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自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

2014年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年09月

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話「姑獲鳥の子どもたち -前編-」

 優里と千佳の激しい戦いの末、千佳は人間の頃の心を取り戻し、新たに得た力で妖魔狩人の仲間入りをした。
 全て無事に済んだと喜んで帰宅した一行。
 若三毛家、凛の部屋で金鵄は一つの疑問を尋ねた。
「優里と千佳の戦い。攻撃が通用しない・・・すなわち、勝てる見込みのない千佳に、戦いを続行させたのは何故なんだい?」
 そう、獣人だった千佳の爪が通用しなかったあの時、勝敗は決まっていたはずだ。
 なのに凛は優里にも、千佳にも戦いを続行させた。
「千佳が、諦めないと言ったから・・・」
 凛は優しい微笑みで、そう答えた。
「千佳ってね、基本的にヘタレなの。 勉強も運動も・・・。殆ど面倒臭がって、あまりやり通そうとはしないんだけど……」
「凛の親友らしくは、ないなぁ……」
「でも、ここ一番って時。 特にわたしが虐められていた時とか、なにかあった時・・・。その時はね、何があっても最後まで諦めないの。たとえ…不可能とわかっていても」
「意外だ……」
「あの時の千佳の『諦めない』って言葉・・・。アレはそういう時の口調だった。だから・・・」
「だから・・・?」
「きっと、元の千佳に戻ってくれると信じた!」
 やはりそうだ! 凛の一番の力は、霊力でも……まして戦闘能力でもない。
 信じる心……。
 友や仲間、そして身の回りの人を信じる心だ。
 優里にしても、千佳にしても・・・・
 そして、以前……強敵銅角との戦いの時、力を貸してくれた中国妖怪『小白』にしても。
 凛が信じる事で、数々の困難を突破している。
 金鵄は改めて、凛という少女に驚かされるだけだった。


 あれから一週間、妖怪たちも姿を見せる事もなく、平穏な日々が続いていた。
 強いて変わった事と言えば・・・
「一週間もしたら、眼鏡無しの千佳にもだいぶ慣れてきたね」
 平穏な通学路。
 朝、学校へ向かう道で、偶然一緒になった凛と千佳。
「なんか妖怪と融合してから、五感が鋭くなったちゃよ! 特に視力は両目とも1.5……。 汗かいても曇ったりしないし、ホント助かるやん」
 トレードマークであった(?)赤いアンダーリムの眼鏡。
 今では外した姿が当たり前になっている。
 ちなみに、赤い燃えるような逆毛も、優里を苦しめた鋭い右手も・・・。
 戦いを終えてから、元の人間だったころの状態に戻っていた。
「家で試してみたけど、妖力を込めて『戦(や)ったろうか~っ!?』って気持ちになると、あの姿になるみたいやね」
 一週間前とは別人のように、ご機嫌の千佳である。
「そう言えば戦うで思い出したけど、高嶺……さん? ウチとの戦いで火傷したようだけど、あれからどうね?」
「うん、思ったよりは軽かったみたい。 どうやら霊力で保護されていたみたい」
「おおっ、それは良かった!」
「でも、完治するまで三週間はかかるって。 それまでお箸も握れない状態」
「そっか……、ホント悪いことしたっちゃ……」
「でも、千佳が仲間になってくれたから……って、喜んでくれたよ」
「ええ人やん~~! ウチ、マジで頑張らなあかんね! …ところで・・・」
「うん……?」
「凛って、浄化の能力・・・つまり癒やしの力があるわけやろ? それって、火傷や怪我を治したりとかできんと?」
「わたしの力は邪悪な妖力とかを消し去る力。治癒の能力は備わっていないの」
「そっか……、そんな力があると、戦いももっと楽やと思うんだけどなぁ~」
 千佳がそう呟いた、その時・・・
「何っ? 何っ!? 治癒……? もしかして、ゲームの話~~っ?」
 …と、ポニーテールをなびかせ、嬉しそうに入り込んできた人物がいた。
「田中先輩、おはようございます♪」
 凛が丁寧に挨拶する。
「おはよう若三毛さん! それと……え…あ……っ………誰…だっけ?」
 弓道部部長、田中心美はそう言って頭を掻いた。
「斎藤です、斎藤千佳。おはようございます!先輩」
 苦笑気味で挨拶する千佳。
「あっ、斎藤さんね~! 思い出した♪ 前、仮入部したことがあったよね?」
「ああ、凛が入部したって聞いて、どんな部か、行ったっちゃ……いや、です」
「どう? 今からでも入部しない?」
「すいません、ウチ……ああいう、スローモーな動きは苦手で!」
「千佳っ!?」
 千佳の返事に、慌てて凛が間に入る。
「すみません先輩、この子…悪気は無いんです!」
「別に気にしないよぉ~~♪」
 心美はケラケラ笑った。
「アタシさ、ネットゲしてるじゃん! 色んな人からタメ口で話しかけられるから、そういうの…気にしないのよ」
 本当に気さくな先輩だ。 凛は嬉しくなってきた。
 三人で話ながら歩いていると、校門の側で一人の少女が目に入った。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(1)

 少女は携帯電話の画面を眺め、憂鬱な顔をしている。
「涼果・・・・?」
 心美が呟いた。
「先輩、知っているんですか?」
「うん、アタシと同じクラスの子」
 心美は、なぜか深刻そうな表情だ。
 両髪をおさげに結んだ、少し幼い顔立ちの少女……初芽涼果(はつめすずか)。
 彼女の見る携帯の画面には、「キモイ」「学校に来るな」といった文字が浮かんでいた。
 「涼果……」
 心美がそっと声を掛けると、涼果は悲しそうな目で振り返ったが、そのまま逃げるように校門の中へ走っていった。

 
 上履きに履き替え、教室に入った涼果。
 自分の席を見て、動きが固まる。
 机上には、「キモイ」「シネ」「ウザイ」等の落書き。
 椅子の上には、糊がベッタリと塗られてある。
 三年生になった頃は、普通に接してもらえたのに・・・・
 一ヶ月前から毎日こんな状態。 なぜ……!?
