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自己満足の果てに・・・

オリジナルマンガや小説による、形状変化(食品化・平面化など)やソフトカニバリズムを主とした、創作サイトです。

2014年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年07月

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話「千佳の覚醒 -前編-」

「中国妖怪、火山猫。お前さん……こいつと融合するんじゃ!」
 ここは、柚子村から外れにある、犬乙山の麓。
 緑色の肌をした中国妖怪の老婆、嫦娥は、中型犬サイズの燃えるような赤い逆毛の動物を召喚し、千佳に向かってそう告げた。
「ウ……ウチが…、妖怪……と……融合……!?」
「そうじゃ、お主…もう身体が消えかかっているじゃろ? それは人間と妖怪の魂……いわゆる生体エネルギーが互いに打ち消し合っているからに他ならぬ。
 もし、生き残りたければ、エネルギーバランスを崩すしか方法は無い」
 千佳にとっては何とも冷酷な宣告だった。
 だが、嫦娥の目つきを見るからに、とても虚言とは思えない。
「も…もし……、その妖怪と融合したら……、ウチの姿……やっぱり化け物に、なるっちゃか……?」
 呼び名の通り、猫のような姿をした動物型妖怪ではあるが、当然…人間とは似ても似つかない。
「それは、結果次第じゃ……。この妖怪の支配力が強ければ、人間にとって醜い化け物の姿になるじゃろう。
 じゃが、お前さんの支配力が優れば、もしかしたら…それなりの外見を残す事はできるかも知れぬ」
「それじゃ生き延びても、凛と一緒にいることは、できなくなるかもしれない…ちゃ……」
 想像するだけで身の毛もよだつような思いに、千佳はガタガタと震えていた。



 翌日、いつも通り学校へ通った凛。
 しかし、二日連続で休んでいる千佳・・・。
 担任の教師からは、風邪で休んでいると知らされた。
 だが、それは約二ヶ月前のあの時と同じ。
 あの時・・・、千佳が妖木妃によって妖怪になり、多くの人々を襲ったあの事件。
 あの事件は、妖怪獏の力によって、関係者の記憶を消している。
 完全に浄化されず、妖気と事件の記憶が残っていた千佳は、きっと今悩んでいるに違いない。
 学校に出てこれないのも、そのせいだろう。
 凛は放課後、千佳の見舞いと称し、様子を見に行くことに決めた。
 集落から少し離れた山沿いにある、別名『斎藤御殿』。
 ここへ来るのも二ヶ月ぶりだ。
 あの日、凛はここで妖怪化した千佳と戦った。
 そして、千佳が凛に対し、友情以上の想いを持っていることも知った。
 まるで昨日の事のように思い出される、あの戦い。
 凛は複雑な思いで、インターホンのボタンに指を触れようとした。
 その時・・・
「この家の娘に用があるんかい……?」
 背後から聞き覚えの無い、年老いた声が聞こえた。
 振り返ると、そこには一人の老婆が立っていた。
 まるで草のような緑色の肌、その肌は多くの吹き出物で覆われている。
 ギョロリとした大きな目、そうまるで蛙のような老婆である。
「あなたは……?」
「儂の名は嫦娥。お前さんが敵対している妖木妃様の幹部の一人じゃよ。のぉ……黒い妖魔狩人!」
 その言葉に凛は、すぐさま霊装し、弓を向けた。
「思ったより気の短い娘っ子じゃの……。それよりお前さん、この家の娘に用があるんじゃろ?」
「千佳をどうしたの!?」
「この先でお前さんを待っておるよ。 もし儂とここで戦わず付いて来るなら、案内してやるがの?」
 嫦娥はそう言って、不気味に微笑んだ。
「わかったわ、案内して!」
 凛はそう頷くと、弓を下ろした。
 それを見た嫦娥は踵を返し、裏山にある森に向かって歩き出した。
 後を追う凛。
 その様子を、子どもの姿をした妖怪セコが、偶然目撃していた。

