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自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

2013年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年04月

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第06話「妖怪鯵坊主 -前編-」

 妖怪化した千佳との戦いの後、わたしと金鵄はその足で霊獣麒麟を訪ねた。
妖怪化しても、千佳は自我と記憶を引き継いでいた。
被害者も、そして千佳の両親も、千佳が妖怪化して襲ってきた事を覚えている。
 それは、あまりにも千佳が可哀相だ。不本意ではあるけど、なんとかこの事実を隠蔽したい。
 そこで老いてはいるものの、博識な霊獣麒麟に助言をもらおうと、こうして訪ねたみたわけ。
「方法はある。幻獣獏(バク)の力を借りるのだ。」
 麒麟の話はこうだった。
幻獣獏は、悪夢を食べる妖怪。だが、悪い記憶も夢と同じようなものらしく、食べる事ができるらしい。
 翌日わたし達は妖怪セコの案内で獏と会い、千佳本人はもちろん、両親…そして警察関係者、この事件に関わった者全員の記憶を獏に食べてもらった。
 こうして、数日に渡って続いた『通り魔連続傷害事件』は、世間上真相が不明のまま、幕を閉じた。

 それから5日後、週末の土曜日。
 わたしは弓道部の部長と共に、丘福市の東に位置する、樫井という町へ来ていた。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第六話(1)

来週の日曜日、この町の中学…樫井中学校弓道部と練習試合を兼ねた合同練習を行う。
その打ち合わせで、わたしは書記として部長に連れてこられたということだ。
 この樫井という町は、樫井浜と呼ばれる浜辺があり、昔から多くの海産物が採れる場所として名高い。
 実質この町は、神田川県の観光土産用海産物加工工場で経済を賄っている。
そのため、浜辺近辺には、数多くの加工工場が立ち並んでいた。

「あぁ、腹が減ったダヨ…」
 まだ陽が真上に昇っていない午前中、樫井浜の浜辺で丸々太った、子ども並みの背丈の男が、トボトボと項垂れて歩いていた。
「あれから10日…、辛うじて逃げ延びてはいるけど、もし…白陰様に見つかったら、間違いなく殺されるダ。それにしても最近何も食ってねぇ…、腹減ったダヨ」
 そう、10日前、妖木妃の手下白陰の命令で、凛を騙して殺害しようとした最弱妖怪、猪豚蛇である。
 凛殺害に失敗し、その凛に命は見逃してもらったものの、命令を実行できなかった場合は白陰からの裁きが待っているため、そのまま由子村を逃げ出したのだ。
 本来なら真っ直ぐ母国中国へ帰りたいところだが、船賃もなく…まして密航する勇気も持ち合わせていない。
結局、街の中を彷徨う毎日となっている。
 項垂れたまま浜辺をトボトボ歩いていると、前から麦わら帽子をかぶった物売りが歩いてきた。
 すれ違いざま、肩に掛けられた籠の中を覗くと、美味そうな干し肉のような物が見える。
ついつい立ち止まり、物欲しそうにしていると・・・
「腹が減っているようだな? 一つ食うか?」
と、物売りは干し肉を手渡してきた。
「い…いいんダカ!?」
猪豚蛇は喜んで頂くと、一気に干し肉にかぶりついた。
「う…うめぇーっ!!」
硬過ぎもなく、軟らかすぎもなく、しっかりした歯ごたえに、噛めば噛むほど口に広がるジューシーな味わい。香ばしい匂いが更に食欲を誘う。
 猪豚蛇は手渡された干し肉を、ものの数秒で平らげた。
「もっと欲しいか?」
物売りは、そう声をかけてきた。
「ああ…、もっと…もっと喰いてぇーダヨ!」
「ならば、干物売りを手伝え。そうすれば、もっと食わせてやるぞ。」
「本当ダカ!? やる!売るのを手伝うダヨ!!」
「ならば商品を渡すから、わしの小屋までついてこい。」
 物売りはそう言うと、浜辺の外れにある小さな小屋へ猪豚蛇を案内した。
 その小屋は、外には干物を干すような網が張ってあり、中に入ると漬け汁のような液体が入った樽。
いくつかの調理機器、並べられた干物や干し肉。まるで昔ながらの干物加工場のようである。
「ほら、この籠に干物が入っている。これを担いで浜辺で売り歩いてくれ。」
 物売りは、そう言って大きめの籠を手渡してきた。
「この干し肉、えらく旨かったけど…、いったい何の肉なんダ?」
「人間の干物だよ・・・・」
「えっ!? お…おめぇは、いったい・・・!?」
 猪豚蛇の問いに、物売りは深くかぶった麦わら帽子を外した。
そこには青光りする肌、ギョロギョロとした魚のような大きな目。よくみると服の隙間から鱗のようなものが見える。
「わしの名は、鯵坊主。1000年生き延びた鯵が妖怪化したものだ。」
「鯵…坊主…さん?」
「わし達は遥か昔から多くの仲間が人間に捕獲され、食べられてきた。
しかし、それは生きる為に仕方が無いこと。わし達だって小魚や小さな海老などを食べて生きている。
 だが、この数十年…、人間は必要以上に乱獲し、余分な魚は食べもせず廃棄処分にしている。
 わしは、そんな人間に復讐するため、人間を捕まえては干物にして売り捌いているのだ。」