 次第に涙で机が滲んで見える。
 後から教室に入った心美も、そんな涼果を目にして、表情が固くなった。
 その時・・・
「おはよう、涼果!」
 四人の取り巻き(クラスメート)を引き連れるように、一人の少女が声を掛けた。
「どうしたの? 早く席に座りなさいよ!」
 少女はそう言って、顎で指図する。
 その言葉に涼果は悲しそうに少女を見つめると・・・
「ねぇ…琉奈、なんで毎日…こんなことをするの?」
 蚊の泣くような声で問い返した。
 日笠琉奈(ひかさりな)、 長く靭やかな黒髪で、170センチ台の長身。
 全体的に発育も良く大人びた表情といい、どう見ても中学生には見えず、高校二~三年生に間違えられる程の美少女である。
 それ程の美少女、本人もその美しさを自覚しており、今年から月に一度、丘福市に出向き、読者モデルの仕事も始めている。
 涼果の問いに琉奈は、
「ちょっと待って! なぜ私がやったと決め付けるの? 私がやった所を見たの?」
 と大声で言い返す。
「ねぇ…誰か見た? 私が涼果の机に糊を塗る所……誰か見た!?」
「いいや! 琉奈はずっとわたしたちと話をしていたよね~~♪」
 取り巻きの一人の少女、里美が琉奈に乗るように加わる。
「聞いた? 勝手な言いがかりをつけないでね!」
 琉奈はそう言って、涼果を睨みつける。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(2)

「………………」
 何も言い返せない涼果・・・
「ちょっっと……」
 様子を見ていた心美が口を挟もうとした瞬間、
「ホラ、チャイムなったぞ! みんな席に着け!」
 と教壇から担任教師の声が聞こえた。
「は~い!」
 琉奈も、取り巻き連中も、打って変わったように席につく。
「おい、初芽も早く席に着かんか」
 椅子の前で黙って立っている涼果に、教師は注意を促した。
「あ…あの……」
 涼果が教師に言葉を返そうとすると、琉奈を始め、一斉に周りの視線が涼果に集まる。
 その視線は、明らかに脅迫めいた視線。
「いえ……なんでもありません……」
 涼果は黙って、椅子に腰掛ける。
 ヌチャっと、冷たいような、ヌルヌルしたような感触が尻に伝わる。
 結局、授業は何事もなかったようにそのまま進んだ。


「凛、どこに行くっちゃ?」
 休み時間、教室から出ていこうとする凛に、千佳が呼びかけた。
「ちょっと部活の事で、田中先輩の所に・・・」
「田中先輩……? ああ、朝のあの先輩ね~。 よっし、ウチも付いて行くっちゃ!」
「え……!? なんで…?」
 その問いに千佳は・・・
「ボディーガード!」
 と、自身の胸をポンと叩いた。
 わたし、殴り込みにいくわけじゃないんだけど・・・
 そうツッコミたい凛であったが、言うだけ無駄かな…?と思いながら、小さく溜息をついた。
 
 同じ頃、三年教室そばにある女子トイレの洗面台で、涼果がスカートにこびりついた糊を、ハンカチで拭きとっていた。
 すっかり乾いてパリパリになってはいるものの、普通の糊だったお陰で思ったより簡単に拭き取る事ができる。
 悲しいけど、それが唯一の救いのように、丁寧に拭き落としていく涼果。
 そこへ、またも琉奈とその一行が入ってきた。
「あら、学校で洗濯? 苦労が絶えないね……涼果」
 小馬鹿にしたように、冷ややかな笑いを見せる琉奈。
「ねぇ……琉奈、私達も手伝ってあげようか?」
 誰かが笑いながら、そう付け加えた。
「いいわね、それ! よし…みんな、涼果の洗濯を手伝ってあげましょう!」
 琉奈がそう合図を送ると、一斉に涼果のスカートを引きずり落としにかかる。
「や…やめてよ!!」
 抵抗する涼果。
「履いたままじゃ、スカート洗濯できないでしょ? いいから任せなよ!」
 ファスナーを開け、強引にスカートを膝下まで引きずり落とす。
 幸い、下には体育用の短パンを履いているから下着は見えないものの、それでも恥ずかしい事には変わりない。
「やだ! やめてって!!」
 必死に拒む、涼果。
 その声はトイレの外、廊下まで響き渡っているが、誰も止めに入ろうとしない。
 それどころか、中を覗いてクスクス笑っている者すらいる。
 その時・・・
「やめてあげてください!」
 凛とした声と共に、一人の少女が入ってきた。
 一斉に声の主に焦点を合わせる。
 どう見ても年下、サイドテールのその少女は・・・
「凛! どこに行ったかと思ったら、こんなところで何してるっちゃ?」
 後ろから、素っ頓狂な千佳の声が聞こえる。
「誰、あなた……? 関係ないでしょ?」
 琉奈は凛に向かって問いかけた。
「先輩、貴方のやっていることは、一種の暴力です。やめてあげてください!」
 凛は再度、琉奈達の行動を押しとどめた。
 そんな凛の態度が気に入らないかのように、取り巻き少女の一人、里美が間に入る。
「お前…一年生? いい子ぶっていると、アンタのスカートも洗濯しちゃうよ?」
 そう言って、凛のスカートに手を掛けた。
 だが、その手を更に上から掴み、妨げる人物がいた。
「凛のスカートに手を触れていいのは、世界中で唯一人・・・、ウチだけっちゃよ!」
 言わずとしれた、千佳である。
― 誰が決めた? そんな事・・・―
「アンタも一年生? あんまり出しゃばると、不幸な目に会うよ!?」
 里美はそう言って、千佳にガンをつける。
プチン!
「あ!?」
 千佳のコメカミ辺りで、何かが切れる音がした。 
「なぁ……先輩、不幸な目ってなんや? 教えてくれん?」
 ギラギラした目に、歯をむき出した挑発的な笑顔で、里美の顔を覗きこむ。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(3)

「だ…だから、不幸な目だよ! たとえば、ミンナからシカトされるとか……、予期しない怪我をするとか……」
「へぇ~、不幸な目って、そんなんや? 凄いねぇ~! じゃあ・・先輩も不幸な目に合わんとええな。 たとえば……予期せぬ、『死っ!!』…とか」
 そう言う千佳の右手…爪先が、ピクリと動く。
「千佳っ!」
 明らかに、異様な殺気を千佳から感じ取った凛は、慌てて千佳を諌めた。
「里美も、一年生相手にムキにならないで!」
 琉奈も里美を引き止める。