 森を抜けると、そこは野原のような広い平地であった。
 周りに古びた柵らしきものがあることから、以前は牛の放牧地として使われていたに違いない。
 草に覆われた平地の中央あたりで、嫦娥は足を止め振り返った。
 少し離れて凛も足を止める。
「千佳は、どこにいるの?」
 凛の言葉に、嫦娥は不敵に微笑むと
「ホレ……、すぐそこにおるじゃろ!?」
 と、凛のすぐ脇を指さした。
 目を向けると草陰の中で、人らしきものがうずくまって寝ているように見える。
「ち……千佳……?」
 凛が声を掛けてみた。
 すると、その声に反応したのか? 
 うずくまったその物体が、ゆっくりと起き上がる。
 その瞬間、まるで灼熱のような熱気が、凛に降りかかった。
 それは全身毛で覆われ、その毛は真っ赤な炎のように逆立っている。
 背丈は凛と同じくらいだが、両手に生えた鋭い爪・・・・。
 少し前に突き出た、肉食獣特有の口元に、鋭い牙・・・・。
 猫のように縦長の瞳孔・・・・。
 その姿は、真っ赤な獣……いや、まさしく真っ赤な獣人!!
「り……凛……?」
 なんと! 驚いた事に獣が言葉を話した。
 それも、聞き覚えのある声で・・・!?
「ち…千佳……なの?」
 恐る恐る、声を返す凛。だが・・・・
シャアアアアアア!!

妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話(1)

 千佳は獣特有の甲高い声を上げると、その鋭い爪を凛に向かって振りかざした。
 咄嗟にかわす凛。
「千佳っ! わたしがわからない!?」
 凛は再度、呼びかけてみた。
 だが、獣人と化している千佳は、まるで耳に入らないように、再び凛に向かって襲いかかる。
「無駄じゃよ、その娘は完全に妖怪に心も身体も支配された。何を言っても届きはせんわい!」
 嫦娥は、高みの見物と洒落こんでいる。
「いったい…千佳に何をしたのよっ!?」
 凛は千佳からの攻撃を避けながら、少しずつ距離を開ける。
「千佳・・・今、元に戻してあげるからね!」
 そして一定の距離を取り、弓を構え弦を引いた。
「言っておくが、それは止めておいたほうがいいぞ!」
 凛がそう来るだろうと、待ち構えていたように、嫦娥が口を開いた。
「その娘……妖樹から妖怪化したのと違って、妖怪との融合によってその姿になっておる」
「……?」
「結論から言うと、お前さんの矢が当たったその時、その娘の身体は消滅する」
「どういうこと……?」
「今までの戦い、覚えておらんか? たしかに妖樹から妖怪化した者は、浄化によって元の人間に戻ることができた。
 だが、元から妖怪だった者は、心身共に浄化され、地上から消滅していったことを・・・」
 た…たしかに……!!
「妖樹を通しての妖怪への転生は、実際には本当に生まれ変わっておるわけではないのじゃ。
 人間の身体という器に、妖怪の魂や妖力を継ぎ足したものだと思えばよい。
 その影響によって、身体や性格、習性、凶暴性が変化しただけのもの。
 だから、お前さんの浄化によって、妖怪の魂や妖力だけを消し去って、元の人間に戻る事ができたのじゃ」
「そういうこと……」
「だが、最初から妖怪として産まれた者は、細胞の隅々まで妖怪としての妖力が染み渡っている。
 よって、お前さんの矢は、その細胞まで浄化し消滅させてしまう」
「じゃ…まさか……」
「千佳という娘は、妖怪火山猫と細胞レベルで融合されておる。つまり、その娘の肉体は、生まれながらの妖怪と殆ど変わりないんじゃ!」
「なんで、そんな酷いことを・・・!?」
「その娘が望んだのじゃ・・・!」
「!?」
「説明すると長くなるので省くが、その娘……不完全な浄化のせいで、肉体が消え去ろうとしておった。助かるには、妖怪と融合することで、身体と魂そのものを変化させるしかなかった」
「や…やっぱり……わたしの浄化のせいで……」
「消えたくない。
 生き延びて、これからもお前さんと一緒に生きていたい・・・、そう望んだんじゃ!」
 嫦娥の言葉に、凛はガックリと膝をついた。
「わたしが……、千佳の人生を狂わせた……」
 凛はそう呟き、顔を上げ千佳を見つめた。
 荒々しく息を吐き、人間らしさが残っていない、獣と化した千佳の姿を・・・・
「憎いでしょ……わたしが。 いいよ……その爪で、わたしを殺して……」
 全てを諦め、身を投げ出す凛。
 千佳は、そんな凛に容赦なく襲い掛かろうとしていた・・・
「それは、私が許しません!」
 凛とした声と共に、一筋の白い風が間に割って入った。
「お前さんは……!?」
 それは、もう一人の白い妖魔狩人、優里の姿だった。

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 今回はいつもより、かなり長めになっております。ww
引き続き、下のスレ「中編」を御覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 14:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話「千佳の覚醒 -中編-」

