、この作品を読んだとき、「レイカとラビスの出会いは、間違いなく…こんな感じだろう」と自身で納得させられた思いがあります。
(特に復活させるために光の魂を抜かれた人々が黄金化するアイデア。状態変化を主とする[みら!エン]に見事に当てはまり、驚愕いたしました)
改めて、
結城様の創作力に感服すると共に、感謝いたします。尚、最後の水無月家からのシーンは、私が製作させていただきました。
(結城様のご了承は頂いております)
本編扱いすると決めた時点で、完全にSTG14に繋げたいと考えた結果です。
そこで、元々…当時マンガで描こうと思っていたが、ページの都合上やむを得ずカットしたシーンを継ぎ足させていただきました。
こうして、レイカは現在に至るわけです。