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自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

2018年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年09月

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るりょうりにクイズ ヽ(`▽´)/

るりょりにクイズ ←クリックしてね!

暇なときにやってみてください! ヽ(`▽´)/

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姉妹サイト『るりょうりに』 ターディグラダ・ガール第2話 公開!

こんばんわ!

 衛藤 操希


さてさて、またもいきなり出て来た謎?の画像。
この子は、一体……何者でしょう?

ちなみに、女の子に見えますか? それとも男の子に見えますか?


正解は、男の子です! ヽ(`▽´)/


このサイトで、男の子なんか……登場したことありましたっけ?

男性なら、ターディグラダ・ガールに2~3人いますけど…。
男の子っていうのは、いませんよね?
ネザーワールドクイーンの主人公…倫人は、男の子って呼ぶべきなのかな?

まぁ…いいやw

ぶっちゃけ、ショタ!ですww


なんで、こんな子を描いたかと言うと、数十年と封印されていた私のショタ嗜好が、ついに解かれてしまったからです!(笑)

正直、そんな大袈裟なほどショタではないんですけどね、ちょっと……少~しだけ、そういう所もありまして。
でも、ホント…ここ十年以上、その気は無かったんですけどね。

去年あたりからチラホラ出だして、今年…とあるアニメのせいで、封印が解かれてしまいました。(;^_^A

んで、久しぶりに男の子ってヤツを描いてみたくなったので、描いてみましたw

多分この子…ターディグラダ・ガールの次回作ではなく、その次……10話あたりに登場すると思います。(笑)



さてさて、話が思いっきり違う方向で始まりましたが、タイトル通り……姉妹サイト『るりょうりに』で、ターディグラダ・ガール第2話を公開いたしました。

…と言っても、このサイトで公開したものと、話は一緒です。

ただ、少~~しだけ、微修正しているかな。

どこが修正されているかは、暇な時でも見つけてくださいww

もちろん、パスワードロックはされていませんので、会員以外の方でもご覧になれます。

そんなわけで、よろしくです! o(≧▽≦)o


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ターディグラダ・ガール 第八話 はじめに


キラリン大福


こんにちわ!

いきなり出て来た…この画像。
和菓子 さくや』の広告です! ヽ(`▽´)/


なにそれ!?

そう思った方。

今すぐ、ネザーワールド クイーン を読みましょう!!(笑)


まぁ、わかっているとは思いますが、『さくや』なんて和菓子屋さんも、キラリン大福も、現実には存在しませんけどw

よく似たお菓子はあるけど、一応キラリン大福は想像のお菓子です。
キラリン姫もねwww
(モチーフとなった、ゆるキャラは存在するけど)

でも、マジで美味しそうに描けているでしょう!?


大福餅の質感や、イチゴの瑞々しさも良く描けたな~と、自分でも大満足!ヽ(`▽´)/




さて、どうでもいい話と、そんな物描いている暇があったら……って言われそうなイラストから始まった、今回『八話のはじめに』。

タイトルの通り、今回は…ターディグラダ・ガールのつづきです。

いやーっ、お盆休みに間に合って良かったよ。

でも、殆どの人はイベントに行っておられるので、こんなサイトの事は忘れていらっしゃるでしょうね!
( ̄ー ̄ )ニヤリ

私は地方の上に、ギリギリまで休日の予定が判らないので、ああいったイベントへ行く機会は殆ど無いですね。
まぁ、私の分まで楽しんでくださいませ!

おっと、話が逸れた。

今回の八話。
物語的には、結構シンプルです。
また、状態変化も基本一種類です。(お約束は一つありますが……)

ここんところ、色々…盛りだくさんにしたせいで、ページ数も多く、内容的にもややこしかったので、あえてシンプルにしてみましたが……。

でも、やっぱりページ数は長い…。なぜだ!? orz

そんなわけで、楽しめる人が限られてしまうかもしれませんが、笑って許していただけると嬉しいです。


では、これ以上の話はネタバレになるので、つづきは『あとがき』にて!!