 いつしか、トイレの周りには大勢の人集りができ、あまりの騒ぎに数分後には、教師まで駆けつける羽目になった。
 もっとも、教師が駆けつける頃には、当事者本人たちは、騒ぎに便乗してその場から立ち去っていたが。

 

「やっぱり、おかしい……」
 授業、部活を終え、自宅に戻った凛は自室に優里を招き、金鵄と三人で今日の出来事を話し始めた。
「千佳さんって、元々気が短い方なの?」
「ええ…まぁ、たしかに短気な方で、小学生の頃から男子と喧嘩するとか、よくありました。でも・・・・」
「明らかに様子が可怪しい……と?」
「はい、嫌悪感とか、その場限りの怒りとか、そういうのとは明らかに違う・・・本気の殺意のような」
 凛はそう言いながら、あの挑発的な笑顔、そして……嬉しそうに動いていた右手の様子を思い出した。
「よく自分が大きな力を持つと、気が大きくなって性格も変わるって話を聞くわよね?」
 そんな優里の言葉に・・
「いや、もしかしたら・・・妖怪の血のせいかも知れない」
 と、金鵄が呟いた。
「妖怪の血・・・のせい?」
「うん、千佳は妖怪火山猫と細胞レベルで融合したんだよね? …という事は、彼女の身体に流れるその血は、半分は妖怪の血。 本能と弱肉強食の中で生きるぬく血・・・」
「じゃあ、あの時の千佳は、半妖になったせいで本物の殺意があった・・・という事?」
「たぶんね。 普段は人間の知性や理性が身体を支配しているけど、もし本能や感情が理性を上回ったら、彼女の身体にも異変が起きるかもしれない」
「単純に強い仲間を得た・・・と、喜んでいるだけではいけないって事ね」
 優里は深刻な表情で呟いた。
「ねぇ…金鵄、千佳は元の人間に戻れないのかな?」
 悲しそうな目で凛が問いかける。
「これは僕の想像であり仮説だが、最初に千佳が妖怪化した時、凛の浄化で元の人間に戻りきれなかったのは、彼女の潜在意識に残る『想い』や『悔い』じゃないかな?」
「想いや……悔い……?」
「そう、彼女は妖怪と戦っている凛を、助けてあげたいという気持ちを、妖木妃につけ込まれ妖怪化した。 強い力を得たという意味では、妖怪化した事は彼女にとって本望だったのかもしれない。 だが、凛を助ける事なく浄化され、その力を失う・・・。その想いや悔いが、浄化を不完全なものにした」
「じゃあ……千佳があの時の記憶を思い出したのも、すべてわたしを守りたいという気持ちが残っていたから・・・?」
「うん。だから、今……半妖となって妖魔狩人の仲間入りしたのは、彼女にとってこの上ない喜びなのかもしれない。 その気持が強ければ強いほど・・・人間に戻るのは難しい」



 同じ時刻、涼果は村外れに向かって歩いていた。
 本来なら今日は学校の近所にある、塾へ通う日。受験まであと半年近くしかない。
 だが、塾へ行けば、そこでも琉奈に出会う。
 元々琉奈を塾へ誘ったのも、涼果だった。
 涼果と琉奈は家が近所同士の幼なじみ。
 今では想像もつかないが、幼いころ涼果は活発な女の子で、琉奈は病気がちな大人しい女の子だった。
 そんな事もあり、あの頃は涼果が琉奈を引っ張って、色々な遊びに誘っていた。
 病気がちで同級生から虐められても、涼果が守っていた。
 だが、小学校に上がり高学年になって、琉奈は身体も丈夫になり、身長も学力も運動神経も・・・そして容姿も、全て涼果を上回った。
 中学校に上がると、琉奈は大人びた容姿で男子生徒から注目を浴び出した。
 学力も高くクラス委員長になり、運動力でも陸上部やバレー部から誘いも受けていた。
 でも琉奈は、何をするにも涼果を基準で考えた。
 一緒に部活をやろうと涼果を誘っても、涼果が無理そうだと答えると、自身も誘いを断っていた程だ。
 塾に通いたいけど、一人で通うのは心細いと涼果が言えば、琉奈も一緒に通うと言ってくれた。
 そう、二人は大の仲良しだったのだ。

 なのに一ヶ月前から、琉奈は変わった・・・・。
 敵意丸出しの眼差しで睨みつけ、手の平を返したように涼果を虐めの対象にした。
 理由を聞いても「ウザイ」「シネ」としか返ってこない。
~~~~~♪
 携帯からお気に入りの着信音が鳴り響く。
 見るとメールが来ており、そこにも見慣れた「早く逝け」「死んだ?」等の嫌がらせが。
「もう……辛い……」
 涼果は独り言を呟いた。
 何気なくそのまま携帯を弄っていると、都市伝説の書き込みが目に入った。
 最近、隣町……丘福市で話題になっている『蜘蛛女』の都市伝説。
 一部では、嫌がらせを受けた女性の、復讐を代行したという説が流れている。
「復讐代行する、蜘蛛女・・・。いいな……この村にも現れないかな?」
 そう呟いていると・・・
「なにか、悩み事かな?」
 いきなり背後から、声を掛けられた。
 そこには、色白で長身長髪の袴姿の男が立っていた。
「身共は、その先にある社で宮司をしている者。 なにやら、復讐とか、蜘蛛女がどうとか耳に入ったが、話を聞かせてもらえぬか?」
「い…いえ……、神主さんに聞いて頂くほどのことでも・・・」
 涼果がそう断ると、宮司・・いや、白陰は涼果の持つ携帯に目をやった。
「なるほど、最近有名な都市伝説のことだな? 実はその伝説と似たような話が、うちの社にも伝えられておる」
「えっ!? そうなんですか?」
「うむ。 元は普通の人間の女性だったのだが、ある事件より神に力を与えられ、大蜘蛛の力を得た・・・」
 白陰はそう言うと、懐から小さな袋を取り出し、中から二粒の小さな種を差し出した。
「この種は、我が社に伝わる神の種。 この種を飲むことで、神に選ばれた力を得ることができる。その蜘蛛女のようにな・・・」
 涼果は白陰の言葉に不信感を抱きながらも、二粒の種を受け取った。
「もし、汝が今の自分・・今の生活を変えたいと思うのであれば、ここでソレを飲みこむがいい」
 蛇のような冷たい眼差しに、氷のような笑み。明らかに怪しいのは目に見えている。
 だが、何もしなければ…何も変わらない。
 明日も、同じように琉奈の嫌がらせは続くだろう。それは死にたい程辛い。
 涼果は、そんな生活より死ぬことを選んだ方がマシとすら思っていた。
 ならば・・・・
 一気に二粒の種を飲み込んだ!
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」
 激しい痛みが全身を襲った!