「大丈夫かい、凛……!?」
 すぐ後を、金鵄も飛び寄ってきた。
「優里お姉さん……、金鵄……、どうしてここが……?」
「セコが精霊を使って、僕に伝えたんだ。そして僕が優里を連れてきた!」
 金鵄の言葉に、セコが草陰から姿を現す。
「話はある程度、把握いたしました。たしかに千佳さんには同情いたします。でも……だからと言って、凛ちゃん貴方を殺させはいたしません!」
 優里は眼光鋭く、千佳と嫦娥を睨みつける。
「でも……千佳はわたしのせいで……」
「凛ちゃん!」
 優里はそう言う凛を制すると
「貴方の最大の弱点は、その優しさです。 その優しさがある限り、奴らはずっとそこに付け込むでしょう」
 冷静に言い放った。
「・・・・・・」
 凛は黙って項垂れる。
 そんな凛を見て、優里は密やかだが、優しく微笑んだ。
― でも、そんな優しい凛ちゃんだから、私も金鵄さんも、全力で守りたいと思うんだけど…… ―
 優里は再び目線を千佳に戻すと、薙刀を構え、千佳との間合いを測る。
「千佳さんとは、私が戦います!!」
 一気に千佳の間合いへ飛び込んだ!
 獣妖怪としての本能か? 優里の一閃を紙一重でかわし、間合いを開ける千佳。
 そして、口から炎の玉を吐き出した!
 咄嗟に薙刀で炎の玉を切り裂く優里。
 それでも次々に炎の玉を吐き出す、千佳。
 飛び交う炎の玉を、負けじと撃ち落としていく優里。
 そして、隙を見て、一足飛びで間合いを詰めると、薙刀を横払いした。
 微かだが、手応えはあった!
 千佳の胸元に、かすり傷であるものの、明らかに一筋の血が流れている。
 千佳の息が更に荒くなった。
 そして……
「もっと…速く・・・、もっと…速く動かないと・・・・」
 微かだが、そんな呟くような声が聞こえた。
「あ……、千佳の足がさっきより赤く光って……?」
「え? どういう事だい凛……?」
「う…うん、よくわからないけど……、千佳の足の力が増したような……」
 凛が言葉を終える前に、今度は千佳が爪を振りかざし、攻撃を仕掛けた。
 優里に負けない速度で、間合いに入り込む千佳。
 その鋭い爪を振り下ろすが、優里が薙刀で弾き返す。
 それでも、二振り…三振りと、腕を振り回す。
 さすがの優里もその勢いに、数歩引き下がった。
― 少し……動きが速くなった……? ―
 優里は冷静に見定める。
「もっと…っちゃ……。もっと速く動かないと……、攻撃が当たらない…ちゃ……」
 先程よりも、ハッキリとした声が聞こえた。
「更に、千佳の足の力が増している!!?」
 追うように、凛が叫んだ!
「ほぅ……、様子が変わってきているようじゃの……?」
 様子を見ていた嫦娥がそう呟いた時・・・
「コソコソと何をしているのかと思って来てみれば、こういう事か……」
 背後から声が聞こえた。
 そこには、色白で長髪の青年と、褐色で大柄な髭男の姿が。
「白陰……、ムッシュ……! なぜ…お前さんたちがここに!?」
「吾輩が案内したのですよ。どうも最近……マダムの様子が可怪しいのでね」
 ムッシュがそう言いながら、自慢のカイゼル髭を摘み上げる。
「あの娘、妖怪と融合したのか……? 融合の術は条件が揃わなければ成功しない、相当高度な術。 そんな手間隙掛けて、なぜこんな事を……?」
 そう問いかける白陰に対し、嫦娥は目線を千佳たちに戻すと、
「あの娘、消滅して消え去る運命じゃった。だったら…最後に使い道は無いかと、試してみただけじゃよ……」
 そう言い捨てた。
「なるほど、もっともですな!」
 まるで嘲笑うように、ムッシュはまたも、髭を摘み上げた。
 すると・・・・
「懐に入ったぁぁぁぁぁっ!!」
 同時に、嫦娥が叫び声を上げた!!
 見ると、優里の振り払った一撃を避け、その胸元に千佳の鋭い右腕が入り込んでいる!!
 そのまま右腕を突き上げ、優里の胸を貫くっっっ!!?

キンッッッ・・!!
 
