2ntブログ

自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

妖魔狩人 若三毛凛 if 第08話「対決 銅角 -後編-」

①凛は小白を信じ、血を分け与える。

「どういった意味かはわからないけど、わたしで出来ることなら協力するわ」
 凛の言葉に真っ先に反応したのは、金鵄だった。
「ちょっと待つんだ凛!! 相手は中国妖怪、しかも先日戦った胡媚娘という妖怪の妹弟子なんだよ。何か罠を張っているのかもしれない!」
 凛は金鵄の叫びに静かに首を振ると、
「今まで戦ってきた中国妖怪の殆どからは、強い邪気を感じ取れた。でも、あの子からはそれが感じ取れない。むしろ、胡媚娘を想う強い気を感じられる」
「凛……?」
「わたしは、あの子を信じるよ」
 凛はそう言うと、小白を見つめた。
「血を分けるってどういう事? 具体的に教えてくれない?」
 凛の真っ直ぐな眼差しに一瞬戸惑いを見せた小白だったが、
「ありがとう。 血を分けると言っても、そんな大げさな事ではない。あたしがホンの一舐めできる程度でいい。」
 小白はそう言って手にした小刀で凛の指先を小さく切ると、血がにじみ出たその指を己の口に含んだ。


「遅い、あと5分で来なければ、こっちから出向くとするか。もちろんその時は……」
 小学校の体育館で凛を待っていた銅角はそう呟くと、人質として捕らえた若い女性を目を向け
「お前には、死んでもらうけどな!」

 猿轡をはめられ話すことができない女性は、目に涙を貯めて首を横に振った。
 そこへ・・・・・
「その人を殺させはしない!」
 金鵄の叫び声と共に、凛が姿を現した。
「お前が妖魔狩人か? なるほど、噂通りまだ子どもだな」
 銅角はニヤリと笑みを浮かべると、腰に携えた剣を抜いた。
 間髪入れず、凛が矢を放った。鋭い金属製の矢尻が銅角を捉える。
 だが銅角は手にした剣で簡単に弾き返すと、一足飛びで間合いを詰めた。
 飛び退けるように再び間合いを開けた凛。
 その姿を見た銅角は、全てを悟ったような顔をし、
「チッ……!妖魔狩人って噂ほどじゃねぇーな! つまらん、もう終わらせるぜ」
 そう言って瓢箪の詮を抜き、その口を凛へ向けた。
「おい、妖魔狩人・・・」
「な……なによ?」
 凛がそう答えた瞬間、その体は宙に浮いたかと思うと、一気に瓢箪へ吸い込まれていった。
「きゃああああああっ!!?」
「り……凛っ!?」
 様子を見ていた金鵄が叫ぶ。
「少し待てばコイツは美味そうな液体になる。酒で割って飲んだら最高だぜ!」
 銅角は瓢箪を振り回しながら見せつけると、床の上に酒の肴を並べ始めた。
 頃合を見て瓢箪に酒を注ぐと、軽く回して混ぜ合わせ、枡に注ぎ直した。
 フルーティーな香りな漂う、白く半透明な液体が揺らめく。
「ほぅ? 匂いは胡媚娘に似ているな・・・」
 銅角は香りを嗅ぐと、液体に口をつけた。
 舌の上で転がすように味を確かめる。
「甘酸っぱくてそれなりに旨いが、思ったほど霊力は無さそうだな」
 首を傾げながら肴を口にし、残りの液体を喉へ流し込む。
 ぷはぁ!
 瓢箪の中の酒を全て飲み終えると、大きく息を吐いた。
「まぁ……不味くはなかったし、それなりに酔えたから良しとするか!」
 銅角は、ほろ酔い気分でそのまま横になると、数分後には大きなイビキをかき始めた。
「予定通り、眠ったようだね」
 今まで黙って様子を見ていた金鵄がそう言うと、扉の影から一人の少女が姿を現す。
「ごめんね……小白さん」
 姿を現したのは、瓢箪に吸い込まれ酒にされ銅角に飲まれたはずの、凛だった。