妖魔狩人 若三毛凛 if 第六話(2)

「あわわ・・・大それた事を・・・・」
「ここまで聞いたからには、お前も道連れだ。」
「オ…オラ、そんな話…教えてくれだなんて、一言も言ってねぇーダ…」
「黙れ! もし口外したり、裏切ったりすれば、お前も干し肉にして売ってやる!」
「な…なんで…オラ、こんな目ばっかり…遭うダヨ…?」


「お疲れ様でしたー!」
 打ち合わせが終わり、部室を出たわたしと部長。そこへ…
「あっ、そうそう・・・」と後ろから声を掛けられた。
「あのね、最近この辺で行方不明者が相次いでいるらしいの。
なんでも、誘拐されている可能性があるらしく、特に観光客とか地元以外の人が狙われやすいみたい。貴方達も気をつけてね。」
「わかりました、お気遣いありがとうございます。」
 部長は丁寧に頭をさげ、その場を後にした。
「さてと私は私用で丘福駅前の繁華街へ寄るけど、若三毛さんはどうする。一緒に来る?」
 別に今日は部活も休みだし、帰ったところでこれといって予定は無い。部長と一緒に繁華街へ行くのも悪くない。
でも、なんだか…行方不明者っていうのが気になる。まさかとは思うけど、また妖怪が絡んでいるかもしれない。
「すみません部長、わたしはもう少しこの辺を歩いて、何か家へのお土産でも買ってから帰ります。」
 わたしはそう言って、深々と頭を下げた。
「OK、じゃあ…ここから別行動っていう事で。月曜日にミーティングするから、ノート忘れないで来てね。」
「はい、ではお疲れ様でした。」
 部長と別れた後、わたしは浜辺へ向かって歩き出した。
今はまだ5月。浜辺もそれほどの人はいないだろう。わたしの霊感は人通りの少ない場所の方が、色々と感知しやすい。
 浜辺へ着いたけど思ったとおりだ。人数は少ない、もちろんカップルや友人同士などの小グループは所々で目に入る。しかし夏場程の大人数ではない。
 霊感を澄まし、妖気を探る。
 いた!
 浜辺沿いを歩いて1~2分の所に、小さいけど妖気を感じる。
すぐさまその場所へ駆け寄ると、小柄で丸々太った見覚えのある人物が・・・
「あなたは、猪豚蛇っ!?」
「ひぃぃぃぃっ・・妖魔狩人!!?」
「あなたがどうしてこんな所に…、んっ・・・!?」
 猪豚蛇が担いでいる籠から、微かだけど…人間の霊気を感じる。
「なんなの…その籠の中身は?」
「こ…これは、干し肉で…、で…でも…オラが作ったんじゃ…ねぇーダ! 鯵坊主っていう妖怪が人間を攫って…、オ…オラは…仕方なく…。でないと…オラも、干し肉に…されてしまうダヨ…」
「人間を攫って…干し肉…? えっ…、それって…!!?」
 わたしは全身に鳥肌が立った。なんて残酷なことを・・・
「信じてくれーっ、オラがやったんじゃ…ねぇーダ!!」


選択
①猪豚蛇の言う事を信じ、他に妖怪の気配が無いか・・気を探る。
②猪豚蛇の言う事を信じず、猪豚蛇を退治しようとする。


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『-後編-』へ続く。

そのまま、下のスレをご覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 13:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第06話「妖怪鯵坊主 -後編-」