 まるで金属が弾けるような音が聞こえた。
 それは、突き上げた鋭い爪・・・右腕は、優里の胸を貫くどころか……、その胸に備え付けられている『鎧』に弾き返されていた。
「す……すごい……」
 凛が、思わず溜息を漏らす。
 優里の戦闘服や鎧。 それらは霊獣麒麟が寿命でこの世を去る前に、自らの霊毛を使って仕立てあげた物。
 一見、軽装だが、その防御力は凛のソレを上回り、特に胸元の鎧部分は、銃弾すら弾き返す強度がある。
「危なかったわ……。 でも、これで勝負あったわね!」
 優里がそう言い放った。
「参ったのぉ……、こりゃ…決まりじゃわい!」
 嫦娥もそう呟いた。
 たしかに、獣化した千佳の動きは、最終的に優里の速さを上回った。
 だが、肝心な攻撃力が通じない。
 すなわち、優里を倒すことはできないということだ。
 それを理解したのか、千佳も肩で息をしながら、攻撃の手を止めた。
「千佳………」
 凛も心配そうに見守る。
「負けない……ちゃ・・」
「えっ!?」
「ウチは絶対に……負けないっちゃ! 絶対にアンタを倒すっ!!」
 誰もが耳を疑った。
 獣人化した千佳が、ハッキリと言葉を・・・、自分の気持ちを言葉で現した!
 見ると、たしかに姿形は獣化したままだが、その瞳は獣の瞳でなく、光を持った人間の瞳・・・。
「優里お姉さん・・・、千佳・・・・」
 なにやら考え事をしていた凛だが、一大決心をしたように口を開いた。


凛の言葉は・・・・・・・?
 ① 優里お姉さん、最後まで千佳と戦って・・・
 ② 千佳、もう勝ち目はないよ。諦めて・・・!

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『-後編-』へ続く。

そのまま、下のスレをご覧ください。

| 妖魔狩人 若三毛凛 if | 14:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話「千佳の覚醒 -後編-」

 ① 優里お姉さん、最後まで千佳と戦って・・・


「優里お姉さん、千佳と最後まで戦ってあげてください!」
 優里に向かってそう叫ぶと、
「千佳……! 最後まで諦めないで! 頑張れっ!!」
 今度は千佳に向かって、応援するように声を掛けた。
「凛・・・!?」
「凛ちゃん……?」
 金鵄も優里も驚いた。
 まさか、あの優しい凛が、こんな戦いを続行させようとするなんて。
「ほら……千佳、わたしの声聞こえるでしょ!? 最後まで…頑張れっ!」
「何を考えているのだ……、あの娘……?」
 白陰も不可思議な表情で眺める。
「凛………?」
 その言葉が届いたのか、肩で息をしていた千佳は、再び体勢を立て直し、優里を睨みつけた。
 そして・・・・

アアアアアアアアアアアアアアアアアアっ・・・・!!

 と、絶叫するように声を張り上げた!
 すると、どうしたことだろう?
 獣人化していた千佳の身体に異変が起き始める。
 全身を覆っていた体毛も、突き出た獣の口元も・・・全て退化するように消えていく。
 その代わり、右腕だけが小刻みに震えだし、やがて…一回り、二回りと大きく変貌していった。
 二回りほど大きくなった右腕は、その指自体も刃物のような爪と化し、まるで灼熱の炎のように赤い。
 いや、その爪先に止まろうとした一匹の蜻蛉が、一気に燃え尽きてしまった。
 そう……実際にその爪は、激しい高熱を放っている。
「なるほどのぉ、素早い動きに必要な分の妖力以外は、、全て右腕一本に集中させたのじゃな……」
 嫦娥のその言葉の通り、赤く逆立った髪はそのままだが、あとは大きく変貌し、武器と化した右腕以外、元の人間の姿に戻っていた。

 そう……体毛も無くなり、産まれたままの、スッポンポンの全裸で・・・・

「きゃぁぁぁぁぁっ!!」
 全裸になった千佳に気づき、凛は悲鳴を上げた。
 優里も思わず、目を覆う。
「うん!?」
 しばし呆然としていた千佳だが、自らのその状況を知り、身を隠すように草陰にうずくまった。
 それを見た嫦娥は、やれやれ・・・と立ち上がり、千佳に向かって歩みだした。
「一応、こんな事もあるかと思って、用意しておいたぞぃ!」
 そう言って、懐から一着の衣類を取り出した。
 出された衣服を、慌てて身につける千佳。
「その衣(ころも)は、火山に住む『火鼠』の毛で編んだもの。強度な防御力に、お前さんの灼熱の爪にも焼き焦がれない、耐久力を持つ」
 嫦娥がそう言い終える頃には、千佳は衣類を身にまとっていた。
 ノースリーブパーカーに、ボンテージパンツ、巻きスカート。配色は赤と黒が基準の、いわゆる人間界で『パンクルック』と呼ばれる類の服であった。
「この国の娘の戦闘服というのは、こういう物なんじゃろう?」
 嫦娥は極当たり前のように、素の表情で言い切る。
 それを聞いた凛は、
― 金鵄にしろ、いったいどこで、そういう誤った情報を仕入れてくるのよ!? ―
 と、ツッコミたいのを抑えていた。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話(2)

「まるで見てくれは、妖魔狩人・・・そのものだな」
 白陰が呆れたように呟いた。
「たしかに・・・・」
 ムッシュも頷く。

「それじゃ……続きを始めるっちゃよ!」
 武器化した右腕を、誇示するように構えると、千佳は優里を睨みつけた。
 それに応じるように、薙刀を構え直す優里。
 千佳は、大きく息を吐き……気持ちを集中させたかと思うと、一気に優里の懐に向かって飛び込んだ!
 素早い動きで薙刀を払う、優里。
 だが、先の戦いで優里のスピードを上回った千佳は、紙一重でソレをかわし、優里の胸元狙って、右腕を突き出した!!