 今から一時間前・・・・
「わたしに変身……する!?」
 胡媚娘の敵を討ちたいと打ち明けた後、小白は自身の能力について話だした。
「そう、あたしは血を舐めることで、その相手の遺伝子情報などを読み取る事ができる。その情報を使って、姿をそっくりに変化させることができるんだ。」
「凛の姿になって、何をするつもりなんだ?」
「銅角は必ず敵を瓢箪へ吸い込み酒にして飲む。これが奴の常勝手段だ」
「…………」
「あたしが妖魔狩人に化けで戦えば、奴は気づかないままあたしを吸い込み、酒にして飲むだろう」
「え……?」
「その後、酔った状態で一眠りするのが、奴の癖だ。」
 小白はここまで言うと、改めて凛の眼差しを見つめた。
「奴が寝込んだ後、そこを狙って射て!!」
―ちょっと待って!? それじゃ……貴方は!?―
「銅角は妖魔狩人のあんたでも、まともに戦って勝てる相手ではない。これが奴を仕留める一番確実な方法だ」
「なるほど、どんな強者でも勝利を確信したその瞬間が一番無防備。いい手だと思うよ、凛!」
 金鵄も相槌をうつ。しかし凛は・・・・・
「嫌……、小白さん、貴方を犠牲にしなければならないなら、そんな戦い方はしたくない!」
「つまらないプライドは捨てて! この方法しかないんだから」
「たとえつまらなくても、わたしはアイツ等とは違う。誰かを犠牲にしてまで勝ちたくない」
「しかし凛! 中国妖怪を止めなければ、この村の人達や、いずれは日本に住む人々が犠牲になる!」
「だからといって・・・!!」
 頑なに賛同しない凛を見て、小白はニコリと微笑むと
「聞いて……妖魔狩人。あたしの命はどちらにしろ、持ってあと1~2ヶ月なんだ」
「えっ!?」
「あたしは、妖力硬化型心筋症という病気に掛かっている」
「妖力……硬化型……?」
「妖力硬化型心筋症というのは、妖力が全身に行き渡らなくなり、心臓が徐々に動かなくなる妖怪特有の不治の病だよ、凛……」
 金鵄が説明を入れる。
「あたしは胡媚娘姉さんと二人で、中国全土に名を響きわたせるような大妖怪になる事が夢だった。
 でも数カ月前この病に掛かっている事を知り、あたしは自暴自棄になった……」
「…………」
「だからだと思う。元々天下なんて興味が無かった姉さんが、急に妖木妃の配下にまでなって、名を轟かせようなんて思いついたのは……。
 きっと、あたしの代わりに夢を果たしてくれようとしたんだと思う」
「だから、あんな殺戮までして……」
「そんな姉さんを銅角は嘲笑うように殺した。姉さんに勝目が無いとわかっていながら!」
 悔しさを隠しきれない小白の目には、涙が溜まっている。
「どうせ長くない命なら、奴を仕留める事に使いたい!! 頼む……妖魔狩人!」
 小白の気迫の篭った訴えに、凛は眉間にしわを寄せていたが
「わかった。貴方の命、絶対に無駄にしない!」


 高々なイビキを上げながら、銅角は熟睡している。
 凛は静かに狙いを定め、弦を引く。
シュッ!!
 風きり音と共に、青白い光を放つ霊光矢が放たれた。
 しかし……
ブスッッ!!!
 急所を狙ったのに、その矢は差し出した銅角の左腕に突き刺さっていた。
「危なかったぜ! 話に聞くより、あまりに妖魔狩人が弱っちいので何かあると踏んでいたが、こういう事か」
 爛々とした目を輝かせながら、銅角が起き上がる。
 霊光矢が刺さった左腕は、浄化の力で霧が晴れるよう消え落ちていく。
 銅角は、力が全身に行き渡る前に、自身の腕を肩口から切り落とした。
「さっき俺様に飲まれた奴が誰かは知らんが、浄化の矢とやらも霊力で作られた矢でなく普通の矢尻だったし、バレバレなんだよ」
「そ…そんな、小白の命を掛けた作戦が……」
 金鵄が不安げな声を上げる。
「今度はもう少し楽しませろよ!」
 銅角はそう叫ぶと、拳を振りかざし凛に向かって飛びかかっていった。
 必死で間合いを開け、次の矢を放つ凛。
「おっと!!」
 寸前でかわす銅角。その頬には矢の衝撃波によって傷跡ができていた。
「さっきとは段違いの速さ、威力だぜ! これが数々の妖怪を葬ってきた妖魔狩人の力か。だが……」
 一足飛びで間合いに入り、凛の首を掴むと自身の目線の高さまで持ち上げた。
「うぐっっっっ……」
 苦悶の表情を浮かべる凛。
「いい表情だ、ゾクゾクするぜ。酒にして飲むのもいいが、たまには生きたまま、丸噛じりというのも、いいかもな!」
 悶々とした笑顔で、舌なめずりをする銅角。
―く…くる……しい……―
 グイグイと首を絞められ、凛の意識が朦朧としてくる。
―も……もう……ダメ……―
 手足がダラリと伸び、気が飛びそうになったその時……
(もう少し……もう少し、頑張って……妖魔狩人……)
 凛の頭の中に直接語りかけてくる声が。
―だ……だれ……?―
(頼む……あたしと姉さんの敵を……)
―小…白……さん……?―
 そう思った瞬間、僅かだが首を絞める力が緩んだ。
(今のうちに……)
―銅角に飲み込まれた小白さんは、まだ……銅角の中で生きている……?―
 凛は残った力を振り絞り、必死で手を伸ばす。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第八話(2)