| ターディグラダ・ガール | 15:45 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 一章



「そっちへ逃げたぞ! あの交差点の先だぁ!!」
 薄暮がやってきて、やがてほんのりと青い夜の闇が街並みを包んだ頃、あちこちから怒声のような叫びが聞こえ始めた。それも一人や二人ではない。おそらく十人弱はいるだろう。
 その声の主たちは、若い男性もいれば女性もいる。また、年配者も混ざっている。
 それはどう見たって、一般の人々であった。
 その声の主たちにに問い掛けるように、一人の濃紺色の制服男性が駆け付けた。  
「お待たせして申し訳ありません。ところで一つ確認いたしますが、本当に『未確認生物』だったのですか?」
 それは若い警察官。おそらく、この近辺の交番勤務の駐在員であろう。
「ああ、間違いない! でかい頭に……黒っぽい皮膚。あんなのは人間じゃねぇ。未確認生物だ!!」
 そこに居た誰もが、そう答えた。
「わかりました。至急所轄を通して、県警本部の対策係に報告します。では…まず、未確認生物に襲われた方はどなたですか?」
 警官の問いに、皆が皆……顔を見合わせる。
「襲われたっていうのは、その未確認生物から攻撃をされた……。って意味かいな?」
「はい。もちろんそうですが、襲われたのはどなたでしょう?」
 再び、皆が皆…顔を見合わせる。
「そういった意味では、襲われたヤツはいねぇーんだけど。」
「最初に叫んだのは誰だっけ?」
 その問いに「俺だよ!」と答えたのは、ねじり鉢巻きの年配の男性。
「俺はそこの角で青果店をやってるんだけど、いきなり未確認生物が現れたかと思ったら、店のトマトとキュウリを1~2本ずつ、盗んでいきやがったんだ!」
「トマトとキュウリ。それだけ……ですか?」
「それだけって、それだって犯罪だろぉ! こちとら生活が懸かっているんだ! 早く、とっ捕まえてくれよぉ!」
 年配男性は顔を紅潮させ、頭から湯気でも出しそうな勢いで、そう怒鳴り散らした。
「は……はい、わかりました。他に被害に遭われた方は……?」
 警察官の再度の質問に、三度顔を見合わせた人々。
「いや、他には誰もいねぇーんじゃないかな? その青果店の親父の叫び声で、逃げていく黒っぽい影を見ただけで。」
 一人がそう言うと、そこに居た全ての人たちも、ウンウン!と頷いている。
 そんな皆の言葉に、一人ポカンと固まってしまった警察官。
「一応報告はしてみますが、おそらく後日改めて捜査されるんじゃないかと思います。」
 とは言ってみたが、その表情にはもはや緊張感の欠片も無かった。

 

「くそったれ!! レバレッジ10倍が仇になったぜ!!」
 ここは丘福市南区小間にある、こじんまりした二階建ての一軒家。
 その家の一室で、ディスプレイを二つ並べたパソコンを凝視している一人の若い男。彼の名は、堂本大輔。
 わなわなと震えるその腕でキーボードを掴み上げると、高々と振り上げ床に叩きつけた。
「500万だぞ! また一気に500万…消えちまった!!」
 パソコンデスクを蹴っ飛ばし、本棚にある投資の専門書を床に撒き散らすと、今度は廊下へ向って声を荒げた。
 彼…堂本大輔は、現在28歳。自称ネット投資家……と言えば聞こえはいいが、現実には殆ど稼ぎは無く、同棲させてもらっている女性から金銭をせびり、それを投資に当てている。
「紅々愛(ここあ)~っ!! 聞こえるか、紅々愛~~っ!! 今すぐコーヒーを持って来ぉーい!!」
 その怒声にパタパタと反応する足音。
 すると1~2分もしないうちに、一人の幼い少女がマグカップを両手で大事そうに抱え、部屋へ入って来た。
 大輔は少女が持ってきたマグカップを受け取ると、その中身を口に含む。
ブゥゥゥゥッ!!
「苦ぇぇぇっ!!」
 そう叫びながら、含んだコーヒーを全て噴き出す大輔。と同時に、手にしていたマグカップを少女に叩きつけた。
 少女の全身がずぶ濡れになり、しかも湯気が濛々と立ち昇っている。
 それでも少女は熱がりもせず、ただジッと立って耐えている。