ザクッ!!
 鈍い音が響く!
 優里の鎧は灼熱の爪に切り裂かれ、軟らかい肌からも鮮血が飛び散った!
 そう、ついに千佳の攻撃が、優里を捉えたのだ。
 胸元を抑え、一歩二歩と引き下がる優里。
「優里…お姉さん……」
 さすがの凛も驚きを隠せなかった。
 優里が血を流す姿も、引き下がる姿も、初めて見たからだ。
「こうなってくると、この勝負……逆転もあり得ますな」
 静観を決め込んでいたムッシュが、珍しく真剣な表情で呟いた。
 それを聞いた白陰、すかさず……
「たしかにスピードは千佳という娘が上回っているが、それだけで白い妖魔狩人を抑えられるとは思えんが……?」
 と、反論する。しかしムッシュは・・・
「仰るとおり戦闘経験、技……殆どは、白い妖魔狩人の方が上ですな。しかし、ポイントは…あの『間合い』にある。
 薙刀は、その長い獲物のお陰で間合いが広い。だが反面その長さゆえに、懐に入られると為す術がない。
 一方あの娘は、右腕の爪のみに絞ったため、間合いも狭いが、逆に懐に飛び込んでも、動きが鈍る事はない。
 そうなると、動きの速さが大きな決め手になるというわけですよ」
 と理論的に返した。
 そして、そのムッシュの言葉が正しいように、徐々に千佳が優里を押し始めていた。
 防戦一方の優里だが、千佳の動きは予想以上に速く、更に二撃目を喰らってしまった。
「凛ちゃん、ごめんなさい……」
 突然、優里が凛に語り始めた。
「あの千佳さんっていう子、かなり強いわ。こうなると、本気でやり合わないと、私も危ない……」
 優里の言葉を聞いた凛は、一瞬言葉に詰まったが、
「お姉さん……お願いします、本気でやってください」
と答えた。
 凛の言葉に無言で頷いた優里は、再び薙刀を構えた。
 それは切っ先が水平な状態で、一直線に千佳に向けられている。
「ほぅ……、一発逆転の大技でも繰り出すつもりですかな?」
 ムッシュが興味深そうに、視線を向けた。
 一方…千佳も、そんな気配を感じ取ったのか、まるで間合いを測るように、右腕をまっすぐ伸ばした。
 タイミングを測るように、ゆっくりリズムカルに息を吐く優里。
 そして、その息が止まった瞬間!
 最大限に突き出した薙刀で、千佳に向かって突進した!
 それは今まで以上の閃光のような速さ!
 さすがの千佳もかわすのは不可能と察したか、武器と化した右腕を盾のように突き出し、傷つくのを承知で、薙刀を弾き返した。
 宙に浮く、薙刀!
「もらったっちゃぁぁ!!」
 その瞬間を逃さず、千佳の鋭い灼熱の爪が、優里の喉元を狙った!
「優里っ!!?」
 見ていた金鵄が、悲鳴のような声を上げる。
 千佳の右手の爪は、優里の喉元を貫いて・・・・・
 貫いて・・・・・?
 いや、貫かれる寸前に、その爪を両手で挟み込み動きを封じていた。
 それは、武術で言う……『真剣白刃取り』と同じ形。
「ま…まさか……、アンタ…コレを狙って……!?」
 千佳が驚きの声を漏らす。
「そうよ! 広い間合いが不利ならば、いっそ獲物を捨て、間合いを縮めてしまえばいいだけ!」
 優里はそう言って、不敵に微笑んだ。
 だが、喜んでばかりはいられない。