 伸ばした手の先で触れた物、それは銅角の腰に下がった紅色の瓢箪。
 凛は瓢箪の詮を抜くと……
「ど……銅…角……」と発した。
「あん? まだ息の根が止まってねぇーのか?」
 銅角がそう返事をした瞬間!
 凛の首を絞めていた手がスルリと抜けるように離れたかと思うと、
「ぎゃ……ぎゃああああっ!!」という悲鳴と共に、銅角の巨体が瓢箪に吸い込まれていった。
「凛、早く……早く詮を!!」
 金鵄の叫び声が聞こえる。
 凛は瓢箪を手に取り、詮を閉じた。


 数分後、瓢箪を真っ二つに割ると、中から元は銅角だったと思われる液体が、こぼれ落ちた。
 液体からは妖力も何も感じない。間違いなく銅角は絶命している。
 すると、液体から白い靄のようなものが浮かび上がった。
 靄は静かに馬か鹿のような動物の形を司ると、光のような速さで飛び去っていった。
「金鵄、今のは?」
「うん……、銅角は封印されている麒麟の鍵を握っていたらしいから、今のがそうなのかも……?」


 そう、その白い靄は、瞬く間に麒麟が封印されている祠の前に来ていた。
「ありがたい、もう戻らないと思っていた其れがしの肉体。こうして戻ってきてくれた」
 祠の中から、老いた声が聞こえる。
「だが、仮に元の姿に戻っても、其れがしの寿命はもう長くない」
 麒麟の声に、そばにいたセコは悲しげにそれを聞いている。
「この力、あの者に託そう……。妖魔狩人の新たな力として……」


 第九話につづく

----------------------------------------------------------------

②は 》続きを読むをクリックしてください。

≫ 続きを読む

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 22:30 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

妖魔狩人 若三毛凛 if 第07話「女妖怪 胡媚娘 -前編-」

「くらえ!!」
 凛が弦を放つ。青白い閃光が一直線に飛び、妖怪朱厭(しゅえん)の身体を射抜いた。
 眩い光に包まれた朱厭は、無数の蛍が飛び散るように静かに消えていった。
「やったね、凛っ!」
 金鵄が頭上で喝采を上げる。
 凛は、今日も由子村を・・日本を中国妖怪の手から守ったのだ。


「ちっ!」
 薄暗い岩肌の中で、一人の青年が苦虫を噛み潰したような顔で、水晶玉を覗いていた。
「あの小娘、日々力を伸ばしてきておる。妖木妃様が目覚める前に、なんとしても潰しておかなければ・・・」
 水晶玉に映る凛の姿を睨みつけながら、百陰はワナワナと拳を握り締める。
 ここは由子村に隣接する犬乙山、麓の洞窟。
 妖木妃のお抱え調理師であり、凛に一番最初に倒された妖怪、ボンディァォフーニュが棲家に使っていた場所である。
 調理師妖怪だっただけに、数々の調理道具や器材が並んでいる。
 以前拠点として使っていた神社は、妖木妃と凛との激しい戦いで甚大な被害を負っている。
 それ以後、村の役人達が原因解明で、毎日のように調査に訪れていた。
 まだ人目につくわけにはいかない為、こうして洞窟に隠れ住んでいるのだ。
「なぁ~にぃ~? また手下がやられたの?」
 甘ったるい言葉と共に、白陰の背後から一人の若い女性と、長毛に覆われた巨大な猿のような生物が姿を現した。
「何時、日本へ来たのです? 胡媚娘(こびじょう)・・・」
 背後を振り返ることなく、言葉を返す白陰。
「ついさっきよぉ~」
 爽やかな…まるで朝日を浴びたアサガオのような笑顔で答える、若い女性。
 彼女は名を胡媚娘という、中国妖怪である。
 正体は、長年の修行を積んだ白面狐狸の精で、草葉の操る法力を使う。
 だが、愛らしい丸顔に、やや茶色がかったカールロングヘア。
 鮮やかな若草色の肩開きブラウスに、スラリと伸びた脚が映えるフレアミニスカート。
 その姿はどう見ても人間の、しかも美しい清楚な女子大生にしか見えない。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第七話(1)