ターディグラダ・ガール 8話01

「紅々愛、なんだぁ…このコーヒーは!? くそ苦ぇぇじゃねぇーか! 砂糖を入れてねぇーのか!?」
 大輔はそう怒鳴ると、右手でその少女……紅々愛の頬を思いっきり引っ叩いた。
 紅々愛の小さな身体が木の葉のように舞い上がり、そのまま本棚に叩きつけられる。
 それでも紅々愛は悲鳴すら上げず、ただ黙って涙を零した。
「ご……ごめんなさい。でも…砂糖はもう無くなって……。」
 身体同様、か細い小さな声で、賢明に弁解する紅々愛。
「だから俺に苦いコーヒーを飲めってかぁ? 俺が苦いの嫌いなの、知ってるんだろぉ? 嫌がらせかぁ~っ!?」
 大輔はそう言って紅々愛の胸ぐらを掴み上げると、そのまま高く吊り上げる。
「今すぐコンビニ行って、砂糖を買って来い。そしてコーヒーを作り直して来い。わかったな?」
 歯を剥きだして鬼のような形相で睨みつけると、紅々愛の小さな身体を廊下へ放り投げた。
 まるでゴムマリのように跳ね上がる紅々愛の身体。
 それでも、そこで痛がって蹲りでもすれば、大輔が蹴りつけてくるのは身をもって知っている。
 泣きもせず黙って立ち上がると、よろめきながらもトボトボと歩き始める。
 そして、玄関口のすぐ傍にあるキッチンへ入ると、そこには仕事から帰宅したばかりの母……莉子(りこ)が、黙ってテーブルに腰かけていた。
「お母さん……。砂糖を買ってくるから、お金をください。」
 紅々愛は、自分自身の感情を偽るように目を細めて微笑むと、ゆっくりと小さな手を差し出した。
 莉子は、そんな紅々愛の顔すらも見ず、何も言わずに財布から千円札を抜き出すと、放り投げる様に紅々愛に手渡した。
 お金を手にした紅々愛は小さくお辞儀をすると、静かにキッチンを後にし、買い物へ出かけて行った。
 コンビニで砂糖を一袋買い、再び青黒い景色の中を戻る紅々愛。すると……、
「あっ! 紅々愛ちゃーん!?」
 そう声を掛けて来たのは、紅々愛よりも少し年上に見える少女が三人。
「こんな時間にお買い物~っ? アタシたちは塾の帰りなんだけど、よかったら…一緒に帰らない~っ?」
 その内の一人、栗色のウェーブの掛かった長い髪。パッチリした目。まるで少女マンガのヒロインのような美少女が、にこやかな笑顔で問いかけてきた。