 千佳の爪は、蜻蛉を一瞬で焼き払うほどの高熱を放っている。
 その爪を素手で押さえ込んでいる優里の手からは、肉の焼けるような匂いが立ち込める。
「くっ……!」
 優里の額に汗が滲む。
 だが優里は、その腕を捻るように身体を回転させると、その反動を利用し、千佳を倒れこませた。
 そして、両足で右腕の付け根を挟み込みながら、腕を引き伸ばす。
「あ・いてててててて・・・・・・っ!!」
 千佳が絶叫を上げた。
 それは、プロレスでもよく見られる、本来は柔術の技・・『腕ひしぎ十字固め』
 実戦型武術を習っていた優里は、獲物を失った時でも身を守れるように、ある程度の柔術の技も極めていた。
 一見、そんな技で・・・? と思われるだろうが、真に関節技を決められた時の痛みは相当なものである。
 妖怪と融合したことで筋力も上昇している、物理ダメージを軽減する戦闘服を着ていてる。
 それでも、関節を捻られる痛み……骨をへし折られるような痛みをやわらげる事はできない。
 優里のように武術の達人から決められたなら、一般人では二秒と我慢できないだろう。
「ぐぅっっ・・・」
 それでも千佳は必死に耐える。額には玉のような汗が吹き出していた。
「千佳・・・・」
 凛も静かに見守るしかない。
 既に二分程経過し、もう…痛みを通り越して、意識が遠のきそうになる。
「参った・・・・」
 ついに、千佳が負けを認めた。
 思わぬ幕切れに、呆然とする……白陰、ムッシュ。
「優里お姉さーん……千佳ーっ……!」
 凛が二人の元へ駆け寄ってきた。
「お姉さん…大丈夫!? 怪我は……!?」
「う……ん、ちょっと…手、火傷しちゃったみたい……」
 優里の両手は焼けただれ、所々…皮も剥げ、肉が見えている。
「わたしが……わたしが、大変な事をお願いしたばかりに……」
「気にしないで、凛ちゃん。これくらい本当に平気だから」
 そう言って微笑む優里だが、額には玉のような汗がいっぱいである。
「凛……ウチ……」
 そんな二人に千佳が割って入った。
 すると凛は、千佳の肩を優しく抱きしめ
「おかえり、千佳・・・」
 と微笑んだ。
「怒らないっちゃか…?」
「なんで怒るの? こうして千佳が無事に帰ってきてくれたじゃない」
「いや…だって、ウチは化け物になったし……、それに凛も、そして隣のお姉さんも、殺そうとしたったよ!?」
 そう言う千佳に、優里が反応した。
「でも、戦いの後半……、特に最後の手刀は本気でなかったでしょ?」
「え……!?」
「キレが甘かったから……。人間の心を取り戻して、手加減してくれたの、わかったわよ」
 優里の言葉に、千佳は素知らぬ顔で頷いた。
「千佳……!」
 そんな千佳に凛が声を掛けた。
「ん……?」
「これからも、ずっと一緒にいようね!」
 その言葉に千佳は、灼熱の髪に負けないくらい赤面し、しばし…目も合わせられなかったが、やがて恥ずかしそうに上目遣いで見つめると、こう返した。
「ありがとう・・・」
 その様子を見ていた金鵄は、内心驚きを隠せなかった。
― まさか凛……、君は彼女が人間の心を取り戻せると信じて、戦いを煽ったのかい……!? ―