 足から根が生え、両腕は枝の様に伸び始める。見る見るうちに涼果の身体は、一本の樹木と化していった。
 根本には、先程まで涼果が手にしていた携帯が落ちている。
 白陰はソレを拾うと、中身をチラリと見、懐に閉まった。

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 今回はいつもより、かなり長めになっております。ww
引き続き、下のスレ「中編」を御覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 17:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話「姑獲鳥の子どもたち -中編-」

 三日後、立派な樹木と化したその枝には、大きな果実が実っていた。
 朝日に透かされたその実には、羽を閉じた大きな鳥のような姿が写っている。
「もう…落ちるころじゃな?」
 白陰が新たな少女を妖樹化したと聞き、嫦娥も様子を見に来ていた。
 そう言った矢先、その実は枝から千切れ落ち、大地に転がる。
 中から、コツ…!コツ…!と雛が卵の殻を突くような音が聞こえ、ついに実が真っ二つに割れた。
 現れたのは、人間よりやや大きめの鳥。…と言ってもダチョウのような姿ではなく、ヤマドリに近い。
「アレは、姑獲鳥!? なぜ、そのような者が・・・?」

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(4)

 姑獲鳥(こかくちょう)、中国伝承上の鳥の妖怪。
 幼児を攫い、時には人間すら襲う、鬼神の一種と呼ばれる妖怪である。
 その姿を見た嫦娥は驚いた。 それもそのはず、今まで妖樹の種を飲んだ人間は、牙や長い爪を持った妖怪として生まれ変わっていたからだ。
 ただし、過去一度だけ例外がある。
 妖怪として生まれ変わった少女に、再度種を飲ませ・・・大蜘蛛の妖怪、例の蜘蛛女を作り出した時である。
「あの時と同じように、種を二つ飲ませてみた。ただし、今度は一度に二粒だがな・・・」
「な…なんじゃと!?」
「その結果、妖樹の種の秘密が、少し解った。」
 白陰はそう言って、種の入った袋を取り出した。
「知っての通り、この種は妖木妃様の身体から産み出されている。言わば、妖木妃様の子種のようなものだ」
「うむ…」
「妖木妃様は、中国本土で多くの妖怪と戦ってきている。そして、打ち破ってきた妖怪共の血肉を食らってきている。 あの大蜘蛛妖怪も、姑獲鳥もだ・・・」
「それは、もしかして・・・」
「そうだ、食らってきた妖怪の血肉、つまり今の時代で言う遺伝子情報があの種に含まれているのだ」
 白陰は袋の中身を朝日に照らす。
「一粒人間に飲ませれば、妖怪としての単純な妖力や術などが、その人間に移しこまれるだけだが、二粒飲ませれば、能力そしてその姿までの情報が移しこまれてしまう」
「つまり、元の妖怪の複製が出来上がるようなものじゃな?」
「そういうことだ」
「ならば、常に二粒の種を飲ませた方が強い妖怪が産まれ、我々にもよいのでないかの?」
 嫦娥の言葉に白陰は首を振った。
「一つは、妖木妃様がそれ程大量に種を産み出す事ができない。もう一つは、あまりに強力な妖怪が産み出されても、制御できないかもしれないという問題が残る」
「どういう意味じゃ?」
「過去、妖木妃様が喰らって来た妖怪には、相当な強敵もいたかも知れぬ。もし、そんな者が再び産み出され、再度妖木妃様の敵になったとき・・・」
「なるほど、返り討ちを喰らう可能性もあるというわけじゃな?」
「妖木妃様はソレを避けるために、あえて一粒ずつしか人間に飲ませてこなかったのかも知れぬ」
「たしかに、可能性のある話じゃわい!」
 嫦娥は、そう言って産まれたばかりの姑獲鳥に目をやった。
 なんと、姑獲鳥は自身の羽や毛を、まるで衣服を脱ぐように剥ぎ落としていく。
 そしてそこに現れたのは、あの涼果の姿であった。
「うむ……、あの時の『姫』と一緒じゃ!」
 驚く嫦娥を他所に、白陰は三日前…涼果が落とした携帯を手渡す。
 携帯を開き、中を確認する涼果。その画面には「休んでいるけど、死んだ?」「もう来なくていいよ」等の、琉奈を始めとする里美、そしてその他の女子から送られてくる、あのメールの文字が見える。
 だが、涼果はそのメールを読んで、悲しむ素振りを見せるどころか、不敵に微笑む。その瞳はまるで血のように赤く光っていた。

 
 その日の放課後。三年の教室では・・・
「ねぇ、琉奈・・・、涼果のヤツ、全然登校して来なくなったね」
 里美が嬉しそうに話しかけてきた。
「うん、ホントにくたばっちゃったかな?」
 そう言って、空席である涼果の席に目をやった。だが、その視線は、どことなく寂しそうである。
 その時、
「ゴメンネ、まだ…くたばってなかったわ♪」
 …と、小馬鹿にしたように、涼果が教室へ入ってきた。
 涼果は自分の席に腰掛けると、琉奈を始めとする虐めのグループを見渡し、不敵に微笑む。
 自信に満ち溢れた不敵な笑み、これがあの大人しい涼果なのか?
 琉奈は夢でもみているような気分だ。
「ねぇ……、この『休んでいるけど、もう死んだ?』ってメール送ったのは、誰?」
 涼果は自身の携帯を開き、琉奈達に尋ねる。
「知らねぇーよ、バーカ!!」
 里美がおちょくるように返答した。
「あ、そう……! じゃあ、まず…アンタからでいいや♪」
 涼果はそう言うと、自分の髪の毛を3~4本抜き取り、ふぅ~っ…と、息を吹きかけた。
 宙に舞う、数本の髪の毛。
 それは徐々に膨れ上がり、真っ赤な子どもの姿に変わっていった。
 それは、妖怪『赤子』。真っ赤な全裸の子どもの身なりで、集団で現れると言われているが、それ以外は全く謎の妖怪である。
「きゃあああああっ!!」
「な…なんだ、あれっ!?」
 その異様な光景に、教室中に悲鳴が巻き起こる。
 赤子達は、里美に近寄り手足を押さえつけた。
「や、やめろっ! 離せっ!!」
 必死で跳ね除けようとする里美。だが、身なりは子どもでも赤子達の力は強く、ピクリともしない。
 そこへ一人の赤子が『哺乳瓶』を手にし、里美の眼前にやってきた。
 そして乳首の部分を口の中に押しこむ。
「…んぐっ・・んぐっ・・!」
 強引に乳のような液体を飲ませていくと・・・
「さ……里美……っ!?」
 その光景を見つめていた、琉奈を始めとする虐めグループに、驚愕の表情が浮かんだ!
 里美の手足が短くなり、頭部も一回り…二回りと小さくなり、更に胴もドンドン小さくなっていく!
 数分後には、ブカブカのセーラー服の中で泳ぐ、一人の小さな赤ん坊の姿が!!
「きゃああああああっ!!」
 再び、教室内に絶叫が走る。
 涼果は次々に髪の毛を妖怪赤子に変化させると、生徒たちへ向かわせた。
「に…逃げろっ!!」
 教室内に残っている、全ての生徒が廊下に飛び出す!
 更に、琉奈や残り3人の取り巻きも飛び出そうと扉へ駆け寄る。
 だが、それを阻むように、赤子達が立ちはだかった。
 教室の隅に追い込まれた虐めグループは、それぞれ赤子に取り押さえられ、哺乳瓶を口に突っ込まれる。
 唯一、琉奈だけは、涼果の前に引き渡された。
「涼果・・・なんなの、これ!? 貴方…本当に涼果なの?」
 ガタガタと怯える琉奈。
「あたし? そうよ…本物の涼果よ! ただ、神様に少しばかり力を授けてもらったけどね」
 そう言って微笑む涼果の瞳は、またも赤く光っている。
 更に涼果は、まるで品定めをするように、琉奈の顔……全身をマジマジと眺めると、
「やっぱり琉奈は、美人で可愛いよね。 あたしから見ても惚れ惚れするわ」
 と、優しく髪を撫ではじめる。
「小さい頃は大人しくて、とてもイイ子ちゃんだったのに・・・。今ではちょっと綺麗になったからって、あたしをゴミでも見るような目で眺めて・・・」
「ち…違うの……涼果! 私は……私は……」
「五月蝿いっ!!」
 涼果は一喝すると、いきなり自身の唇を、琉奈の唇に押し当てた。
「あ……」
「り~~~な~~~~♪ 今から、小さいころのような……イイ子ちゃんにしてあげるね!」
 涼果は、そう言って琉奈の頭部を抱え込み、哺乳瓶を口の中に押し込んだ!
「や……んぐっ、だ……んぐっ……」
 顔を背け、必死に抵抗する琉奈であったが、徐々に口の中に哺乳瓶の乳が流れ込む。
「んぐ……んぐ……」
 一口、二口と飲み続けていく度に、まるで幼いころ、母親に抱きかかえられているような気分になってきた。
ゴクッ…ゴクッ……!