「百陰~っ、噂は聞いているわよぉ~。妖木妃様と一緒にこの国を侵略に来たけどぉ~、 たった一人の妖魔狩人のせいで、小さな村すら落とせないんだってぇ~っ?」
「汝(うぬ)には、関係なかろう」
「やっだ~っ、関係あるわよぉ~!」
 胡媚娘は百陰の正面に回りこむと、ニッコリと微笑みながら、
「だってぇ~、元々…妖木妃様の幹部になるのはぁ~、アタシだったんだからぁ~」
 ………………。
「なのにぃ、どっかの白蛇野郎がぁ~、狐狸の精ごときには無理だとか言うもんだからぁ~、アタシ…外されたのよねぇ~」
 ………………。
「アタシ、昔から…『白蛇』には、ろくな目に合わされないのよねぇ~」
 微笑んではいるものの、その瞳には憎悪の影が映っている。
「汝の法力では、日本妖怪と互角に戦えるのが精一杯だ。身共たちには敗北は許されない、必ず勝たねばならん。だから…そう進言したまでだ。」
 そう聞いて一瞬百陰を睨みつけた胡媚娘だが、再び微笑むと
「たしかにぃ、アタシ自身は戦闘能力は低いかも知れないけどぉ、でも・・・・」
 胡媚娘は指をパチンと鳴らす。すると今まで静かに立っていた長毛の猿のような生物は、百陰を摘み上げた。
「操妖術……、汝の得意な法力か……」
「そう! 高い知力を持つ妖怪は無理だけど、知力の低い妖怪ならば、アタシの僕(しもべ)にできる術よぉ~!」
「なるほど……」
「そしてこの妖怪は、知っているわよねぇ~!?」
「妖怪獲猿(かくえん)。怪力、素早さ……、白兵戦では中国でも上位に入る妖怪だ。」
 その答えに、ドヤ顔の胡媚娘。
「いいだろう、もし汝が妖魔狩人を倒してきた暁には、妖木妃様に幹部として迎えてもらえるよう、身共から直々に頼んでみよう。」
「約束よぉ~?」
「二言は無い」
「獲猿、離してあげなさぁ~い!」


 犬乙山麓から南に位置する農耕地帯。
 五月も終わりに近づき、田にはすっかり水も張られ、あとは苗植えを待つだけの状態だ。
 水田の周りには、田植え機を整備している者。育苗箱を田に浸け、苗を慣らしている者もいる。
 そんな平和な日常を壊すように、胡媚娘と獲猿の二人は現れた。
「いぃ~い……獲猿?目的わぁ、あくまで妖魔狩人を誘き出すこと。だからぁ~、思いっきり派手に暴れちゃいなさぁ~い!!」
 胡媚娘の合図と共に、一気に村人へ駆け寄る獲猿。
「う……うわぁぁぁぁっ!!」
 悲鳴を上げる村人を持ち上げ、勢いつけて地面に叩きつける。
 ある者は、叩きつけられた後、踏み潰され。
 ある者は背骨を圧し折られ……
 連絡を受けて駆けつけた警察官も、無残に踏み殺された……。
 妖怪セコから知らせを受けた金鵄と凛の二人が駆けつけた頃には、そこはもう地獄絵図のような光景で、さすがの凛も目を背けたくなるほどだった。

 そんな光景を楽しそうに見つめていた胡媚娘。そして、まだ息があると思われる村民の頭を握り絞めている獲猿。
「遅かったわねぇ~、妖魔狩人さん。あまりに遅いんでぇ~、もう十人以上殺しちゃった~ん!」
 金鵄と凛の姿を見つけ、一遊び終えた子どものように話しかけてきた。
「見たところ中国妖怪のようだけど、その人を放すんだ!!」
 村民の頭を握り締めている獲猿を睨みながら、金鵄が叫んだ。
「獲猿~っ、その人間を放しなさいって~。」
 すると獲猿は、そのまま腕を高々と上げると……
グシャッッ!!
 まるで『卵』を握り潰すかのように、村民の頭蓋骨を軽々と握り潰した。
「……っ!?」
 驚く金鵄と凛を尻目に、村民を放り投げる獲猿。
「な……なんて酷い事を!」
 怒りを顕わにする金鵄を凛がそっと制した。
 そして無言のまま、弓を構える。
「り……凛……っ!?」
「いいわねぇ~っ!妖魔狩人ちゃんの方は、早速やる気ねぇ~! 獲猿……あの子も潰しちゃいなさいっ!!」
 胡媚娘の合図と共に駆け出す獲猿。
 なんの躊躇いも無く、矢を放つ凛。
 青白い閃光が真っ直ぐ獲猿に向かっていく。
「なにっ……!?」
 金鵄が驚きの声を上げた!
 巨体の獲猿が、横にステップし、飛んできた霊光矢をかわしたのだ。
 更にすぐさま体勢を立て直し、右拳を振り上げ襲い掛かってきた。
 次の矢を構える間も無く、凛は必死で飛び退き、攻撃をかわすのが精一杯。
「違う……、凛が今まで戦ってきた妖怪とは、レベルが違う……」
 人間の頭を軽々と握り潰すほどの怪力と、飛んでくる矢をかわせる俊敏な動作。
 圧倒的な妖力を見せつけた妖木妃とはまた別に、明らかに戦闘に特化した能力。
 獲猿は、間髪入れず襲い掛かってくる。
 いくら高い防御力を誇る凛の服でも、あの攻撃をまともに食らったら、大ダメージを喰らうだろう。
 凛の霊感がそれを感知している分、尚更飛び避けるのに精一杯だ。
「凛っ!この場所で戦うのは不利だ!! 一旦退いて、奴の動きを制限できる所まで誘い込むんだ!!」
 凛は金鵄の助言に頷くと、山へ向かって走り出した。

選択:凛は奴等をどこへ誘い込む?