ターディグラダ・ガール 8話02

 そんな三人の姿を見て、紅々愛の顔は更に暗くなる。
「ん!? 紅々愛ちゃん…『親友』のアタシが話しているのに、返事をしてくれないのーぉ?」
 その美少女は、プクーッと頬を膨らませて紅々愛に歩み寄ると、彼女の肩を軽く叩くように押し付けた。
「ほら、愛梨(あいり)がそう言ってんでしょ! 返事くらいしなさいよぉ!?」
 他の二人もそう息巻きながら、取り囲むように立ち塞がる。
「ご……ごめんなさい。お使い中だから……すぐに帰らないと。」
 足をガタガタと震わせ、うろたえながら返事をする紅々愛。
「お使い中? いいじゃなーい、少しぐらいお話したって! 紅々愛ちゃん、学校でもアタシのこと…避けているみたいだし、なんか悲しいなぁ~っ。」
 愛梨という名の少女は口ではそう言いながら、まるで「逃がさないよ」と言わんばかりに紅々愛の細い二の腕を掴む。
「それにしても紅々愛ちゃんって、ホント…腕細いよね? 身体も小さくて細いし、お家でご飯食べてるーぅ?」
「まさか、ダイエットでもしてんのぉ~っ?」
「小五のくせに!? ま…っさか~ぁ!! ヒャハハハハ!!」
「うちのママがさぁ、授業参観のとき紅々愛を見て、『あの子、本当に五年生? 三年生くらいの子が混ざっていると思った。』って言ってたわぁ!」
「三年生だって~ぇ、ウケる~~っ♪」
 三人の少女はそう言い合いながら、ゲラゲラとはしゃぎ合う。
「それにさぁ~、この身体。いったいどうしたのーっ!?」
 愛梨はそう言いながら、紅々愛のシャツを捲り上げた。
 そこには青黒くなった痣が、身体中…アチコチに見受けられた。
「体中…傷だらけ! もしかして、紅々愛ちゃんって…危ないプレイでもしてるの?」
「危ないプレイだって!? 愛梨って、よく知ってるね! オ・ト・ナ~ぁ!!」
 いい様に紅々愛を弄りまわす三人の少女。
「も…もう、いいですか? 早く帰らないといけないので……。」
 紅々愛はそう言うと掴まれた腕を振り払い、足早にその場を立ち去ろうとする。
 それを見た愛梨の表情が一瞬険しく引き攣ると、素早く後を追い、紅々愛が手にしているコンビニ袋を強引にもぎ取った。
 そして中に入っている砂糖を引き出すと、
「ねぇ、お友達のアタシたちより、こっちの方が大事なの? それじゃ…アタシたち、傷つくなぁ~っ!!」
 そう言って袋を引き裂き、その白い粉末を路面に振り撒き散らす。 
 その行動にはさすがに他の二人も眉を潜めたが、パワーバランスなのだろうか? あえて、口を開こうとはしなかった。
「紅々愛ちゃん。お友達は大切にしないと、天罰が下っちゃうよーっ!?」
 愛梨はそう言うと、コンビニ袋を放り捨て、何事も無かったようにその場を後にした。もちろん他の二人も、足早にその後を追って行った。



「コンビニ行くだけで、何時間掛かっているの!? アンタがダラダラしているから、アタシがパパに怒られるじゃない!!」
 帰宅早々、紅々愛に降り掛かる雷のような莉子の怒声。
「あの人は……パパじゃ……」
 そう言いかけるが、それを言えば火に油を注ぐのは目に見えている。紅々愛は何も言い返さず、口を噤んだ。
 さすがの莉子もそれ以上は何も言わずに、紅々愛の手からコンビニ袋を受け取ると、
「お釣りは……?」
 と問い掛けた。
 紅々愛はうつむいたまま、静かにお金を手渡す。
 莉子は受け取った釣り銭を確認すると、
「お釣り、足りないじゃない? どうしたのよ?」
 と問い直した。
「買った砂糖、途中で落として……破れちゃって。だから、もう一つ買い直したから……。」
 更に深く項垂れる紅々愛。
 莉子は「何言ってるの……」と問い返そうとしたが、沈んだ紅々愛の表情を見て、あえてそれ以上…口を出さなかった。
 だが、
「なんだ? 紅々愛のガキは~っ、親の金をちょろまかしたのかぁ!?」
 そう叫びながら、大輔がキッチンへ入って来た。
「コーヒーを催促に来れば、紅々愛がお釣りをちょろまかしたって声が聞こえたぞ! このクソガキは、親が苦労して稼いだ金をいっちょ前にくすねているのかぁ~っ!?」
 大輔は歯を剥きだし、振り上げた右足を紅々愛の腹に抉る様に叩きつけた。
 またしても宙に浮かぶ紅々愛の小さな身体。それでも、文句も言わず……泣きもせず、ひたすら耐え続ける。
「おい…莉子っ! 親の金を盗むようなガキには『躾け』が必要だ! ”今日も”飯は与えなくていいからな!!」
 言うだけ言うと、大輔はコーヒーの入ったマグカップと砂糖を手に、キッチンから出て行った。
 莉子はそんな目に遭った紅々愛から目を背け、
「パパの言う事を聞かないとお母さんも怒られるから、だから今夜はご飯は抜きよ。でも……」
 そう言うと、冷蔵庫から一本のペットボトルを取り出し、
「何も食べさせずに死なれても困るから、とりあえず…コレ、飲んでおきなさい。」
 と、そのペットボトルを手渡した。
「ありがとうございます。」
 深々と莉子にお辞儀をすると、紅々愛は受け取った『スポーツドリンク』を口に含んだ。

| ターディグラダ・ガール | 15:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 二章

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 三章

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 四章

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 五章

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ターディグラダ・ガール 第八話「少女と未確認生物」 六章

