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自己満足の果てに・・・

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ターディグラダ・ガール 第三話「丘福に集まった6つの星 二.一章」

 こんにちわ。
 哲学する蝕欲 るりょうりに です!

 今回はタイトル通り、『ターディグラダ・ガール』の第三話、二.一章です。
 どういうことかと言うと、後で読み返していただくとわかると思うのですが、この第三話の二章で、西東欄と中田素子の二人を迎え入れた…新生CCSのシーン。 
 そこへ彼らの第一戦目である、樫井方面からの応援要請が入ったのですが、物語はそこから一転して、スイミングスクールでのカツチとグーラの初対面となり、その後……樫井での”戦いを終えた”CCSの面々への話へ戻るわけです。

 そうです。
 樫井での戦闘を、スッポリとカットされているわけです。

 実は当時、その戦闘シーンも書いていたのですが、あまりに話が長くなったので、問題無い程度に省かせていただいたというわけです。

 ですが、次回公開予定の第六話。
 これを読むにあたって、直接関係するわけでは無いのですが、知らないよりは知っていた方がイメージが付きやすいかな?と思い、今回そのカットされた戦闘シーンをこの場で公開させていただくことにしました。

 あくまで純粋な戦闘シーンのみなので、状態変化はありません!

 また前述の通り、直接物語に関係するわけでも無いので、読まなくても…これといった問題はありません。
 ただ六話での会話の中で、「ああ、この時の戦闘のことかな?」とイメージが付いてくれれば、より感情移入がしやすいかもしれない。というだけのことです。

 というわけで、とりあえず公開させていただきます。

 ちなみに、三話二章の……

「東区樫井方面に、オーク型らしき未確認生物が複数出没。住民を襲い、現在東署職員が応戦中! TG01出動! 藤本くんはここに待機。西東くんはTG01と同じようにXP250Pで出動。中田くんは僕らと一緒に対策車両で現場へ向かう!」

 から……

「一体、何を考えているんだ……! キミたちは!?」
 応援を受けた戦闘を終え、無事に帰還したCCSの面々。

 の間の話です。

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 一方こちらは、東区樫井にある大型ショッピングモール前。
「ガール・ライトニング・キィィィック!!」
 建物の壁面を利用して空高く跳び上がる。そして、そこから急降下による運動エネルギーと、電撃を加えた一撃必殺の蹴り技。
 喰らったオークは十数メートル吹き飛ぶと、そのまま泡を吹いて意識を失った。
「スゲェ! アレが噂の、ターディグラダ・ガール……最強の必殺技か!!?」
 瀾はそう言いながら、ターディグラダ・ガールこと明日香の動きを見入っていた。
「西東くん!のんびり見ている暇はないぞ。オークは他にも三体いる。キミはそのXT250Pを使って、中田くんの有効射撃距離まで誘き出すんだ!」
 和の指示が、通信機からガンガン響き渡る。
「へぃ…、へぃ……!」
 瀾は、そう適当に相槌を打つと、オフロード型白バイ……XT250Pのエンジンを吹かした。
 甲高いエンジン音を鳴らしながらオークに近寄ると、拳銃を構えた。
 彼の持つ拳銃は、最近警察で普及され始めたS&W・M360J SAKURA。一昔前の日本警察が使用していた、ニューナンブM60と同じ38口径の拳銃である。使用弾丸は .38スペシャル弾。反動が少なく、最も扱いやすい銃弾と言われているが、その分……威力は抑えられている。
 一発二発とオークの土手っ腹に命中するものの、分厚い脂肪に覆われた皮膚では、致命傷を与えることはできない。
 銃弾を受け血相を変えたオークは、棍棒を振り上げ一心不乱に瀾に向かってくる。だが、それが本来の狙い。
 白煙を上げながらアクセルターン……つまり反転すると、オークがそのまま追いついて来れる程度の速度で引き返す。
 そして、その先には拳銃を構えた素子が待ち受けているという寸法だ。
 素子の持つ拳銃は、S&W・M686という瀾の持つM360J SAKURAと同じ38口径。  
 だが、こちらは.357マグナム弾という、より破壊力の高い銃弾を撃つことができる。
 日本でも上位企業に仲間入りしている中田貴金属グループ、会長の孫。
 そんな素子は、幼いころから一年の三分の一は海外で生活しており、身を守るために射撃の練習もさせてもらっていた。そういった経緯があるからこそ、こんな少女のような風貌なのに、実弾射撃上級なんてものを一発で通ってしまうのだ。
「よしっ、西東くん!そこで離脱し、中田くんにトドメを刺させるんだ!」
 対策車両から和がそう指示を与える。それを聞くと瀾は更にアクセルを吹かし、バイクを加速させた。一気に追ってくるオークとの距離が広がる。
 ところが……。
「冗談じゃ、ねぇーぜ!」
 何を思ったのか瀾は、百数十メートル程離れた先で再びアクセルターンをすると、オークに向かって猛スピードで突進してきた。そして歩道の縁石の区切り目を利用して、そのまま高々とジャンプ。XT250P(バイク)ごと激しい勢いで圧し掛かるようにオークにぶち当たった!!
ブギャァァァァァッ!! 
 まさしく獣の雄叫びのような悲鳴をあげ、XT250Pに押し潰され倒れたオーク。
「フンッ! 銃が得意でなくても、てめぇ等みたいな豚野郎を倒す手は、いくらでもあんだよ!」
 瀾は倒れ伏せているオークを見下ろしながら、意気揚々と語った。
「西東くん、油断するな! 相手はまだ沈黙していないぞ!!」
 和から、そう警告めいた通信が入ると同時に、倒れていたはずのオークが再び起き上がる。そして瀾が乗っているXT250Pを掴むと、そのまま高々と持ち上げた!
 必死にXTにしがみつく瀾ごと二回……三回と振り回し勢いをつけ、まるで砲丸投げのように放り投げた。
 激しく道路に叩きつけられるXTと瀾。そんな瀾に向かって、蒸気が吹き荒れるヤカンのような顔をしたオークが、ノシ…ノシ…と歩み寄ってくる。
「こっちだって……簡単にやられるかよ!」
 そう呟きながら立ち上がろうとした瀾。しかし……
ズキッ!! 
 鋭い痛みが足首に響き渡り、「痛ぇぇぇぇぇっ!」瀾は再び道路に倒れ伏せてしまった。苦しみながら足首に目をやると、そこは真っ赤に腫れ上がっている。
「チッ!今ので挫いたか? マジかよ……」
 その言葉が通信機を通して和の耳に入る。
「やばい……! 今、中田くんは……!?」
 和はドローンを操作し、素子の状況を確認する。
 素子は丁度、駐車してある車に身を潜めながら、もう一体のオークを相手にしていた。
「中田くん、西東くんが足を負傷した。先に西東くんを援護してくれ!」
 和からの通信を受取り、チラリと瀾の方に視線を移した素子。
 しかし、「自業自得……」そう呟くと、我……関知せずといわんばかりに、もう一体のオークに銃を向けた。
 射撃の基本は一撃で敵を倒そうとするのではなく、まず一撃目で敵の動きを止め、二撃目で仕留める。
 それを忠実に守る素子。一発目の銃弾は、棍棒を振りかぶる右腕に命中。さすがはマグナム弾! 右腕は棍棒を握ったまま、胴体から吹き飛んだ!!
「余裕だね……」
 素子はトドメを刺さんとばかりに、今度は頭部を狙って銃を構えた。
 だが、そこに油断があった。トドメを刺すことばかりに集中し、潜めていた姿を丸出しにしてしまったのだ。
 自分を傷つけた敵の位置を把握したオーク。右腕は失いはしたものの、むしろ手負いの野生怪物と化し、一足飛びで素子に駆け寄る。
 それは、今まで射撃場の的しか射ってこなかった素子にとって、まるで予想もつかないほどの動きと速さ。ほんの一瞬で、目と鼻の先まで、敵の接近を許してしまった。
 野球のグラブのような大きな左手を高々と振り上げるオーク。
「ひぃ……っ!」
 意識的に避けたのか? それとも恐怖で腰を抜かしたのか? どちらにしろ、運良くオークの一撃をかわした素子。その一撃は素子の脇にあった乗用車を、一瞬でペチャンコにした。
 一撃目は外したものの、その怒りの篭った瞳は獲物を逃がさない。オークは再び素子の頭を粉砕しようと、その左手を振り下ろした。