① 棚田が営まれている、斜面へ。
② 木々に囲まれた、山道へ。

----------------------------------------------------------------

『-後編-』へ続く。

そのまま、下のスレをご覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 01:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

妖魔狩人 若三毛凛 if 第07話「女妖怪 胡媚娘 -後編-」

..①
 凛は踵を返し、水田のある山の斜面へと駆け出した。

 柚子村は山々に囲まれた、農村地帯。
 少ない土地を利用して農業を営んでいるため、こうした山の斜面にも、『棚田』と呼ばれる階段状の水田農耕が営われている。
 凛は田と田の境になっている『畝』という足場を利用し、上へ上へと飛び上がっていった。
 最上段近くまで飛び上がり振り返ると、一番下の水田に、丁度獲猿が足を踏み入れたところであった。
 小柄な胡媚娘は何事も無い様に畝を駆け上がってくるが、身体が巨体な獲猿は畝には足が乗り切れず、やむなく水田の中を歩いている。
 凛は慌てず正確に獲猿に狙いをつけた。
「獲猿、気をつけてぇ~っ、妖魔狩人が狙っているわよぉーっ!!」
 胡媚娘が叫ぶと同時に、凛が矢を放った。
 獲猿は横にステップし、かわそうとした。・・・だが。
 水田に足を取られ、体勢を崩してしまった。

 水田の水深は、だいたい10~15cm程度である。
 だが細く弱い苗が根を張りやすいように、その土壌は大変軟らかく、普通の大人でも中に足を踏み入れれば、15cmくらいは埋まってしまう。
 まして身体の重い獲猿。
 より深く沈み、長い毛は土や水を含み、重くなっているはずだ。
 いくら俊敏な動きを持ってしても、足を取られれば、動きは制限される。
 体勢を崩した拍子についた手も、軟らかい土に埋まり、抜くのに一苦労だ。
 凛はその隙を逃さない。
 立て続けに二発目の矢を放つ。
 一発目は払おうとした腕に突き刺さり、二発目は獲猿の胸に突き刺さった。
「くそぅーっ! 草葉の剣っ!!」
 胡媚娘が術を唱え、雑草や木々の葉が、まるで手裏剣のように凛に襲い掛かった。
 だが傍にいた金鵄が羽ばたく事で小さな空気の渦を作り、葉は全て渦に巻き込まれていく。
 その間にも凛は三発目の矢を放つ!

妖魔狩人 若三毛凛 if 第七話(2)

「ぐぅぅぅっ!!」
 矢は見事に獲猿の眉間に直撃。
 獲猿の身体が青白い光に包まれていく。
 断末魔の叫びを上げながら、獲猿の身体は無数の蛍のように飛び散って消えていった。
「獲猿~っ!!?」 
 驚きを隠せない胡媚娘であったが、凛の矢が自分に向けられている事に気づくと
「く…草葉の舞っ!!」
 無数の葉が、胡媚娘の身体を覆い隠すように舞い上がる。
「うっ!?」
 すぐに駆け寄った凛だが、その時には胡媚娘の姿はなかった。

「金鵄、ついに犠牲者を出してしまった……」
「でも凛、君はよくやっている。これまで犠牲者がでなかったのは、君の力によるものだ。」
(本当によくやっている。まだ12歳なのに精神的負担も大きいだろう)
「うん……」
(とは言うものの、中国妖怪も少しずつ本腰を入れてきている。正直……凛一人で守りきるのは、難しいかもしれない。)
 凛は何も言わず、じっと村の方を見つめている。
(あともう一人、仲間がいれば……)
 金鵄は、フトっ……そう思っていた。