 
「テオさんは食材で言うなら、大自然に育まれた天然素材。天然素材には、天然素材との組み合わせがいいはず! だからこのワッフルには、木苺のソースが相性抜群と思うのですわ!」
 そう言ってテオワッフルに、ラズベリー色のソースを楽しそうに振りかけるマゴット。
 香ばしい匂いと、酸味を帯びた甘い匂いが混ざり合い、思わずお腹の音が鳴りそうである。
 ナイフなどを使わずに、ワッフルを無造作に小さく引き千切る。そして大きく口を開け、パックリと頬張った。
 若いテオのほのかな甘みと、風のような涼やかさ。そして思った通り、天然木苺の甘酸っぱさが程よく混ざり合い、口の中を充満し…鼻孔から抜けていく。
「美味……。いえ、美味なんて言葉では、この感動は表しきれませんわぁ~っ、テオさん♪」
 全身の力が抜けてしまいそうな、大きな溜息が身体中を突き抜ける。
「全部頂きたい……。全部…私めが食べて差し上げたい。でも……、そうするとレイカさんが、お怒りになるでしょうねぇ……。」
 マゴットはそう呟きながら、潤んだ瞳でレイカに視線を移した。
 その当のレイカは、相も変わらずガールとの戦闘…真っ最中!!
 テオが抜けた事で再び一対一となり、一進一退の攻防が続いてはいるが……。
「まったくもぉーっ!! なんなのよぉ…このターディグラダ・ガールのしぶとさはぁ!?」
 そう言うレイカは、珍しく肩で息をし始めていた。
「いくらマアラ様の超強力な魔力を持っていてもぉ、生身の人間である…アタシの身体が、それに持ちこたえることができないーっ。そのせいでぇ……」
 レイカはそう呟きながら、自身の手足をチラチラと見始めた。
 その細い手足には、太い血管がアチコチに浮き上がっており、今にもブチ切れそうだ。自身が言う通り、その肉体が限界近くまで達しているのは一目瞭然。
 一方のガールも、何度もレイカやテオの攻撃を喰らっていたために、脚はガクガクと震え、立っているのが精一杯だというのも判る。
 ただ、それでもシールド越しに見える…その目は、ギラギラと光を失っておらず、闘志に満ち溢れている。
 そして、そんなガールに追い風が吹いたように、
「西東、中田……。両巡査、到着しました!!」
 CCSのメンバー。西東欄、中田素子の二人が、丁度駆け付けたのだ!
――これはレイカさん、少し危うい状況かもしれませんね。―
 ワッフルを食しながら、マゴットの眉間にやや皺が寄る。
 すると…、
「マゴット殿、一つ頼まれてくれんか?」
 ヌゥ~と近寄って来た死神教授が、囁くように声を掛けて来た。
「頼み……でございますか?」
「うむ。今の状況では、マゴット殿にしか頼めんことだ。」
「勿体ぶらずに、仰ってください~!」
 そう言って、ニコリと微笑むマゴット。
 それに対し、死神教授は鋭い視線をターディグラダ・ガールへ移すと、
「あの、ターディグラダ・ガールという女を『捕獲』してもらいたい!!」
 静かに、そして力強く言い放った。
「おそらく、あの服の中身……橘明日香という女は、ワシと同じように遺伝子工学の権威でもあった『橘東平』の娘と思われる!」
「橘東平さん……? お噂は聞いたことがございますが?」
「橘(ヤツ)は、『LOM』という遺伝子改変生物を主に研究していた。そして、それを医学に用いろうとしていたのだ。だが、それを人体で応用するのは人道に反すると、医学界から追われた期間がある。」