 やがて抵抗する気もすっかり失せ、母乳を与えられている赤子のように、安らかな笑みが浮かぶ。
「琉奈ちゃん、イイ子になってきたわね!」
 微笑む涼果の腕の中で、琉奈の身体は徐々に、徐々に小さくなっていく!
「ま…ん…ま……」
 数分後には、琉奈もすっかり赤ん坊になっていた。
 涼果は赤ん坊になった琉奈を机の上に寝かせると、ダボついた制服を脱がせた。
 更にブカブカのブラジャーを外し、下半身に被さっているショーツに手を伸ばす。
「ハート模様のショーツ・・・。意外ね! 歳相応の可愛いのを履いていたんだ♪」
 そう言ってショーツを引き落とすと、お尻の下に白い布地を広げた。
― えっ……!? 私…いったい……?―
 夢から目覚めたように、琉奈は自分の置かれている状況を見つめなおした。
 そう、身体は赤ん坊になっているが、意識はまだ元のままのようだ。
「うん? 今…オシメを取り替えるところよ」
 見ると、琉奈の可愛い桃のようなお尻に、涼果が嬉しそうにベビーパウダーを塗っている。
― や……やめて……っ!?―
 あまりの恥ずかしさに、必死に声を上げようとする琉奈。
 だが、言葉を発声することができず、泣き声しか上がらない。
「ふふふ……♪ 綺麗で軟らかいモチ肌。 この産まれたままの姿を写真に撮ったら、琉奈のファンや、男子生徒はいくら位で買うかしら?」
― や…やだ、お願い! 絶対に…それだけは止めて!!―
 必死で泣き叫ぶ赤ん坊の琉奈。
「あらあら、さっきから泣き止まないわね。 もっとおっぱいが欲しいの?」
 涼果は新たな哺乳瓶を琉奈に咥えさせる。
― 違う、そうじゃない……! 元に戻して!!―
 心のなかでどんなに叫んでも、口から発するのは、ただの泣き声。
 しかも、哺乳瓶の乳を飲まされていくと、次第にそれすらできなくなり、頭の中が真っ白になっていく。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(5)

「んにゃ……んにゃ……」
 自分でもわかる。乳を飲まされていく度に、思考まで赤ん坊に遡っていくことを。
 そこへ・・・
「そこまでよ、やめなさい!」
 扉の前で、霊装し弓を手にした、凛が立っていた。


 今からほんの数分前、凛は部活の件で心美のクラスを訪ねてきた。
 そこで凛が目にしたものは、教室の前で逃げまとう生徒達。 それを追う…2~3匹の真っ赤な子どもの姿をした妖怪、赤子。
 更に廊下に転がるように寝転んでいる数人の赤ん坊の姿。
 中には制服以外のビジネススーツに包まれた赤ん坊もいた事から、事態を聞き、駆けつけた教師すら赤ん坊に変えられたと思われる。
 ただならぬ事態と察した凛は、すぐに霊装し、赤子たちを葬っていく。
 そして教室に飛び込むと、いつもより強めの妖気が漂っていた。
 隅には三人の赤ん坊の姿が見える。虐めのグループの成れの果ての姿。
 奥の机の上には、オシメに包まれた可愛らしい赤ん坊。
 そして、その前に立ちふさがる…赤い妖気を発する、涼果。
「そこまでよ、やめなさい!」
 凛は霊光矢を向ける。
 涼果はしばらく、記憶を探るように凛を見つめていたが
「ああ……、トイレの時、止めに入ってくれた一年生ね。 …で、その弓はどういう意味?」
 と冷めた眼差しで問い返す。
「凛っ!」
 実体化した金鵄が、遅れて飛び込んできた。そして、現状を見渡し
「これは妖怪姑獲鳥の能力・・・! またも中国妖怪の仕業か!?」
 と呟いた。
「先輩、おそらく虐めの仕返しだと思うけど、こんな事…人間がやるべき事じゃありません。直ぐ様、皆さんを元に戻し、解放してあげてください!」
「嫌・・・だと言ったら、その弓であたしを射るわけ?」
「はい。不本意だけど・・・・」
「そう……、トイレの時はあたしの味方だと思ったけど、やっぱり貴方も敵なわけね?」
パチンッ!
 まるで合図を送るように、指を鳴らした涼果。
 その音に反応した赤子達が、一斉に凛に襲いかかる。
 間合いを開け、一匹一匹射止める凛。
 だが、狭い上に、数多くの机や椅子等の障害物がある教室内。
 凛の動ける範囲は予想外に狭く、また一斉に襲いかかってくる赤子に対し、複数の敵に適していない弓では、あまりに不利だった。
 瞬く間に凛は取り押さえられ、涼果の前に跪かされた。
 凛の顎を掴み、その顔をマジマジと眺める涼果。
「ふ~ん……、十人並みだと思ったけど、こうして見ると、意外に可愛い顔立ちなのね」
 涼果はそう言って口元を緩ませると、手にした哺乳瓶を凛の口の中に押し込んだ。
「凛っ!?」
 大慌てで、その場を飛び去る金鵄。
 優里がいればいいのだが、今すぐには無理だ!
 となれば、彼女に助けを求めるしかない!
 帰宅途中の千佳を見つけ、教室に舞い戻ったのは、それから十分以上経っていた。

 
 金鵄と千佳が教室に入ると、相も変わらぬ異様な光景。
 だが、千佳はそれを見ても、眉一つ動かさない。
 極自然に、受け入れている。
― ただ単に冷静なわけではない。おそらく惨劇を好む妖怪の血が、何とも思わなくしているんだろう―
 金鵄は、そう感じ取った。
 涼果は、教室に入ってきた千佳に気づくと、微笑みながら話しかける。
「貴方もトイレの時、助けに入ってくれた一年生ね」
「うん・・あの時の先輩……? そっか、これは先輩の仕業っちゃね!?」
「そうよ。 貴方もあたしに説教するつもり?」
 涼果の問いに、千佳は首を振ると
「んにゃ。ウチ…見てわかると思うけど、身体…平均よりうんと小さいっちゃよ。小学低学年の頃、それで結構虐められたっちゃね。 だから、先輩の気持ち……、ようわかる! ウチでも仕返しするかもしれんね」
 そう言って、ニッコリ微笑んだ。
「それにウチ、何が正しいとか……何が悪いとか、ようわからん。 そういうの、その時その場で、凛から教えてもらっているから」
 千佳の言葉に涼果は今までにない笑顔を見せ、
「理解してもらえて嬉しいわ。 貴方には以前にも助けられたし、だから…貴方は赤ん坊に変えないでいてあげる!」
 そう答えた。
「それは、ありがと! ところで先輩、凛はどこ行ったか知らん? 先に来たと思うっちゃけど」
「凛……? ああ、あのサイドテールの一年生? それなら・・・」
 涼果はそう言うと、とある机と机の間を指さした。
 そこには、小さな赤ん坊の姿が。
「その子よ・・・」
 それを見た、千佳の目つきが変わった。
 そして、涼果にこう尋ねた。

① なんで、凛に手を出したっちゃ!?
② あの子、ウチ…貰うていいか?