ガシッッッ!!
  
 すぐ目の前で、何かが交錯した。一つはオークの大きな手。もう一つは、白く細い棒のようなもの。いや、それは棒では無く……腕だ! ターディグラダ・ガールの白い左腕。
 そう……間一髪、明日香のガードが素子を救ったのだ。先ほどまで他のオークを相手にしていた明日香。それを撃退したときに目に入ったのが、素子の危機。無我夢中で駆け寄り……差し出した腕が、素子を襲う一撃を食い止めたのだ。
「怪我はありませんか、中田巡査?」
 ヘルメット越しに放たれる明日香の優しい声。
「う…うん……」
「よかった!」
 明日香はそう言うと左腕を払い、オークを弾き返す。そして、間髪入れずに左右のパンチによる連打攻撃。割と防御力の高いオークもさすがに堪えられず、その場で仰向けにひっくり返った。
 そこへ、
「明日香くん、聞こえるか!?」
 和より通信が入る。
「明日香くん、大至急……西東くんを援護してくれ!大至急だ!」
 和の言葉に振り返ると、そこでは瀾が負傷した足を引き摺りながら、必死で拳銃を乱射していた。
「中田巡査。あなたの銃を貸してくれませんか?」
 そう言って明日香は手を出した。
「いいけど、これ……いちお、マグナムだから……」
「わかっています」
 明日香は素子から拳銃M686を受け取ると、右手一本で構える。
 パンッ!!
 やや重い発射音が鳴り、更に……パンッ!! パンッ!!と三連射! 
 さすがのマグナム三連発!三発とも丸々太った胴体に命中し、オークは数メートルほど吹っ飛ぶと、そのまま沈黙した。
「うそ……でしょ……? マグナム弾を片手で連射だなんて……」
 目を皿のように丸くし、呆然とする素子。
「私……、強化服のお陰で通常の10倍の腕力があるんです。だからマグナムと言っても、反動は無いようなもの。でも、命中率は中田巡査の足元にも及ばないと思います」
 その後、まだ息のあるオークはそのまま捕獲し連行され、応戦していた東署職員たちは、全員無事に帰還した。

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 というわけで、ここまでです。

 現在第六話は執筆中で、今のペースでいくと、9月末くらいの公開になりそうです。

 では、また近況報告等で報告いたしますね! (^.^)ノシ


 

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