「人間というのは、大変面倒なんですね。」
「表向きヤツは、その研究を凍結させたように見せていたが、その裏では、身内を使った研究を続けていたとも噂されておった。」
「その身内が、あのお姉さん…ってことですか?」
「おそらく! あの強靭な肉体……タフさは、そうとしか思えん。」
 こう言う死神教授に、マゴットは全てを理解したように頷くと、
「そこで、お姉さんを捕獲して。その身体を調べてみたい…と仰るわけですね?」
 苦笑しながら、そう返した。
「いいですわ。ここは教授にご協力いたします。」
「うむ、頼むぞ……」
 死神教授の言葉に再度頷き、全てを了承したかのようなマゴットであったが、
「ですが……」
 まるで思い出したように口を開くと、
「一つ条件がありますの。その条件を承知していただけたら……の話です。」
 と言葉を付け加えた。
「条件……だと?」
「はい! お姉さんの身の安全を保障し、お調べ事が終わりましたら無事に釈放してさしあげること。これが条件でございます。」
 予想も付かなかったマゴットの言葉に、死神教授は目を丸くした。
「捕らえる敵の…身の安全と釈放が条件だと? ずいぶん変わった事を言う?」
 その言葉にマゴットは、真剣な眼差しで死神教授を見つめ、
「私め……、あのお姉さんの真っ直ぐで、純粋なところが大好きですの。たとえ敵であろうと、私めには関係の無い研究などで、その存在を失うことは…とても我慢できないことでございます!」
 と、力強い口調で言い返した。
「まぁ…良い! ワシには娘の生死では、どうでも良いこと。その細胞……遺伝子構造だ。調査が終わったら、無事に釈放することを約束しよう。」
 死神教授は、マゴットの言葉にやや呆れつつも、ハッキリとした口調でそう答えた。
 それに対してマゴットは満面の笑みで頷くと、再びレイカの戦いの行方に目を向けた。
 そこでは、新たに参戦した西東、中田の姿もあり、三人の連携プレイにやや苦戦を強いられているレイカの姿があった。
 それを確認すると、マゴットはまるで重力を失ったかのように…フワリと跳び上がると、花のようにワンピースを翻し、レイカの目の前に着地した。
「マゴットさん~? 今頃…参戦ですかぁ?」
 皮肉の籠ったレイカの言葉がマゴットを突き刺す。
「ごめんなさいませ…レイカさん。私めも色々と忙しい身なもので……」
 そう答えるマゴットに、レイカは糸目を吊り上げ、
「ふ~ん……。さっきアッチで、のんびりとぉ…ワッフル食べている姿がぁ、目に入ったけどぉ~っ?」
 と、言葉の切れ味を更に上げて来た。
 それにはマゴットも
「食欲が最優先の私めですから……」
 そう目を細めて苦笑する。そして気を取り直したようにガールに視線を移し、
「強化服のお姉さんは私めが相手をしますので、レイカさんは雑魚二人の相手をお願いいたします。」
 そう言って体勢を整えた。
「あらあら……? 主菜を横取りされるなんてぇ、ちょっとぉ…侮辱ぅ~っ! これじゃぁ…マスターとしての立場がぁ、形無しじゃなぁ~い!?」
 マゴットの言葉に、膨れツラのレイカ。
「申し訳ございません。教授からちょっとした依頼がございまして。」
「死神教授…からぁ?」
 レイカは、チラリと覗くように死神教授を見ると、
「まぁ、いいかーぁ! ぶっちゃけ~ぇ、アタシもちょっと疲れていたしぃ~っ。だったらぁ、さっさと片付けてぇ…さっさと帰りましょ~ぉ!!」