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『-後編-』へ続く。

そのまま、下のスレをご覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 17:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話「姑獲鳥の子どもたち -後編-」

① なんで、凛に手を出したっちゃ!?

「なんで、凛に手を出したっちゃ!? 凛も前・・・トイレで先輩を助けたっちゃよ?」
 千佳の問いに、涼果はヤレヤレと言わんばかりに手を広げると
「この子はね、あたしに説教しながら弓を向けたの」
 思い出すように語りだした。

 千佳が来る十分以上前、赤子に囚われた凛は、涼果に哺乳瓶を咥えさせられた。
「先輩、それは邪悪な妖怪の力! 妖怪に心を支配されては駄目です!!」
 凛は、必死に抵抗しながら、そう叫ぶ。
「五月蝿いわね、もうあたしは虐められるのは沢山! この力を使って、あたしに歯向かう者は、みんな赤ん坊に変えてやる!」
「だ…駄目っ!!」
「さぁ、貴方も赤ん坊になりなさい!」
 そう言って、涼果は強引に哺乳瓶の乳首を凛に吸わせる。
「んぐっ……んぐっ……」
 凛の喉に、乳が流れこむ。
― あ……、なんか…懐かしい気分……―
 凛がそう感じ始めると、身体が徐々に小さくなっていった。
 手も、足も。 ドンドン縮んでいき、頭の身体も小さくなっていく。
 霊力も衰えたのか? 霊装で身につけた戦闘服も自然消滅し、数分後には元のセーラー服に包まれた、赤ん坊の姿に変わっていた。
 制服の中から赤ん坊の凛を引き上げると、ブカブカの下着が足に絡みついていた。
「まぁ~っ、イチゴのプリント下着。可愛いわね♪」
 涼果は下着を剥ぎ取ると、ベビーパウダーを塗り、オシメに付け替えた。

「ちょっとええね?」
 涼果の語りに水を指すように、千佳が口を挟んだ。
 その千佳の腕の中には、白いオシメに包まれた凛が抱かれている。
「ウチ、どうしても納得できんわ!」
― 千佳、頑張って! そして、みんなを・・・わたしを元に戻して!―
 凛も意識は元のままだ。
 その為、赤ん坊の姿になっても、その強い眼差しは、そう語っていた。
「アンタ・・誰の許可得て、凛のパンツ下ろして、お尻見たっちゃ!?」
― はい~っ・・・?!―
「凛のパンツ下ろすのも、お尻触るのも・・・舐めるのも! それをやっていいのは、この世でウチだけなんよ!!」
― そこなの!? てか、アンタでも下ろしたり、触ったり……まして最後のは、絶対に駄目ーっ!!―
 凛はその小さな拳を握りしめていた。
 もし、腕を動かすことができたなら、その拳は千佳の顔面に入っていただろう。
 千佳は涼果を指さし、こう告げた。
「そんな理由で先輩……。 アンタ、ウチの敵や!」
「そういう理由で~っ!?」
 黙って聞いていた金鵄も、思わず突っ込んだ!
「…………」
 涼果は、しばらく無言で千佳を睨みつけていたが、
「そう……。貴方はあたしを理解してくれたから、いい友だちになれると思ったんだけど・・・」
 そう言って、十数匹の赤子を生み出した。
「言ったやろ。ウチ、正しいとか、悪いとか…ようわからんって」
 そう言っている千佳の髪が、炎のように逆立ち、真っ赤に染まっていく。
「けど、一つだけ断言できる・・・」
 更に、右手が一回り……二回り大きくなり、その爪は鋭く、高熱を帯び始め、
「凛に手を出したヤツは、全て・・・敵っちゃ!」
 黒と赤のパンク風戦闘服に身を包み、不敵な笑みを浮かべた。
パチンッ! 
 涼果が指を鳴らす。それは戦闘開始の合図。
 一斉に十数匹の赤子が、千佳に襲いかかった。
「金鵄、凛を頼むっちゃよ!」
 凛を金鵄に預け、千佳は赤子の群れに飛び込んでいく。
 一匹、二匹と右手の灼熱の爪は、赤子を切り裂いていく。
 しかし、いくら小回りのきく右手の爪でも、一度にソレ以上の敵を攻撃できるわけではない。
 まして、動きを制限される狭い教室内。
 だが、凛を・・・金鵄を驚愕させたのは、これからだ。
 二匹撃退すると、千佳は後方に飛び退け、机と机の間に身を隠す。
 そして、その間を潜り抜けたかと思うと、予期せぬ場所から飛び出し、一気に1~2匹を仕留める。
 それでも深追いはしない。
 敵が気づくと、またもや机の間に身を隠す。
 森や草原で、木や草に身を隠しながら忍び寄り、素早い動きで一気に飛びかかる。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(6)

 それは、ネコ科動物の『狩り』の仕方。
 千佳は、この狭い教室も、自分に有利な狩場にしてしまったのだ。
― す……凄い……―
 予想外の戦闘力に、凛も息を飲むだけだった。
「この戦い方は、凛や優里のように人間としての戦闘技術ではない。獣・・・、そう……融合された獣妖怪、火山猫の野生の本能に任せた戦い方だ・・・」
 金鵄は、改めて千佳の半妖としての能力に驚かされた。
 そして数分後、凛ですら倒しきれなかった十数匹の赤子を、全て撃退してしまったのだ。
「ふぅ……」
 衣類についた埃を叩き落としながら、千佳は一息ついた。
 その瞬間!
 頭上から、涼果が飛びかかる。
「油断したわね!」
 あっと言う間に、千佳の右手を押さえつけると、手にした哺乳瓶を千佳の口の中に押し込もうとする。
― 千佳っ、それを飲んだら駄目ーっ!!―
 声が出ない事を承知で叫ぶ凛。
「さぁ、これを飲んで、イイ子ちゃんになりなさい!」
 強い力で、哺乳瓶の乳首を千佳の口内に入れた瞬間・・・
ガブッ!! 
 なんと、千佳は鋭い牙で、乳首を噛み千切った!
 そして驚いた涼果を、そのまま押し払う。
「肉食獣の顎の強さを、舐めたら駄目だっちゃ!」
 千佳はそう言って、口の中の乳首を吐き出す。

「なんでよ・・・。なんで、あたしばかりが虐げられるの・・・・」
 目に一杯の涙を貯め、涼果はそう漏らすと・・・
ガチャーン!!