「なんなのよぉ~、この日本っていう国わぁ~? こんな小国……戦いにくいったら、ありゃしないわぁ~!」
 洞窟内に逃げ帰った胡媚娘は、開口早々……不平を撒き散らした。
「ケッ!負け犬はキャンキャンうるせぇーなー!」
 洞窟の奥で、大柄な男が一杯やりながら睨んでいる。
「誰よぉ~、あんたぁ~?」
「紹介しよう、この者は銅角。身共と同じ……幹部の一人だ。」
 その背後から百陰が姿を現す。
「銅角……? あぁ~ん、聞いたことがあるわぁ~。」
「それよりも胡媚娘、逃げ帰るとは何事だ。妖木妃様の軍団には、逃げるという言葉は無い」
「逃げたんじゃないわぁ~、戦術的撤退ってやつよぉ~。この国は湿原みたいな場所が多いので、それに見合った僕を連れてくるわぁ~!」
「カカカッ!負け犬らしい言い訳だぜ!」
「負けたんじゃ……ないわよっ!戦術的撤退……」
「胡媚娘!!」
 百陰が銅角と胡媚娘の間に入った。
「どんな策があろうと、逃げは……逃げだ。我が軍は逃げは許されない」
「……ど……どうする……っていうのよぉ……」
「逃亡兵として、処刑する」
「じょ……冗談じゃ、ないわぁ~っ!アタシはこの軍の、正式な兵でも何でもないのよぉ~!」
「だったら尚更、兵でも何でもない者を、軍の中をウロウロさせておくわけには、いかぬ!」
「や……殺るっていうのぉ……!?」
「待てよ……百陰!胡媚娘だって、黙ってすんなり殺されるのは納得いかねぇーだろ!?」
「あ……当たり前よぉ!」
「だったら、俺様と勝負しねぇーか!? 俺様に勝てたら、そのまま幹部の座を譲ってやる!」
「あんたに勝てたら……?」
「どうだ? どうせ殺されるなら、自分の力に賭けてみたらどーよ?」
 胡媚娘は銅角と百陰の顔を交互に睨みつける。
「い……いいわぁ!その勝負、受けてたつわぁ~!」
「そうこなくっちゃ!」
 銅角は楽しそうにグラスを置くと、胡媚娘に向き直った。
「お前から仕掛けてこいよ!」
 構えもせず、仁王立ちの銅角。
 胡媚娘は無数の木の葉を取り出し、
「草葉の剣ぃ~!!」
 あの、木の葉手裏剣のような術で攻撃を仕掛けた。
 次々に銅角の身体に突き刺さる木の葉。だが……
「なんだ?子どものような術だな!」
 屁でもないように、突き刺さった木の葉を払い落とした。
「お前、やっぱ……生き残れねぇーわ!」
 そう言って懐から、一本の瓢箪を取り出し、栓を開ける。
「胡媚娘!」
「な……なによぉ~!?」
 すると問いかけに返事をした胡媚娘は、驚くことに瓢箪に吸い込まれていった。
「な……なんなの……これぇ!?」
 瓢箪の中から、胡媚娘の驚きの声が聞こえる。
「義兄弟であった、金角、銀角が使っていた紅瓢。相手を吸い込み、溶かしてしまう宝具だ。お前もあと十分もしないうちに綺麗に溶けて、液状化してしまうだろうよ。」
「そ……そんなぁ……」
 瓢箪の中から必死に脱出を試みようとする胡媚娘。すると頭上、すなわち瓢箪の口から大量の液体が降り注がれる。
(この匂いは……)
 頭上から降り注がれた液体、それは『酒』であった。
 膝上まで酒が注がれると、壁に叩きつけられる程の激しい衝撃が身体を襲う。
 瓢箪に酒を注いだ銅角は、栓を閉じグルグルと振り回し始めたのだ。
 中では凄まじい横Gのため、身動きも取れない状態の中で、少しずつ……手や、足、全身が溶け始めていくのがわかる。
(い……いやぁぁぁぁつ!)

 十数分後、瓢箪の栓を開け、大きな枡に中身を注ぐ銅角。
 枡は、鮮やかな若草色の液体でいっぱいになった。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第七話(3)

「胡媚娘のカクテル、いい香りだぜ!」
 満足そうに香りを楽しむと、そっと口をつけ、一口啜ってみる。
 まるで草原のように涼やかで、それでいてほのかな甘みが口の中いっぱいに広がる。
「いい酒だ! 若い娘のエキスが入った酒は本当に旨い!」
 一口、また一口とゆっくり味わいながら、喉に通す。
「……というわけで、次は妖魔狩人とやらのカクテルを味わいたいのだが、文句はねぇーだろ……百陰?」
 銅角は枡の中の酒を揺らしながら、百陰に目を向けた。
「かまわん。汝が始末してくれれば、それに越したことはない!」


第八話へ続く(正規ルート)


----------------------------------------------------------------

②は 》続きを読むをクリックしてください。


≫ 続きを読む

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 01:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