 そう言って気を取り直したかのように冷笑を浮かべると、欄と素子に向けて体勢を整えた。
「では、私めから……」
 マゴットはそう言うと、今度は一足飛びでガールの眼前に立ちはだかった。
「こ……この子は、以前…私の下着を食べた……!?」
「あの時はご馳走様でした、お姉さん。とても美味な下着でしたので、もう一度頂きたいと思っているのですが……」
 マゴットのその言葉に、
「だ…だめっ!!」
 思わずガールの両手が、胸とお尻を覆い隠す。
 そんな隙だらけとなったガールにマゴットは、
「でも、今日は急ぎの用事がございますので、それはまた次回に……!」
 そう言って、彼女の喉元に人差し指を突き刺した。すると、その指先に、線香花火のような…バチバチと火花を散らす爪先程の白い発光体が現れる。
「おやすみなさいませ、お姉さん!」
 言葉と同時に発射される発光体。それは至近距離から喉元を直撃。
 ガールは仰け反るように首を反らしたかと思うと、そのまま仰向けに倒れた。
 ピクピクと全身を痙攣させて、起き上がれないガール。
「なぁ~るほどぉ! 砲弾のような魔力の塊を爪先程までに凝縮してぇ、それを喉元に打ち込んだぁ……って訳ねぇ~っ。あんなのを喰らったらぁ、さすがに刑事さんもぉ…ただじゃ済まないかぁ~!? さすがはマゴットさん、理に適った器用な攻めねぇーっ!!」
 状況を見つめていたレイカは、ただ…ただ…感心すると、小さく溜息をついた。
 そして、もう二人。それを茫然として見つめていた欄と素子。
 欄はフトッ…我に返り、白バイFJRに跨ると、
「お嬢ーっ! 俺がコイツで突っ込み…隙を作るから、おめぇーは全弾ぶち込んでやれっ!!」
 エンジンを二~三度空ぶかしをし、勢いよく発進させた。
「任せろ……!!」 
 それに続くように、マグナム拳銃M686を構える素子。
 するとレイカは、そんな二人を迎え撃つように両手を前に突き出すと、
「アタシ…マゴットさんのようにぃ~器用な真似できないからぁ、大雑把にいくわよぉ~っ!!」
 その合わせた掌から、身の丈ほどの…巨大な赤黒い発光体を撃ち放った!!
 発光体はアスファルトを抉りながら突き進み、
バゴォォォォン!!
 まるでボウリングの球でピンを弾き飛ばすかのように、FJRで突っ込んでくる…欄と素子、二人纏めて吹き飛ばした。
 一発…。たった一発の魔法で沈黙した欄と素子。
 無論、彼らが弱いわけでは無い。レイカの魔力が強すぎるのだ。
 辺りを見渡し、もう抵抗する者がいないと確信すると、マゴットは身動きしないガールをお姫様抱っこで抱え上げた。
 それを見て、
「さすがだな……、マゴット殿」
 そう声を掛ける死神教授。
「約束は守ってくださいね!」
 そんな死神教授に、ニッコリ微笑み返すマゴット。
「もちろんだ!」
 そう言葉を交わすと、二人は瞬間移動魔法で立ち昇る煙のように…この場から消え去った。
 一方のレイカは、食べかけの『テオワッフル』を拾い上げると、一口だけ齧り、
「あら…やだっ!? ホント……美味しい~っ♪」
 そんな、にこやかな表情を浮かべると、後を追うように消え去って行った。
 それまでの様子をモニターで眺めていた和。
 我を見失ったように対策車両…UMVから飛び降り、現場に駆け付けると、
「僕のミスで……、僕のミスで……明日香くんが、攫われた………!?」
 辺りに響き渡るような声で、そう叫び続けた!