 窓ガラスを突き破り、中庭に逃げ出して行った。
「待つっちゃっ!!」
 直ぐ様、千佳も後を追う。
― 千佳っ、待って!!―
 凛もすぐに後を追いたい。 だが、指先すら自由に動かせない赤ん坊の姿では無理というものだ。
― 金鵄、聞こえる?―
 凛は、金鵄に思念を送った。
 凛と金鵄は過去に一度、魂を共有している。
 そのため、近距離ならば、思念で会話することができるのだ。
― わたしを掴んで、千佳を追って!―
「だけど、今の君では追っても何もできないよ」
― わかっている。だけど……千佳には浄化の技が無い。このままでは先輩を殺してしまう! 行って、千佳を止めなきゃ!!―
「凛、今の君は霊力すら操る事ができない。つまり、君でも浄化できないよ」
― だからと言って、放っておけない!!―
 赤ん坊の姿でありながら、その金鵄を見つめるその眼差しは、いつもの凛のものだった。
「わかったよ。いざとなったら、僕の残り全ての霊力を君に授けよう」
 金鵄は根負けし、凛の両脇を抱え上げると、千佳の後を追って飛び出していった。
 その様子を校舎の影から、一人の人物が眺めていたことを、凛も金鵄も気づかなかった。

「い……行き止まり!?」
 体育館裏の金網に行く手を遮られ、辺りを見回す涼果。
「もう逃げられないっちゃ・・・。観念しいや!」
 そこに千佳が姿をみせる。
 そして、灼熱の右手を突き出し、一歩・・また一歩と間を縮める。
「やだ・・・、助けて・・・・」
「待つんだ、千佳っ! 殺しては駄目だ!!」
 間髪入れず、凛を抱えた金鵄が追いついた。
「なんでね? 敵は息の根を止める・・・。当然やろ?」
 千佳はまったく聞く耳を持たず、一歩一歩、涼果に向かっていく。
「どんなに怒っても、わたしの知っている千佳は、必要以上に相手を傷つけたりしなかったよ!」
 金鵄が、大声で叫ぶ。
「はぁ……?」
 思わず振り返る千佳。
「今のは、凛から送られてきた思念だ。 そして今から言うのも、全て凛の言葉だ」
 金鵄はそう告げ、
「千佳はいつでもわたしを第一に想ってくれた。本当に嬉しい・・・。そして、わたしにとっても、千佳は一番大事な友達。だから、千佳に人殺しになってもらいたくない!」
 と続けた。
「凛・・・?」
 千佳は、金鵄に担がれている赤ん坊の凛を見つめた。
 凛の力強い眼差しが、語るように、一直線に千佳に向けられている。
「ふぅ……」
 千佳は溜息をついた。
「ホント、凛には……いつもいつも、教えられるっちゃね」
 そう言って苦笑する千佳。
 それを見た凛は、ニッコリ微笑む。
「けど、どうするっちゃ? このまま、放っておくわけには、いかんやろ?」
 千佳の問いに、凛も金鵄も返す言葉が思い浮かばなかった。
 その時・・・
「貴方も、黒い妖魔狩人も、本当に甘い性格なのね!」
 金鵄と凛の背後から、一人の人物が姿を現した。
 全身を『青い衣』で包んだ、その人物。
 おそらく女性と思わせる、その体型。
 だが、顔は忍者のように頭巾で覆われており、まるでわからない。
 ただ、後頭部の布地の切れ目から、ポニーテールのように長い髪が下がっていた。
「アンタ、誰だっちゃ!?」
 千佳が、凛たちを庇うように前へ出た。
 青い衣の人物は、そんな千佳を無視するように、右腕をまっすぐ頭上に上げた。
 そして円を描くようにゆっくり回す。
 すると、頭上に渦潮のように回転する、水流の輪が浮かび上がった。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第15話(7)

「な…なんだ……!?」
 驚く一行を他所に、青い衣の人物は、その水流の輪を、涼果に向けて投げ放った。
 水流の輪は、まるで輪投げのようにスポッと涼果の身体を潜ると、風船のような水泡を吹き出し、涼果の身体を包み込んだ。
「あああっ!!」
 水泡の中で、悶え苦しむ涼果。
「な、なにをしているんだっ!?」
 金鵄が慌てて止めようとする。
「黙って見ていなさい」
 青い衣の人物は、冷たい口調で言い返す。
 数十秒後、風船が割れるように水泡が弾け消えると、涼果はその場にバタリと倒れ伏せた。
「重っ・・!?」
 見ると、同時に金鵄に担ぎ上げられていた凛も、元の中学生の身体に戻っている。
 ただし、全裸だが・・・・
「きゃあああああっ~~!」
 思わず両手で胸を隠し、その場に座り込む凛。
 もちろん…そんな凛を、涎を垂らし・・・悶々とした眼差しで、千佳が凝視していたのは、言うまでもない。
「霊装っ!!」
 慌てて霊装し、ゴスロリ戦闘服に身を包んだ凛。
「これはいったい、どういう事だ?」
 理由も分からず驚く金鵄。
 凛は倒れ伏せている涼果に近づき、全身を見渡した。
「妖気が・・・消えている?」
「まさか、浄化の術!?」
「それで、凛も元の姿に戻ったっちゃか?」
 驚く一行を前に、青い衣の人物は更に付け加える。
「驚くのは早いわ。これで他の生徒や教師たちも、元の姿に戻ったはずよ」
 その言葉に凛は、喜悦の表情を浮かべた。
「君は一体、何者なんだ?」
 金鵄はそう問いかけると
「わたくしが誰であろうと、今はどうでもいい事。ただ一つ言わせてもらうわ」
 青い衣の人物は、そう言って凛たちを指さすと
「今回は貴女たちの戦い方に合わせてみただけ。でも、こんな戦い方では、妖怪たちを滅ぼす事はできない!」
 と、言い放つ。
「わたしたちは、妖怪を滅ぼすために戦っているのではありません!」
 だが凛は、そっくりそのまま言い返した。
「…………」
 無言で凛を睨みつける、青い衣の人物。
 しかし、そのまま何も言わずに踵を返すと、金網を飛び越え、姿を消した。


 教室へ戻ると、青い衣の人物が言っていた通り、赤ん坊に変えられた人達は、全て元の姿に戻っていた。
 金鵄は大急ぎで、セコや精霊達に呼びかけ、霊獣『獏』を使って、関係した人物のこの時の記憶を消し去っていく。
 ただし、涼果と琉奈の記憶だけは残しておいた。
 事件のきっかけになった、虐めについて考えてもらいたいからだ。
 もちろん、凛や千佳の正体に関してだけは、記憶を消し去っているが。

 後からわかった事だが、琉奈が涼果に対して虐めを始めるきっかけになったのは、モデルの仕事を涼果が見学に来た時のことだった。
 琉奈が読者モデルの仕事を始めたのは、己の美貌に自信を持っていたこともあるが、それ以上にその事務所で働く、男子高校生の読者モデル、萩原桐人に心を惹かれていたからであった。
 琉奈は桐人に会うたび少しずつ話しかけ、親しい仲になっていると思っていた。
 そんな頃、涼果が琉奈の仕事を見学に来た。
 楽しく過ごしたその日、涼果が帰った後、桐人が話しかけてきた。
「今の子、友達なの? 同じ中学生?」
 実は桐人は『妹属性』と呼ばれる嗜好の持ち主で、歳相応より大人びて見える琉奈には、あまり興味は持っておらず、むしろ幼く見える・・涼果に興味を示した。
 その日から桐人からの話題は、涼果に対する質問ばかりだった。
 小学生高学年から美しい容貌を持ち、誰からもチヤホヤされてきた琉奈。
 だが本気に想っている人の対象は、自分ではなく、幼なじみでそこそこ可愛い程度の涼果であった。
 プライドも傷つき、涼果に対し、激しい『嫉妬』が芽生えた。
 そう、全てにおいて涼果より優っていると思っていたが上の、敗北。
 それが、涼果への虐めのきっかけだった。

 元の姿に戻ったその日、涼果と琉奈の二人は、ゆっくり話しあった。
 
 涼果に対しての、琉奈の嫉妬。
 逆に全てにおいて自分より優れている琉奈に対しての、涼果の密かな妬み。
 どちらも完全ではない、不完全な中学生・・・。いや、人間であることをわかち合った。
 元の仲良しまで戻れるかは、わからない。
 でも、お互いの心境を理解することは、できたはずだ。

 余談だが、桐人は新たに、妹っぽい女性を見つけ、交際を始めたらしい。
 だが、実はその女性、とうに成人を迎えており、幼く見える容貌を利用して、桐人に声をかけたようだ。
 妹どころか、自分より年上と知って、桐人は死人同然となり、しばらく立ち直れなかったらしい。
 もちろん、その話は琉奈の耳にも入り、あまりの情けなさに百年の恋も冷めたと聞く。


 それから数日後・・・
「そう言えばあの時、田中先輩は教室にいなかったっちゃよね?」
 千佳が思い出したように問いかけた。
「うん、あの日・・・・」
 千佳の問いに凛は、事件翌日の心美の言葉を思い出した。
「いや~~っ。 前日の夜、アイス食べながらゲームしていたせいか、お腹壊しちゃったみたいで。 それで、ずっとトイレに篭っていた」
 と屈託のない笑顔で話していたそうだ。


第16話へつづく


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| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 17:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第15話 あとがき

こんにちわ。

8月に入り、暑さと忙しさでかなりヘトヘトでしたが、やっと何日か落ち着ける日々が来て、一安心?の るりょうりに です。

さて、なんとか約束通り? 盆前までに第15話、公開できる運びとなりました。

でも、ぶっちゃけ言って・・・面白かったですか?