第七話 あとがき

 みなさんこんばんわ! るりょうりにです。

 この度、2ヶ月間お待たせいたしまして、申し訳ありませんでした。

「みら!エン」の時と違って、小説ならば毎月更新できるだろうと思っていた自分が甘かったです。
次回からは、もう少し余裕を持って書かなければ。


 さて、なんとか第七話が完成しましたが、今回今までと違って、正規ルート・バッドエンド、両方に女の子の形状変化、およびカニバネタを入れてみました。
 そろそろ、凛以外の女性も変化ネタを入れたいな~というのが一番の理由ですが、それ以外にも八話への伏線に使えるというのもあります。
 そのために、挿絵での変化絵を両方描くという羽目にもなり、予定よりも完成が遅れてしまったというわけです。

 でも、胡媚娘の酒。凛の麻花。どちらも美味しそうに描けたのではないでしょうか?
個人的には、まずまずの出来と思っております。


 次回はいつも通りの展開にするつもりですが、そろそろ物語の本筋に、第一回目のテコ入れも予定しています。

そういうわけで、今後もよろしくお願いいたします。<(_ _)>

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 01:12 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

妖魔狩人 若三毛凛 if 第06話「妖怪鯵坊主 -前編-」

 妖怪化した千佳との戦いの後、わたしと金鵄はその足で霊獣麒麟を訪ねた。
妖怪化しても、千佳は自我と記憶を引き継いでいた。
被害者も、そして千佳の両親も、千佳が妖怪化して襲ってきた事を覚えている。
 それは、あまりにも千佳が可哀相だ。不本意ではあるけど、なんとかこの事実を隠蔽したい。
 そこで老いてはいるものの、博識な霊獣麒麟に助言をもらおうと、こうして訪ねたみたわけ。
「方法はある。幻獣獏(バク)の力を借りるのだ。」
 麒麟の話はこうだった。
幻獣獏は、悪夢を食べる妖怪。だが、悪い記憶も夢と同じようなものらしく、食べる事ができるらしい。
 翌日わたし達は妖怪セコの案内で獏と会い、千佳本人はもちろん、両親…そして警察関係者、この事件に関わった者全員の記憶を獏に食べてもらった。
 こうして、数日に渡って続いた『通り魔連続傷害事件』は、世間上真相が不明のまま、幕を閉じた。

 それから5日後、週末の土曜日。
 わたしは弓道部の部長と共に、丘福市の東に位置する、樫井という町へ来ていた。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第六話(1)

来週の日曜日、この町の中学…樫井中学校弓道部と練習試合を兼ねた合同練習を行う。
その打ち合わせで、わたしは書記として部長に連れてこられたということだ。
 この樫井という町は、樫井浜と呼ばれる浜辺があり、昔から多くの海産物が採れる場所として名高い。
 実質この町は、神田川県の観光土産用海産物加工工場で経済を賄っている。
そのため、浜辺近辺には、数多くの加工工場が立ち並んでいた。

「あぁ、腹が減ったダヨ…」
 まだ陽が真上に昇っていない午前中、樫井浜の浜辺で丸々太った、子ども並みの背丈の男が、トボトボと項垂れて歩いていた。
「あれから10日…、辛うじて逃げ延びてはいるけど、もし…白陰様に見つかったら、間違いなく殺されるダ。それにしても最近何も食ってねぇ…、腹減ったダヨ」
 そう、10日前、妖木妃の手下白陰の命令で、凛を騙して殺害しようとした最弱妖怪、猪豚蛇である。
 凛殺害に失敗し、その凛に命は見逃してもらったものの、命令を実行できなかった場合は白陰からの裁きが待っているため、そのまま由子村を逃げ出したのだ。
 本来なら真っ直ぐ母国中国へ帰りたいところだが、船賃もなく…まして密航する勇気も持ち合わせていない。
結局、街の中を彷徨う毎日となっている。
 項垂れたまま浜辺をトボトボ歩いていると、前から麦わら帽子をかぶった物売りが歩いてきた。
 すれ違いざま、肩に掛けられた籠の中を覗くと、美味そうな干し肉のような物が見える。
ついつい立ち止まり、物欲しそうにしていると・・・
「腹が減っているようだな? 一つ食うか?」
と、物売りは干し肉を手渡してきた。
「い…いいんダカ!?」
猪豚蛇は喜んで頂くと、一気に干し肉にかぶりついた。
「う…うめぇーっ!!」
硬過ぎもなく、軟らかすぎもなく、しっかりした歯ごたえに、噛めば噛むほど口に広がるジューシーな味わい。香ばしい匂いが更に食欲を誘う。
 猪豚蛇は手渡された干し肉を、ものの数秒で平らげた。
「もっと欲しいか?」
物売りは、そう声をかけてきた。
「ああ…、もっと…もっと喰いてぇーダヨ!」
「ならば、干物売りを手伝え。そうすれば、もっと食わせてやるぞ。」
「本当ダカ!? やる!売るのを手伝うダヨ!!」
「ならば商品を渡すから、わしの小屋までついてこい。」
 物売りはそう言うと、浜辺の外れにある小さな小屋へ猪豚蛇を案内した。
 その小屋は、外には干物を干すような網が張ってあり、中に入ると漬け汁のような液体が入った樽。
いくつかの調理機器、並べられた干物や干し肉。まるで昔ながらの干物加工場のようである。
「ほら、この籠に干物が入っている。これを担いで浜辺で売り歩いてくれ。」
 物売りは、そう言って大きめの籠を手渡してきた。
「この干し肉、えらく旨かったけど…、いったい何の肉なんダ?」
「人間の干物だよ・・・・」
「えっ!? お…おめぇは、いったい・・・!?」
 猪豚蛇の問いに、物売りは深くかぶった麦わら帽子を外した。
そこには青光りする肌、ギョロギョロとした魚のような大きな目。よくみると服の隙間から鱗のようなものが見える。
「わしの名は、鯵坊主。1000年生き延びた鯵が妖怪化したものだ。」
「鯵…坊主…さん?」
「わし達は遥か昔から多くの仲間が人間に捕獲され、食べられてきた。
しかし、それは生きる為に仕方が無いこと。わし達だって小魚や小さな海老などを食べて生きている。
 だが、この数十年…、人間は必要以上に乱獲し、余分な魚は食べもせず廃棄処分にしている。
 わしは、そんな人間に復讐するため、人間を捕まえては干物にして売り捌いているのだ。」