  つづく 
 

| ターディグラダ・ガール | 15:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ターディグラダ・ガール 第八話 あとがき


 まずは、今回も作品を読んで頂き、本当にありがとうございました! <(_ _)>

 今回、少女と未確認生物の交流をテーマとして書いてみましたが、いかがだったでしょう?

 この8話。
 実は、もう一つお話があるんです!! Σ(・□・;)

 それは前回公開した、『ネザーワールド クイーン』を執筆する前に、途中まで執筆していた本来公開されるはずだった…幻の8話が。

 ただそれは、最終的に『明日香が攫われる』という結末は同じですが、それまでの物語が全然違う展開。
 閲覧者さんたちの要望を、あれもこれも取り入れており、内容的に収拾がつかないものとなってしまいました。

 そのせいもあって、一旦リセットする意味も含めて、ネザーワールドクリーンを書いたっていうのもあるんですが。

 一旦別の物語を入れたお陰で、頭の中もある程度リセット。
 そんなとき、昔プレイした…プレイステーションソフトのアドベンチャーゲームをyoutubeで見まして。
 それに感動的な話があって、それを見たら…そういう感動的な話が書きたくなってww

 そこで、今回の話を作ったというわけです!!

 でも、やっぱ…私は未熟だ。

 書き上げて自分で読んでみても、全然…感動できない。 orz

 「読む人を泣かせる物語を書くのは簡単だ!」
 なんて方がよくいらっしゃいますが、私にはそういった才能は無いようです。( ;_;)

 しかし、これに懲りず…またいつか挑戦したいなとは思っております。

 
 さて細かい内容ですが、今回登場した…『サポ』。
 日本では、カエル男とかフロッグマンという呼び方をされているようですが、目撃されているアメリカでは、『ラブランド・フロッグ』と呼ばれているそうですね。

 ちなみに、『フロッグマン』や『カエル男』で検索すると、鷹の爪●の作者が出てきますw

 日本では、まだそれだけ馴染みの無い未確認生物ってことでしょうか?

 ヒロインの『紅々愛』は、最初……盲目の少女という構想で練っておりました。

 目が見えないので、サポの醜い姿がわからないため、交流を結ぶことができた。
 そのためサポは、自分の醜い姿が紅々愛にバレないように必死で隠そうとしたり。
 でも、目が見えない分…触覚の優れている紅々愛は、一度触っただけでサポの姿をある程度認識していた。
 それでも、気づかないフリをして友情を育んでいた。

 そんな話だったんですが、色々と難しかったので今回の設定となりました。

 それでも、この設定は自分なりに良かったとは思っております。

 新しい? 試みだったのが、クラスメイトの『愛梨』。

 愛梨は最初、普通にテンプレートな意地悪な少女だったのですが、イラストのキャラデザインをするとき、少女マンガ(ちゃお、または…りぼん)風にしてみようと挑戦してみました。

 逆に見た目があまりに可愛い出来になってしまったので、テンプレートないじめっ子では似合わない気がしてきました。
 そこで、性格的も一見は明るく爽やかな、いかにも少女マンガの主人公風の口調で、でも…内面は陰湿。という…面倒くさい設定に作り直しました。
 ちなみに、私はキャラデザインは本文を書き終えてから描くので、本文を全て修正する羽目となったわけですww

 しかし、これはこれで大変満足しております。

 
 今回の状態変化。
 
 お約束のミンスーのコイン化は置いておいて……。

 ワッフル化。いかがでしたか?

 前回の話のコメントで、MTさんから『クレープ化』という話が出て。そこで、スイーツ化を考えてみました。
 
 その中で、まだ自分で描いていないもの。
 更に、個人的に大好きな……

 押し潰して、焼き上げる!

 これが出来るものということで、ワッフルを選びました。

 ただ、普通の縦平面だとミンスーがやっていることと変わらないので、丸めてから平面化というデザインにしてみました。

 今回三人(劇中ではもっといるけど)が犠牲になりましたが、一人一人が微妙に姿勢が違うんですよw

 また、焼き上がりの質感は、それなりかな~と自負しております。

 

 さて、次回9話は今回の続きとなるわけですが、明日香は無事に救出されるのでしょうか?

 実は、どうやって救出されるのか?
 全く浮かんできませんwww

 そして、次の敵(状態変化加害者)は、どんな奴なんでしょう?

 これも、まだ…ピンと来るものがありません。


 だから、次の話も結構時間が掛かりそうです。(;^_^A


 それまでは、生存報告などで更新していきますので、良かったら見て頂けると嬉しいです!

 それと………



 先日報告したMMOゲーム。

 やっぱ、面白いですww

 もし、プレイし始めた人がいたら、声を掛けてくださいね。(^^


 では、今回はここまで。

 閲覧、ありがとうございました!  <(_ _)>




 

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