①→

 この猪豚蛇という妖怪、一度戦ったことがあるけど、元々気の弱い妖怪。とてもこんな大それたことをできるような妖怪じゃない。
「わかった、あなたを信じるわ」
「ほ…本当ダカ!? 嬉しいダヨ!」
「それで、その干物を作った妖怪はどこに・・・?」
 凛と猪豚蛇が話していると、そばにある岩の上から麦わら帽子をかぶった人影が・・・
人影は大きな串のように尖った棒を手に、岩上から凛に狙いを定め、一気に飛び降りた!
「危ないダヨっっ!!」
 先に気づいた猪豚蛇が叫び声をあげた。
声に反応し、咄嗟に飛びよける凛。
串は砂浜に突き刺さり、人影は凛を睨み付ける。
「この妖気…、あなた妖怪ね!」
 そう問いかけると同時に、凛は霊装し、弓を構えた。
「ほぅ、ただの人間ではなさそうだな。」
 人影はそう言って、麦わら帽子や着ていた服を放り投げた。
青光りする肌、全身を覆う鱗、ギョロギョロとした魚のような大きな目。
まさしくその姿は、妖怪…鯵坊主であった。
「中国妖怪では無い…?」
「あいつはこの土地の妖怪で、人間に復讐するために、人間を干物にしているダヨ」
「そこの豚妖怪、やはり裏切りよったな。お前も干し肉にしてくれる!」
 ギョロっとした大きな目が猪豚蛇を睨み付けた。
「オ…オラは、戦いは苦手ダヨ~っ!」
 猪豚蛇は泣き叫びながら岩陰に隠れた。
「くらえ、小娘!!」
 鯵坊主は、全身の鱗を手裏剣のように飛ばし、襲いかかって来た。
その威力は、岩に突き刺さるほど強力なもの。
 必死に走りながらかわす凛。激しい連続攻撃のため、弓の狙いを定める暇も無い。
「ちょこまかと逃げ回りおって! これならどうだ!!」
 鯵坊主は、飛ばした数十枚の鱗を凛の頭上で弾幕のように広げた。
青光りする鱗が、太陽の光を乱反射する。
「眩し…!」
 思わず目を背ける凛。
「いまだ!!」
 鯵坊主はそう叫ぶと、両手から包帯のような和紙を投げつけ、凛の全身に巻きつけた。
「あっ!?」
 ぐるぐると和紙が巻きつき、凛はまるでエジプトのミイラのように、グルグル巻きになっていた。
「ぐふふ…、その和紙はわしの妖力で作られた特別製で、普通の刃では傷一つ入れることすらできん。」
 鯵坊主は再び大串を手に振りかぶり、
「トドメを刺して、お前も旨い干物にしてやろう!」
と、一気に振り下ろした!
 その瞬間!
 バリッ!!
 鋭い音と共に、凛を包んでいた和紙が引き裂かれ、中から凛が飛び出した。
「なにっ!?」
 虚をつかれ、呆然とする鯵坊主。
「くらえ、霊光矢!!」
 その隙を逃さず、凛の霊光矢が鯵坊主を貫いた。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第六話(3)

「な…なぜ…だ…、どうやって…? しかも…並みの刃では…切り裂く事は…できない…のに…?」
「和紙に包まれる瞬間、わたしはこの霊光矢を突き立てて、切れ目入れておいた。そしてこの霊光矢は、わたしの霊力を具現化したもの。だから、あなたの妖力を切り裂くことができる」
「ま…まさか…、人間に…負ける…とは…」
 ここまで言うと鯵坊主は倒れ、浄化の光で包まれた。
光が消えると、妖怪化する前の一匹の鯵がピチピチと跳ねている。凛は鯵を拾い上げると、海へ帰してやった。
―被害にあった人は残念だけど、これでもう…新たな被害者が出ることはない―
 戦いが終わり、ホッと一息入れる凛。そして…
「さっきは危険を教えてくれて、ありがとう。」
と、猪豚蛇に向かってにこやかに礼を言った。
 猪豚蛇は、しばし驚いた表情をしていたが、
「あ…あの…、オラを仲間にしてほしいダ…」
「えっ!?」
と、深々と頭を下げた。
「あんたは以前…オラが命を狙ったのに、オラを殺さず見逃してくれた。そして今回もオラの言う事を信じてくれたダ。
 オラ、中国に居た時も、妖木妃様の手下になってからも…脅されてばかりで、まして御礼なんか言われたのも初めてダ。」
「・・・・・」
「オラ、今…心の底から、あんたについて行きたいと思ってるダヨ」
 猪豚蛇の訴えを黙って聞いていた凛。やがて静かに微笑み…
「却下…」
と一言だけ言い、そっぽを向いて歩き出した。
「な…なんで…ダ!?」
「わたしは人との交流は苦手なの。コンプレックスさえ持っているの。まして妖怪相手なんて、どう接していいかわからない…」
「いや…だけど…、だったら…勝手にあんたについて行くダヨ!」
 そう言って後をついて来る猪豚蛇に対し、凛はそれ以上何も言わなかった。
 ただ・・・・・・