「フン……! とんだ、茶番だ……」
 黙って様子を眺めていた白陰は、そう叫ぶと懐から瓢箪を取り出した。
「どうするおつもりですかな?」
 ムッシュが問い返す。
「一番手ごわい白い妖魔狩人が負傷している…今! 黙って見過ごす気は無い!」
 そう言って、瓢箪の栓を抜いた。
 立ち込める白煙の中から、十数の人影らしきものが見える。
 それは山精。中国河北省に伝わる妖怪。
 身長一尺ほどの一本足で、角が無い鬼の姿をしている。
「妖魔狩人を殺してこい!」
 白陰は、単刀直入に命じた。
 十数匹の山精が、凛や千佳たちに向かっていく。
 いち早く気づいた優里、直ぐ様迎え撃とうとするが・・・
「く…っ!!」
 酷い火傷の両手では、薙刀を握ることすら出来ない。
「その怪我はウチのせいっちゃ。 だから、ここはウチにまかせてや!」
 そう言って立ち上がった、千佳。
「私も一緒に戦うから、優里お姉さんは休んでいて!」
 凛もそう言って弓を構えた。

妖魔狩人 若三毛凛 if 第14話(3)

 千佳は、襲い来る十数匹の山精の集団に、真正面から飛び込むと、一匹目の山精を、その鋭い右腕の爪で貫く!
 更に二匹目の攻撃をかわして、爪で横払いに切り裂いた。
「高嶺さんに比べれば、スピード、防御力……、てんで雑魚っちゃ!!」
 千佳は次々に山精を撃退していった。
 だが、一瞬の油断か!? 背後から迫る一匹の山精に気づかない。
「やばっ……!?」
 千佳が気づいた時には、山精の鋭い爪が眼前に迫っていた。
 その時、山精が青白い光の粒子と化して、蒸発するように消えてなくなる。
 振り返ると、矢を放った体勢の凛が、微笑んでいた。
「凛、ありがと!!」
「千佳、貴方の後ろは、わたしが守るよ!」
 凛はそう言って、次々に援護の矢を放つ。
「さすが、幼なじみ……、初めての共闘なのに、いい連携ね」
 優里は、安心しきった笑顔で呟いた。
 次々に山精を撃退していく、千佳と凛。
 もはや、凛と千佳の勝利は明らかであった。
「バカな……、山精の戦闘力は、妖怪化した人間より上なんだぞ……!?」
 白陰は、信じられないといった表情で眺めていた。
「あの二人の連携攻撃は、それを上回っている。簡単な数学ですな」
 ムッシュは鼻で笑うように答えてやった。
「ところで・・・・」
 いきなり口調と表情を変えると、囁くように嫦娥に話しかける。
「吾輩、レーヌ(女王)妖木妃とは、直にお会いしたことがないので事の真意はわかりませぬが、マダムは本当にレーヌに忠誠を誓っておられるのかな?」
「どういう意味じゃ?」
「いや…いや、深い意味は無い。ただ…何か思うことがあるのではないかと、思いましてな!」
「くだらん……」
 嫦娥はそれ以上、答えなかった。
 それで満足したのか? ムッシュは不敵に微笑むと、
「十分楽しませて頂いたので、吾輩……ここいらで失礼する。オ・ルヴォワール!」
 と言って去っていった。
「ちっ……、こちらも一旦引き上げよう……」
 全ての山精が倒されたのを見届けると、まるで苦虫を百匹程噛み砕いたような顔をして、白陰もその場を去った。
 嫦娥もそれに続いた。

― 凛、不思議な子だ。彼女の本当の強さは、霊力とかでなく……、友や知人を思いやる心にあるのでは……? ―
 いくつか訪ねたい事もあるが、あえてこの場は、抑えていた。

 三人と一匹と一羽になった平原。
 そこから少し離れた森の中から、一つの人影が潜んでいた。
「これで、『赤い妖魔狩人』も加わったわけね・・・・」
 そう言って、踵を返したその後姿は、『青い衣』を身につけていた。


 第15話に続く

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第14話 あとがき

こんにちわ

ちょっとリアルで思いっきり凹む出来事があり、すべてのやる気を失いつつも、唯一の楽しみであるサイト更新でもするか・・・てな感じで、第14話を公開した るりょうりに です・・orz



ま、それは置いておいて・・・・(´д`;


※これから先は、14話のネタバレ内容です。


まずは、第14話ご覧頂き、ありがとうございます! m(_ _)m




最初に、正規ルートでは、ついに千佳が仲間入りいたしました!

元々、千佳というキャラは、妖魔狩人にする予定ではなかったんです。
本来は、ゲーム作成で予定していた当作品で、一モブキャラである友人が、ある日妖怪化し、凛をクリーム化させ、シュークリームにして食べるというイベントの為に作られたキャラでした。
その内容は第5話で登場しましたが、その為…名前も外見も、いかにも『モブキャラ』ってぽく作ったんです。

ところが、よく覚えていないのですが、5話を公開した辺りで、「千佳って、そのまま仲間になるかと思っていました」というお話を聞いたんですね。

「あ……それ、いいかも!」

これが、千佳が妖魔狩人として仲間になる構想のきっかけでした♪

その当時、妖魔狩人にする予定だったのは、凛と優里の二人だけでしたので、千佳の再設定が始まりました。
元々妖魔狩人は、『ふたりは◯リキュア』のように二人だけで、そのためカラーリングも『黒』と『白』で設定してました。
では、千佳は何色にしよう?
そして、凛が弓による後方支援&トドメ。優里が薙刀による前衛攻撃という中で、千佳はどのタイプに当てはめる?

そこで思いついたのが、電光石火のように素早い動きで戦う、近接戦闘要員。
攻撃的キャラになるので、赤をカラーリング。 意外と早く決めましたwww

武器である右腕は、素早い動きということで、昔プレイしていたゲーム『RO』のアサシン風のカタールでいくか!
って思っていたのですが、あの武器はインドの武器。
それじゃ…イメージが違うなぁ~と、手甲に爪の付いた武器でいくか!
色々模索した結果、自らの爪が武器というデザインがカッコ良く描けたので、そういう形にしました。