俺っち個人的に、今回の話・・・面白いかどうか、よくわからないんです。

いや、自分的には面白くなるように物語を作ったつもりなんですが、出来上がったのを読んでみて。
そして、挿絵でも書き終えてみて。

なんか、納得できるものでない気がしてなりません。

今回書きたかったのは、正規ルートでは、妖怪と融合した『千佳の内面の変動』。
バッド・エンドルート・・というか、状態変化ネタとしては、凛や大人っぽい少女が赤ん坊化して、いいように弄ばれ羞恥するという、精神的恥辱をテーマにしました。

千佳の内面の変動は、元々大好きな変身ヒーローを苦悩を書いてみたかったから。
まぁ、わかりやすい例で言えば、『デビルマン』。
元々大人しい少年であった『不動明』が、デーモン族アモンと合体し『デビルマン』となり、性格が変貌しました。
他にも特撮ヒーロー等で、見た目は人間だが人間でなくなった者。
子どもの頃には、それらが全然わからず、「強くなったんだからいいじゃん! カッコイイ!」程度しか思わなかった事を、少し取り上げてみたいと思ったのがきっかけです。

内面とは、今回性格の事を指していますが、他にも体質的な事も絶対に変化あるはずなんです!
例えば、人間だった頃にはかからない病気にもなるかもしれません。
人間用の薬が効くかどうかもわかりません。
病院へ行けば、血液検査等で人間とは違うと疑われ、研究対象として扱われる存在になるかもしれません。
そういうのを書きたいと思っているのですが、でもあまり詰め込めすぎると訳が分かんなくなるので、徐々に少しずつw

今回バッド・エンドルートでも、ちょっとクドかったかもしれませんね。

また、琉奈や凛の恥辱もイマイチだったような気がします。
あまりエロエロにするのも嫌だったし、かと言って下ネタに走るのもどうかと。

そのせいか、恥辱が上手く表現出来なくなっていたのかもしれませんね。

初めての幼児(赤子)退行ネタ。 やはり難しいです。

物語の基本的な流れは、虐めネタですが、これは本来・・『てんこぶ姫』で使おうと思っていた話でした。
しかし、『黒紫色の放課後』も虐めネタ。
被ってしまうな・・・ということで、妖魔狩人で使ってみました。

キャラ的には、涼果や琉奈。 二人共好きなキャラです。
この話だけの一発キャラのつもりでしたが、予想以上にキャラデザイン(特に琉奈)が気に入ったので、今後もやられ役で出すと思いますw

今回の敵は『姑獲鳥(こかくちょう)』。

これ、『うぶめ』と読むんじゃないの? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、某映画化された小説や、ゲゲゲの鬼太郎の影響で『うぶめ』と読む方が正しいように思われますが、『こかくちょう』でも正解なんです。

『うぶめ』は元々『産女』という妖怪のことなんですね。
そして『姑獲鳥(こかくちょう)』は中国から伝承された妖怪。
どちらも設定がよく似ているんですよ。
だからいつの間にか同一視されるようになり、妖怪画で有名な『鳥山 石燕』も、『姑獲鳥(うぶめ)』という名で絵を描いておられます。

今回俺っちは、物語の展開上・・・妖木妃が過去中国本土で戦った相手として使いましたので、『こかくちょう』という中国名を使いました。

ちなみに今回のこの妖木妃との絡みの設定。
実は、本来こんな設定はありませんでしたwww

ですが、MTさんが次々に『妖魔狩人外伝』と書いてくださり、そして色々なパターンで妖怪を誕生させてくれました。
だから、本編であるこっちで、妖樹の種の設定を改変したというわけです。
もちろん、これは『良い改変』だと思っております!
MTさんの発想は凄い!!
また新たな外伝を書いてくださっておりますが、それに登場する新妖怪たちも魅力的なキャラばかり。
絵師としての俺っちも、そっちのキャラを描いてみたいな~と、ウズウズしてきます!!

おっと、話が反れたw

次に妖怪『赤子』について。

最初のプロットでは、『キューピー風の妖怪』にしてましたww
まぁ、姑獲鳥が操る下僕妖怪というか、子妖怪というか・・・・
そんな感じでしたので、見た目幼児な妖怪がいいな~~と。
そこで、『赤子』という妖怪に白羽の矢を立ててみました。
実際この妖怪、伝記上では大して悪いことをする妖怪ではないんですけどね。
ただ、コイツを使ったばっかりに、物語上の文章で『赤子化』という言葉が使えなくなりましたww
そこで、あえて『赤ん坊化』と微妙な差別化を図ったというわけですw

最後に、前話でも登場した『青い衣』の新キャラ!

さて、一体何者なんでしょう?
コレに関してはまた、いずれww

次回は、状態変化ネタでは基本的に『球体化』を予定してます。
基本的にとしたのは、もしかしたら微妙に変えるか・・・他に近い変化ネタを加えるか?
そんなところです。

では、長くなりましたが、今回はこの辺で!!

今回も閲覧、深く感謝しております。

ありがとうございました!! m(_ _)m

| あとがき | 16:57 | comments:13 | trackbacks:0 | TOP↑

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