―どうでもいいけど、この妖怪…、電車とか乗れるの?―


第7話へつづく(正規ルート)


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| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 13:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第六話 あとがき

こんにちわ!

改めて、「夢は甘い、しかし現実はムチャ…辛い」と実感させられる、 るりょうりにです。

まぁ、それは置いておいて・・・。

なんとか第六話、公開できる運びとなりました~♪
今回は、昨年9/16に募集した、『凛のBADEND』ネタから使わせて頂きました。


yorotoru様より

凜の末路募集

マミー(ミイラ男)に包帯まきにされ棺桶の中に入れられ、日当たりのいい場所に置かれる。
いい感じの干物になった時点でバラバラにされ、観光客に売られるというのはどうでしょう



yorotoru様、ありがとうございます!!


ただ、申し訳ないですが、一つ私なりに変更させていただきました。(^_^;)

○マミー(ミイラ男)に・・・
 ここを「鯵坊主」という、オリジナル妖怪に変更させて頂きました。
 凛を包帯でグルグル巻き上げるというシチュエーションならミイラ男の方がもっともらしいのですが、今回私は「干物」という点に拘りました。
 しかも何かに包んで干物を作る。
 そのまま包んで、箱(棺桶)等に入れ熱すると、干物というより「蒸し焼き」に近いかな?と思ったわけです。

 そこで、それに近い干物加工製法があるかどうかを調べてみた結果、日本古来からある「灰干し」という技法に辿り付きました。
 灰干しは現実にある干物加工製法で、和紙やセロハンに包み、灰の中に入れて乾燥させるという技法です。
 この技法は、作中で鯵坊主が言っているように、本来ならば温めず冷暗所で長時間置いて乾燥させるわけですが、箱の中で蒸される凛も捨てがたいな~という気持ちもあり、劇中では短時間乾燥という運びにし、日光に晒すという形にしたわけです。

 こうなると、干物作りに…しかも「日本古来」の技法に詳しい妖怪がいい。
 そこで、干物と言えば「」w。
 鯵が千年生き延びて妖怪化したという設定にしました。

あとは、凛の末路を悲惨さを強調するために、yorotoru様のアイデア、「バラバラにして観光客に売られる」という末路にしました。
ここは、最初ネタを知った時「妖木妃がそういう事をさせるのは無理がある」という想いがあったのですが、
「妖木妃にまるっきり関係のない日本妖怪がするなら問題ないか~」という事で落ち着きましたw

このネタ、構想を始めたら結構萌えまして、一旦書き始めたら、割と早いペースで書き上がりました。


うん! 本当にいいネタでした~♪


次の話も、頂いたネタを構成して、作っていきたいと思います!


次に、このネタ募集をかけた時に「大きなイベント」という話をしました。

この大きなイベント、先月末から開始しておりますが、今なら言えます!


「リアルで独立開業をしました!!」


結構、借金をして始めたので、かなり不安です
約1月立ちましたが、ハッキリ言って…赤字です!! Σ(゚д゚lll)

まぁ、その業界では当然の出足という事らしいので、徐々に取り返していけば・・・・


大丈夫かな…orz


そんなところです。


小説はそんな落ち込みたくなるような状況から、気分転換の意味も込めて書いておりますw
運が良ければ、また一ヶ月後に公開できると思います!

では、その時まで~~♪

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 13:01 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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