デザイン決定後、これって……『ぬ~べ~』じゃね? …と、後から気づいたのですが、まぁ…いいや!www

ちなみに、デザインを描いている最中は、『ぬ~べ~』の事はまるで頭に無く、どちらかというと『禁書』の『上条さん』をイメージしてまいしたwww

他にも再設定しなおした性格とか色々あるのですが、それはまた後日。

こうして、『赤い妖魔狩人 千佳』の登場となったわけです。


優里は凛を実の妹のように可愛がり、守りぬくと誓っているキャラ。

千佳は、百合属性からくる凛への(ちょっと壊れかけている)愛から、やはり守りぬくと決めたキャラ。

今後、凛にとって頼もしいフォローキャラになると思いますwww


バッド・エンド

今回、個人的に一番楽しんだのが、こちらですww

もちろん、正規ルートも非常に重要なポイントで、千佳の仲間入りはなによりも楽しみにしてました。

それだけに、実はプロット制作直前までバッド・エンドルートの展開がまるで頭にありませんでした。

敵を誰にするか? どんなバッド・エンドにするか?
分岐ポイントは、どこにするか?

まるで構想に無く、皆さんから頂いたバッド・エンドネタを再度見直し、それから構想を練ようとしても、なんか今回の話に合うのがない。

結局、こんな時のための『ムッシュ』www

ムッシュの血で、更に変貌した千佳に対し、為す術もなく敗北する凛。
それを調理して食べてしまおうという案に決めつつありました。

でも、どんな料理にしよう?
平面化からの料理は前回やったので、連続してやりたくは無い。
ならば、軟らかくこね回してから、お好み焼きとか…パンケーキ風でいくか!?

では、凛が軟らかくなってしまう理由・・・?


ここからです!
まるで、神でも降ってきたように、色々ネタが浮かんだのは・・・!!w

千佳はムッシュの血で更に変貌するが、短期間で多数の変化があり過ぎたため、細胞構成が狂い、原型を維持できなくなるくらいにグニャグニャのゼル状になってしまう。
その体液を浴びた凛も、グニャグニャになってしまい、料理の材料になる!

いや、待てっ!!?

体型を維持できない液状化した千佳だが、そこから再構成が行われ、別妖怪になる!?

ムッシュの血を飲んで最終変化したわけだから、ムッシュっぽい妖怪?

そうだ、千佳はお菓子作りが得意だった! だからパテシエ妖怪!!

パテシエは男性の菓子職人だから、パティシエール!  そう……パティシエール・サイトー!!!!

パティシエール対ムッシュの菓子対決!!!

もう、マジで興奮しましたwwww

それからは、どんなお菓子にするか?

フランスの菓子を色々検索して調べ、ローティーンの凛は、シンプルで素朴な味がいいな・・・
ハイティーンで完璧超人の優里は、出来る限り高貴は菓子がいい。

こうして見つけたのが、白い食べ物と呼ばれたブランマンジェ。
コレ、本当に大昔は肉や魚を煮込んで作っていたそうです。
肉を使って複雑な味わいで、しかも見た目が高貴っぽくて白い。まさに優里向け!

もう一つは、ガレット・ペルージェン。
素朴な調理方法だけど、シンプルで調理の仕方次第では、クリーミーな味わい。これは凛向け!

こうして、調理人妖怪同士の菓子対決という運びになりました♪

お陰で、正規ルート。バッド・エンドルート。
どちらも、詰め込んだ内容となり、本当に長くなってしまいましたwww

パティシエールのキャラも、物凄くセリフが作りやすく、たった一話だけのキャラで終わらせるのは勿体無いキャラでした。

でも、正規ルートでは、千佳が妖魔狩人として覚醒したため、現状においてはパティシエールの再登場はありません。

ホント、楽しく掛けた・・・第14話でした。


次の第15話は、新たに妖魔狩人になった千佳と、凛の活躍がメインです。

バッド・エンドは、現在『赤子化』を予定してます。
赤子化は、みら!エンでも書いた事のないシチュエーション。

マジで初体験になりますが、思いっきり恥辱敵な赤子化が書ければと思っております。


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リンク報告!


本日、じょーすけ様の新規サイト、 「Gクルス!!」をリンクしております。

このサイト、じょーすけ様が今まで描いてこられた イラストやコミック、動画など・・・
過去の作品を一挙公開した、集合サイトです。

他にもパチンコ情報などもあるようです。(俺っちは、パチンコしないのでよくわからないのですがw)

元々、じょーすけ様が描かれた「博麗霊夢のラーメンマンのアレ」を見た時、それが物凄くツボにハマり、以来ファンとなっていたのですが、こうして集合サイトを公開したことは、本当に嬉しい事です♪

今後も楽しみなサイトです♪



では、本日はここまで。


今日も閲覧頂き、本当にありがとうございました!

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