妖魔狩人 若三毛凛 if 第六話(2)

「あわわ・・・大それた事を・・・・」
「ここまで聞いたからには、お前も道連れだ。」
「オ…オラ、そんな話…教えてくれだなんて、一言も言ってねぇーダ…」
「黙れ! もし口外したり、裏切ったりすれば、お前も干し肉にして売ってやる!」
「な…なんで…オラ、こんな目ばっかり…遭うダヨ…?」


「お疲れ様でしたー!」
 打ち合わせが終わり、部室を出たわたしと部長。そこへ…
「あっ、そうそう・・・」と後ろから声を掛けられた。
「あのね、最近この辺で行方不明者が相次いでいるらしいの。
なんでも、誘拐されている可能性があるらしく、特に観光客とか地元以外の人が狙われやすいみたい。貴方達も気をつけてね。」
「わかりました、お気遣いありがとうございます。」
 部長は丁寧に頭をさげ、その場を後にした。
「さてと私は私用で丘福駅前の繁華街へ寄るけど、若三毛さんはどうする。一緒に来る?」
 別に今日は部活も休みだし、帰ったところでこれといって予定は無い。部長と一緒に繁華街へ行くのも悪くない。
でも、なんだか…行方不明者っていうのが気になる。まさかとは思うけど、また妖怪が絡んでいるかもしれない。
「すみません部長、わたしはもう少しこの辺を歩いて、何か家へのお土産でも買ってから帰ります。」
 わたしはそう言って、深々と頭を下げた。
「OK、じゃあ…ここから別行動っていう事で。月曜日にミーティングするから、ノート忘れないで来てね。」
「はい、ではお疲れ様でした。」
 部長と別れた後、わたしは浜辺へ向かって歩き出した。
今はまだ5月。浜辺もそれほどの人はいないだろう。わたしの霊感は人通りの少ない場所の方が、色々と感知しやすい。
 浜辺へ着いたけど思ったとおりだ。人数は少ない、もちろんカップルや友人同士などの小グループは所々で目に入る。しかし夏場程の大人数ではない。
 霊感を澄まし、妖気を探る。
 いた!
 浜辺沿いを歩いて1~2分の所に、小さいけど妖気を感じる。
すぐさまその場所へ駆け寄ると、小柄で丸々太った見覚えのある人物が・・・
「あなたは、猪豚蛇っ!?」
「ひぃぃぃぃっ・・妖魔狩人!!?」
「あなたがどうしてこんな所に…、んっ・・・!?」
 猪豚蛇が担いでいる籠から、微かだけど…人間の霊気を感じる。
「なんなの…その籠の中身は?」
「こ…これは、干し肉で…、で…でも…オラが作ったんじゃ…ねぇーダ! 鯵坊主っていう妖怪が人間を攫って…、オ…オラは…仕方なく…。でないと…オラも、干し肉に…されてしまうダヨ…」
「人間を攫って…干し肉…? えっ…、それって…!!?」
 わたしは全身に鳥肌が立った。なんて残酷なことを・・・
「信じてくれーっ、オラがやったんじゃ…ねぇーダ!!」


選択
①猪豚蛇の言う事を信じ、他に妖怪の気配が無いか・・気を探る。
②猪豚蛇の言う事を信じず、猪豚蛇を退治しようとする。


----------------------------------------------------------------

『-後編-』へ続く。

そのまま、下のスレをご覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 13:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT