2017.07.05 Wed
ターディグラダ・ガール 第五話「誰も見ることのできなかった戦い」 三章
「あら…あら~っ! ラビス様、負けちゃったわねぇ~。」
そんなミオとラビスの決着を、少し離れた場所から眺めていたる一人の若い女性がいた。
「まぁ、アタシも黒祥紫亜(シア)に負けちゃったから、大きな事……言えないんだけどぉ~。」
その…のんびりと間延びした口調の主は、ラビスの部下であり、ロボット工学の超天才とも呼ばれた元女子大生……茶和レイカであった。
「どっちにしろぉ、これでラビス様の組織も崩壊~っ。以前やらかした……生体実験のせいで大学にも戻れないしぃ、明日からまた、一人で研究できるようにしていかなきゃ、いけないわねぇ~っ。」
肩を落とし、大きく溜息をついたレイカは、そう言ってその場から踵を返そうとした。
すると……。
「あいにくだが、一人きりというわけでは無い……」
低く重い声が、身体の内側から響くように耳に入ってきた。
「あら? なにかしら……今の声は?」
辺りを見渡すレイカ。だが、ラビスたちの戦いを見物に来た人々が疎らに集まってはいるものの、今の声を発したと思われる者の姿は見当たらない。
「う~ん……。気のせいだったのかしら~ぁ?」
そう思い直し、再び歩を進めようとすると、
「いいえ、気のせいではございませんわ!」
今度は、やや高めでハッキリとした口調の声が、背後から間違いなく聞こえてきた。
振り返り、声の主を確認するレイカ。
そこに立っていたのは、年の頃……30歳代前半に見える女性で、まるで柳の木のようにスラリとした細めの長身。短い髪で青白い……肌。いや、正確には淡藤色の肌というべきなのだろうか。鋭く尖った耳に、輝くような赤い瞳。それはあたかも人間のようで、人間ではなさそうな。そんな謎めいた雰囲気を放っている女性であった。
その女性はその場に跪くと、
「これから先の貴女様には、このアタクシと、そして……偉大なあの御方が、常に一緒におられますわ。」と話掛けてきた。
「貴女と偉大なぁ……? なんだかよく解かんないけどぉ、そう言う貴女は誰かしらぁ~っ?」
「申し遅れました。アタクシの名は『ミンスー』。ラビス様に……いえ、もう隠す必要もありませんね。『マアラ様』に陰ながらお仕えしていた魔族でございます。」
「マアラ……様?」
「はい! 今、貴女の体内にいらっしゃる偉大な御方です!」
「えぇぇ――っつ!? アタシの体内にぃ~っ!? いつからぁ?」
「つい先程……。ラビスが神楽ミオの術によって、封印される直前です!」
ミンスーのその言葉にレイカは口を止め、静かにその時の様子を思い浮かべてみる。
「どうです? 思い出されましたか?」
「そう言えばぁ、ラビス様が石の箱になる寸前……。なんか黒い影が、アタシに向かって……飛んで来たようなぁ、そんな気はしたけどぉ~っ。」
「その黒い影が、マアラ様です! それまでラビスにとり憑いていたマアラ様が、貴女様の身体に乗り移ったのです!」
「ふ~ん……。それでぇ、そのマアラ様って……何なのぉ~っ?」
「一言で言えば、マアラ様は一人の魔族……。いえ、今現在は、その魔族の魂と言うべきでしょうか?」
「魔族の……魂?」
「はい。魔界におられた頃のマアラ様は、大変気高く向上心の強い御方。そして、その魔力は、魔界の四大実力者をも追い越しているとも言われておりました。遥か昔、ワタクシもそのお力を魔界で拝見したことがございましたが、今思い出しても背筋が寒くなるほどの強さでした。」
「へぇ~っ!」
「それだけの実力と向上心を持っているマアラ様を、四大実力者は危惧しておりました。そこで、魔界総がかりでマアラ様を拘束して、その肉体と魂を切り離し……、魂だけを地上界に追放したのです!」
「ふ~ん、映画みたいで面白いけど……ある意味、迷惑な話ねぇ~っ♪」
「地上界に追放されたマアラ様の魂は、時代を超え……それぞれの時代の魔力の高い人間にとり憑いていました。身体を使わせてもらう代償として、更なる魔力の高みと魔界の知識を分け与える事を条件に。」
「それで、ラビス様に憑いていたわけねぇ~っ! でも……なぜアタシに? アタシは、まるっきり魔力なんて持ち合わせていないわよぉ~!」
「それは、余がそなたの知識と技術を気に入ったからだ……」
再び低く重い声が、レイカの体内から響き渡る。
「こ……この声は、マアラ様……!?」
まるで予測していなかったのか? あまりに唐突な主の乱入に、ミンスーは慌てふためいていた。
「あらあら……、やっぱりさっきの声は、そのマアラ様だったのねぇ~♪」
ミンスーとは対照的に、落ち着いているどころか物珍しげに、表情をほころばせるレイカ。
「ほぅ? そなたは、余が体内に居着いていても、心を乱さぬのだな?」
「ん~~っ……。だって、エイリ○ンみたいに、体内から食い尽くすわけじゃ…ないんでしょ~ぉ? だったら、別に問題ないしぃーっ!」
「やはり、そなたは……余が今まで憑いてきた人間とは、少し違うようだ。ラビスの中から見ていたが、並の人間には無い非情さも持ち合わせているようであったしな。」
「アタシは自分さえ楽しく生きれれば、それでいいのよぉ~っ♪」
「し、しかし……マアラ様。この者に憑いたのは、知識と技術が目的と仰っておりましたが?」
やや落ち着きを取り戻したのか、ミンスーは別方向に流れた会話を軌道修正し始めた。
「今現在、自分の肉体を持たぬ余が、自身の魔力を制御できる新たな肉体を探しているのは、そなたも存じておるな?」
「は、はい……。しかし人間の身体では、マアラ様の有り余る魔力に持ちこたえることができないため、魔界に残されている本来の肉体を取り戻すと仰っていたことも……。」
「そうだ。人間としては……高い魔力耐性を持っていたラビスですらも、余の本来の力には到底耐えきれそうになかった。そこで余が考えたのは、このレイカの持つ技術で、全く新しい身体を作れないか?ということだ。」
「マアラ様、この者の技術は……機械と呼ばれる無機質の造形。生物のような柔軟性や適応力はありません。お止めになられた方が良いかと……!?」
マアラと名乗る声の主による、斜め上の発想。そんなことを、まるで予期できぬミンスーは、またしても動揺の色を隠せない。
「レイカよ。お主の技術……それだけでは、あるまい?」
物静かだが、却ってそれが威圧感を与える。だが、それでもレイカは……
「当然~っ!舐めてもらっては困るわぁ~っ♪ ロボットだけが、アタシの技術じゃないのよぉ~っ。サイボーグ……、すなわち改造生物。または、有機物を使った……新型のバイオ生物でも、アタシの許容範囲なんだからぁ~っ♪」と、まったく動じない態度で返してくる。
「うむ。その技術……余のために使ってみせよ。」
「別に構わないけどぉ、一つだけ聞かせて?」
そう言うと、にこやかな笑顔にしか見えない独特の糸目が薄っすらと開き、氷のように冷えた瞳孔が、自身の身体を見下ろした。そして……
「魔界では恐れられていたようだけどぉ、あなたの目的は何なのぉ? アタシが力を貸すのは、ソレ……次第ねぇ~っ!」と、問い返したのだ。
――な……なんなのよ、この人間……? 魔力も……戦闘力も無いくせに、なぜ…こんな強気な態度でいられるの……!?―
レイカの一歩も引かないその態度に、傍から見ているミンスーの方が恐れ多くて、気が気でない。
「余が狙うは、全界支配!!」
先程までよりも、更に低く……重みのある声が、レイカの体内から響き渡った。
「全界……支配…!?」
「そう。魔界、地上界、冥界……、そして天界! 全界全ての支配を創造主から奪い取り、我が手で統べる。それが、余の目的だ!」
「そしたらアタシも、No,1になれるってことかしらぁ~?」
「当然だ。」
それを聞いたレイカの口から、白い歯が見える。
「いいわぁ~っ! 今のアタシは~、あなたと文字通り一心同体! したがって、あなたの野望はぁ、アタシの野望ぉ~っ! アタシの野望は、あなたの野望ぉ~っ!! アタシの技術は全てぇ、あなたに使わせる~っ♪」
「うむ。代わりに余の魔力も全て、お主の力として使うが良い!」
そう声が響き渡ると、レイカの身体から黒いオーラが湧き上がり始めた。それは、魔力に精通する者や、霊感を持った者なら嫌でもわかる、強大な闇のオーラ。
それを見ただけで、ミンスーは恐怖におののき、ガタガタと震え上がっていた。
「そう言うわけでぇ~、ミンスーって言ったかしらぁ? あなた……今からアタシの下僕として働くのよぉ~っ♪」
もともと温和な顔の作りであるレイカ。今もそう言って、にこやかな笑顔を見せたが、ミンスーにとっては、どんな魔族よりも……恐ろしい表情にしか見えなかった。
それから約10ヶ月程の月日が経った……ある真夏の日。
それは、神田川県民にとって、忘れられない大きな災厄の日。
そして、レイカにとっても野望を前進させる、大きな兆しとなる日であった。
丘福市を中心に、地震や地割れ。津波に暴風などの嵐。更に、所によっては季節外れの猛吹雪。また、それらによってもたらされた都市の大火災。
それだけではなく、街には死人を始めとする、魑魅魍魎といった不可思議な生物が闊歩し、人々を襲う。
それらは全て、原因がまったく不明の大災害であった。人々はこれを『丘福大災害』と呼んだ。
「原因不明……? 愚かな人間共は、蘇った古(いにしえ)の『精霊の支配者』の存在を、まるで気づきもしませんでしたね。」
丘福大災害の日より更に10日程経ち、やっと人々の心も落ち着きを取り戻し始めた頃、その災害で崩れかけた『丘福市立博物館』で、ミンスーが嘲笑うかのように語りだした。
「まぁ……っ、普通~気づかないと思うわよぉーっ! そんな非科学的な現象。常識に囚われた人たちには、夢にも思わないわよぉ♪」
そう返すレイカは、館内のあちこちに、実験や研究のための機材を備え付けていた。
「それにしても、さすがは~光の天女…神楽巫緒ねぇーっ! たった一晩で、その精霊の支配者さんを倒してしまうなんてぇ~っ♪」
レイカは、まるで自分の友人が活躍したかのように、口元を緩ませている。
「ところで……マスター・レイカ。差し支えなければ、空いている部屋を一つお借りしても、よろしいでしょうか?」
手際よく機材を備えているレイカに向かって、ミンスーは申し訳なさそうに話を切り替えた。
「うん? 別にいいわよぉ~。ちなみに、何に使うのかしらぁ~っ?」
「はい。アタクシのコレクション製作、保管室として使わせていただこうと思っております。」
「コレクション……製作? ああーっ! たしか、生身の女の子のメダル化だったわね~ぇ! いいんじゃな~い!」
「ありがとうございます。では、さっそく女の子たちを部屋に連れて行きます。」
「あらあら! もう、捕獲しているのぉ~?」
「ええ、先程出かけたときに、大学受験予備校の生徒たちを、送迎バス毎……拉致してきたので。」
ミンスーはそう言って一旦館外へ出ていくと、ほんの数分で、十人前後の女生徒を引き連れ戻ってきた。ちなみに、一緒に乗っていたと思われる2~3人の男子生徒と、中年男性の運転手は、とっくに刺殺しているようだ。
館内の一階にある、古代生物展示コーナー。割と広めのこの室内に、ミンスーは魔力で檻を作ると、連れてきた女生徒たちをその中に押し込んでいく。だが、
「貴女は、ここに残りなさい。」と、一人だけ手を掴み、その場に残した。
それは、ストレートロングの髪に、白地にグレーの翁格子柄カチューシャ。小顔でクリクリとした大きな目。襟も真っ白なセーラー服に淡い青色のスカート。
一言でいうなれば、清楚な女生徒といった雰囲気をもった少女だ。
「貴女、この中では一番気立てが良さそうね。それも今時の女性とにしては、珍しいと言ってもいいくらいの。そこで、まずは貴女からアタクシのコレクションに加えていくとしますわ!」
「コ……コレクション……? あ、あの……、お願いですから、家に帰していただけませんか…?」
女生徒は、目にいっぱいの涙を溜め、震えながらそう返した。
「悪いけど、帰すわけにはいきませんわ。それより、コレクションにするためには、その品物の情報を細かく知る必要がありますの。
まずは、アタクシの目をよく見つめてくださいね!」
ミンスーはそう言って、女生徒の目と鼻の先まで自身の顔を近づける。怯える女生徒は、ミンスーに言われるまでもなく、眼前に迫ったその目を、ジッと見つめる他なかった。
すると、どうしたことだろう?
ミンスーの目を見つめていた女生徒の瞳は、上下左右にゆっくりと動き出すと、やがてぐるぐると回り出していった。
それだけでなく口端から涎が零れはじめ、まるで全身の力が抜けきったように両手をダランと下げ、上半身は風に煽られる草花のように、ユラユラと揺らめいている。
それはミンスーの魔術の一つでもある、魅了(チャーム)の魔法。簡単に言えば、催眠術みたいなものだ。
「まずは、貴女のお名前から聞かせてくれる?」
ミンスーはぐるぐると目を回し、すっかり惚けてしまった女生徒に質問を始めた。
「名前は、一之瀬美桜(みさ)です。」
「一ノ瀬……美桜ちゃん!? 見た目に合った可愛い名前ね。では、美桜ちゃんの年齢や身長体重、学校名から成績、趣味……。すべてを話すのよ!」
「歳は1月生まれの16歳。県立霞ヶ丘高校二年生です。身長は158㎝、体重は42㎏……、音楽が好きで、吹奏楽をやっています。」
ミンスーの聞かれるままに、自身の情報を次々に話す美桜。その中には他人には決して言いたくないであろうプライベートな内容まで、包み隠さず話していた。
檻の中から見ている他の女生徒からは、それは異様な光景だったに違いない。
「霞ヶ丘高校……。たしかこの地では、割と学力が高い学校でしたわね。そして、同じ部活の先輩に憧れていて、性体験はおろか……口づけすら未経験ということね!」
ミンスーはそこまで聞くと、嬉しそうに歯を剥きだして笑った。
「見た目だけでなく、内面まで今時珍しい娘だわ! 貴女、プラチナ(白金)メダル……決定よ!」
ミンスーはそう言うと、懐から小袋を取り出し、中に入っている白い粉を美桜の全身に振りかけた。
それは魔界ではよく知られる、『フニャフニャパウダー』と呼ばれる魔法の粉。振りかけられた者は、骨も肉も全て粘土のように柔らかくなってしまう。
次にミンスーは、二枚の小さなコインのような物を取り出す。それを指先で、ピンッ!と弾き上げると、それは直径40㎝ほどの金属製の盆のような形へと変化した。
その二枚の盆のような物を、一枚は立っている美桜の足の下に。もう一枚は彼女の頭上で、互いの面が並行になるように移動させる。
「製作開始!」
ミンスーの合図とともに、美桜の頭上にある盆が、ゆっくりと降下を始める。
ゆっくり……ゆっくり……降下する盆は、フニャフニャパウダーによって粘土のように柔らかくなった美桜の身体を、ジワジワと圧し潰していく。
「きゃぁぁぁぁっ!! やめてぇぇっ!!」
その悲鳴は、潰されている美桜本人ではなく、檻の中から様子を見つめていた女生徒たちのもの。
なぜなら、今……彼女たちの眼前では、一人の少女が無残にも圧し潰されている最中なのだ。中には、悲鳴すら上げられず、そのまま失神してしまった女生徒もいる。
しかし、当の美桜はと言うと……、
「あ、ふにゅ……、気持ち……うにゅ……」
まるで何を言っているのか解らないが、ただ言えることは、それは苦痛による声ではなく、むしろ快楽に溺れる声と言った感じのものである。
「フニャフニャパウダーには痛覚を麻痺させ、愉悦を感じさせる効果があるのよ。今、美桜ちゃんの心は、天にも昇るようなエクスタシーを感じているはずだわ!」
そうこう言っているうちに、二枚の盆は重ね合わさる寸前の所まで来ていた。
そしてついに、ガツッ――ン!!といった衝撃音とともに、二枚の盆は、ピッタリと重ね合わさったのだ!
「あぁ……っ…」
それを見た半数以上の女生徒たちは、バタバタと気を失って倒れていく。
「さてと、出来栄えはどうかしら~♪」
ミンスーは重なり合った盆を手に取ると、嬉しそうにそのうちの一枚を、ゆっくりと引き離し始める。
ベリベリッ!と上側の盆が引き剥がされると、そこにはクルクルと目を回したまま、凸凹の無い……ペッタンコになった美桜の顔が現れる。
更にもう一枚の盆を引き剥がすと、美桜の顔をした円盤状の物体が手元に残った。
「ウゥ~~ン♪ なかなか、いいメダルになったじゃなぁ~い♪」
ミンスーの言葉の通り、その円盤状の物体は、真ん丸のメダルとなった美桜そのものであった。
表側は中心に美桜の顔があり、その周りにセーラー服の襟元やスカートの一部らしきものが、模様のように残っている。そして裏面は、美桜が履いていた……ローファーの底から、紺のハイソックスと肌色の太腿だったものが、円形模様のように残っている。その周りにはスカートの裏地があり、中央にはそれと太腿に挟まれた白地模様が。
そんな裏面を眺めると、
「あら……この子。今時の子には珍しく、スパッツも短パンも履かないで、そのまま下着を着けていたのね~ぇ♪」
鼻を近づけ、クンクンとその匂いを嗅ぎだした。
「ハァ~ッ! 鼻にツーンとくる……処女の香り~っ♪」
まるで茫然自失となったかのように、ミンスーはしばらくの間、その匂いの余韻を不気味な笑みを浮かべながら楽しんでいた。
そして余韻から立ち直ると、少々名残惜しいように首を傾げていたが、やがて決心したかのように、新たな魔法を美桜に掛け始めた。
それは、ある種のコーティング魔法。円盤状になった美桜は、端から徐々に、眩い光沢の白色へと変化していく。
「嗚呼ぁ~ン! なんて、素敵なプラチナメダルなのかしらぁ~~っ♪」
今にも踊りだしそうな勢いで白色の円盤を掲げ、喜びの声を上げるミンスー。
彼女の言う通り掲げられた白色の円盤は、それは見事な白金(プラチナ)メダルと化した、美桜であった!
ちなみに、その光景を見つめていた残りの女生徒たちは、明日の我が身と思い知ったのだろう。皆、その場にバタバタと崩れるように倒れていく。中にはスカートの端から、ホカホカの湯気を立ち昇らせている子も、数名いたようだ。
そんなミオとラビスの決着を、少し離れた場所から眺めていたる一人の若い女性がいた。
「まぁ、アタシも黒祥紫亜(シア)に負けちゃったから、大きな事……言えないんだけどぉ~。」
その…のんびりと間延びした口調の主は、ラビスの部下であり、ロボット工学の超天才とも呼ばれた元女子大生……茶和レイカであった。
「どっちにしろぉ、これでラビス様の組織も崩壊~っ。以前やらかした……生体実験のせいで大学にも戻れないしぃ、明日からまた、一人で研究できるようにしていかなきゃ、いけないわねぇ~っ。」
肩を落とし、大きく溜息をついたレイカは、そう言ってその場から踵を返そうとした。
すると……。
「あいにくだが、一人きりというわけでは無い……」
低く重い声が、身体の内側から響くように耳に入ってきた。
「あら? なにかしら……今の声は?」
辺りを見渡すレイカ。だが、ラビスたちの戦いを見物に来た人々が疎らに集まってはいるものの、今の声を発したと思われる者の姿は見当たらない。
「う~ん……。気のせいだったのかしら~ぁ?」
そう思い直し、再び歩を進めようとすると、
「いいえ、気のせいではございませんわ!」
今度は、やや高めでハッキリとした口調の声が、背後から間違いなく聞こえてきた。
振り返り、声の主を確認するレイカ。
そこに立っていたのは、年の頃……30歳代前半に見える女性で、まるで柳の木のようにスラリとした細めの長身。短い髪で青白い……肌。いや、正確には淡藤色の肌というべきなのだろうか。鋭く尖った耳に、輝くような赤い瞳。それはあたかも人間のようで、人間ではなさそうな。そんな謎めいた雰囲気を放っている女性であった。
その女性はその場に跪くと、
「これから先の貴女様には、このアタクシと、そして……偉大なあの御方が、常に一緒におられますわ。」と話掛けてきた。
「貴女と偉大なぁ……? なんだかよく解かんないけどぉ、そう言う貴女は誰かしらぁ~っ?」
「申し遅れました。アタクシの名は『ミンスー』。ラビス様に……いえ、もう隠す必要もありませんね。『マアラ様』に陰ながらお仕えしていた魔族でございます。」
「マアラ……様?」
「はい! 今、貴女の体内にいらっしゃる偉大な御方です!」
「えぇぇ――っつ!? アタシの体内にぃ~っ!? いつからぁ?」
「つい先程……。ラビスが神楽ミオの術によって、封印される直前です!」
ミンスーのその言葉にレイカは口を止め、静かにその時の様子を思い浮かべてみる。
「どうです? 思い出されましたか?」
「そう言えばぁ、ラビス様が石の箱になる寸前……。なんか黒い影が、アタシに向かって……飛んで来たようなぁ、そんな気はしたけどぉ~っ。」
「その黒い影が、マアラ様です! それまでラビスにとり憑いていたマアラ様が、貴女様の身体に乗り移ったのです!」
「ふ~ん……。それでぇ、そのマアラ様って……何なのぉ~っ?」
「一言で言えば、マアラ様は一人の魔族……。いえ、今現在は、その魔族の魂と言うべきでしょうか?」
「魔族の……魂?」
「はい。魔界におられた頃のマアラ様は、大変気高く向上心の強い御方。そして、その魔力は、魔界の四大実力者をも追い越しているとも言われておりました。遥か昔、ワタクシもそのお力を魔界で拝見したことがございましたが、今思い出しても背筋が寒くなるほどの強さでした。」
「へぇ~っ!」
「それだけの実力と向上心を持っているマアラ様を、四大実力者は危惧しておりました。そこで、魔界総がかりでマアラ様を拘束して、その肉体と魂を切り離し……、魂だけを地上界に追放したのです!」
「ふ~ん、映画みたいで面白いけど……ある意味、迷惑な話ねぇ~っ♪」
「地上界に追放されたマアラ様の魂は、時代を超え……それぞれの時代の魔力の高い人間にとり憑いていました。身体を使わせてもらう代償として、更なる魔力の高みと魔界の知識を分け与える事を条件に。」
「それで、ラビス様に憑いていたわけねぇ~っ! でも……なぜアタシに? アタシは、まるっきり魔力なんて持ち合わせていないわよぉ~!」
「それは、余がそなたの知識と技術を気に入ったからだ……」
再び低く重い声が、レイカの体内から響き渡る。
「こ……この声は、マアラ様……!?」
まるで予測していなかったのか? あまりに唐突な主の乱入に、ミンスーは慌てふためいていた。
「あらあら……、やっぱりさっきの声は、そのマアラ様だったのねぇ~♪」
ミンスーとは対照的に、落ち着いているどころか物珍しげに、表情をほころばせるレイカ。
「ほぅ? そなたは、余が体内に居着いていても、心を乱さぬのだな?」
「ん~~っ……。だって、エイリ○ンみたいに、体内から食い尽くすわけじゃ…ないんでしょ~ぉ? だったら、別に問題ないしぃーっ!」
「やはり、そなたは……余が今まで憑いてきた人間とは、少し違うようだ。ラビスの中から見ていたが、並の人間には無い非情さも持ち合わせているようであったしな。」
「アタシは自分さえ楽しく生きれれば、それでいいのよぉ~っ♪」
「し、しかし……マアラ様。この者に憑いたのは、知識と技術が目的と仰っておりましたが?」
やや落ち着きを取り戻したのか、ミンスーは別方向に流れた会話を軌道修正し始めた。
「今現在、自分の肉体を持たぬ余が、自身の魔力を制御できる新たな肉体を探しているのは、そなたも存じておるな?」
「は、はい……。しかし人間の身体では、マアラ様の有り余る魔力に持ちこたえることができないため、魔界に残されている本来の肉体を取り戻すと仰っていたことも……。」
「そうだ。人間としては……高い魔力耐性を持っていたラビスですらも、余の本来の力には到底耐えきれそうになかった。そこで余が考えたのは、このレイカの持つ技術で、全く新しい身体を作れないか?ということだ。」
「マアラ様、この者の技術は……機械と呼ばれる無機質の造形。生物のような柔軟性や適応力はありません。お止めになられた方が良いかと……!?」
マアラと名乗る声の主による、斜め上の発想。そんなことを、まるで予期できぬミンスーは、またしても動揺の色を隠せない。
「レイカよ。お主の技術……それだけでは、あるまい?」
物静かだが、却ってそれが威圧感を与える。だが、それでもレイカは……
「当然~っ!舐めてもらっては困るわぁ~っ♪ ロボットだけが、アタシの技術じゃないのよぉ~っ。サイボーグ……、すなわち改造生物。または、有機物を使った……新型のバイオ生物でも、アタシの許容範囲なんだからぁ~っ♪」と、まったく動じない態度で返してくる。
「うむ。その技術……余のために使ってみせよ。」
「別に構わないけどぉ、一つだけ聞かせて?」
そう言うと、にこやかな笑顔にしか見えない独特の糸目が薄っすらと開き、氷のように冷えた瞳孔が、自身の身体を見下ろした。そして……
「魔界では恐れられていたようだけどぉ、あなたの目的は何なのぉ? アタシが力を貸すのは、ソレ……次第ねぇ~っ!」と、問い返したのだ。
――な……なんなのよ、この人間……? 魔力も……戦闘力も無いくせに、なぜ…こんな強気な態度でいられるの……!?―
レイカの一歩も引かないその態度に、傍から見ているミンスーの方が恐れ多くて、気が気でない。
「余が狙うは、全界支配!!」
先程までよりも、更に低く……重みのある声が、レイカの体内から響き渡った。
「全界……支配…!?」
「そう。魔界、地上界、冥界……、そして天界! 全界全ての支配を創造主から奪い取り、我が手で統べる。それが、余の目的だ!」
「そしたらアタシも、No,1になれるってことかしらぁ~?」
「当然だ。」
それを聞いたレイカの口から、白い歯が見える。
「いいわぁ~っ! 今のアタシは~、あなたと文字通り一心同体! したがって、あなたの野望はぁ、アタシの野望ぉ~っ! アタシの野望は、あなたの野望ぉ~っ!! アタシの技術は全てぇ、あなたに使わせる~っ♪」
「うむ。代わりに余の魔力も全て、お主の力として使うが良い!」
そう声が響き渡ると、レイカの身体から黒いオーラが湧き上がり始めた。それは、魔力に精通する者や、霊感を持った者なら嫌でもわかる、強大な闇のオーラ。
それを見ただけで、ミンスーは恐怖におののき、ガタガタと震え上がっていた。
「そう言うわけでぇ~、ミンスーって言ったかしらぁ? あなた……今からアタシの下僕として働くのよぉ~っ♪」
もともと温和な顔の作りであるレイカ。今もそう言って、にこやかな笑顔を見せたが、ミンスーにとっては、どんな魔族よりも……恐ろしい表情にしか見えなかった。
それから約10ヶ月程の月日が経った……ある真夏の日。
それは、神田川県民にとって、忘れられない大きな災厄の日。
そして、レイカにとっても野望を前進させる、大きな兆しとなる日であった。
丘福市を中心に、地震や地割れ。津波に暴風などの嵐。更に、所によっては季節外れの猛吹雪。また、それらによってもたらされた都市の大火災。
それだけではなく、街には死人を始めとする、魑魅魍魎といった不可思議な生物が闊歩し、人々を襲う。
それらは全て、原因がまったく不明の大災害であった。人々はこれを『丘福大災害』と呼んだ。
「原因不明……? 愚かな人間共は、蘇った古(いにしえ)の『精霊の支配者』の存在を、まるで気づきもしませんでしたね。」
丘福大災害の日より更に10日程経ち、やっと人々の心も落ち着きを取り戻し始めた頃、その災害で崩れかけた『丘福市立博物館』で、ミンスーが嘲笑うかのように語りだした。
「まぁ……っ、普通~気づかないと思うわよぉーっ! そんな非科学的な現象。常識に囚われた人たちには、夢にも思わないわよぉ♪」
そう返すレイカは、館内のあちこちに、実験や研究のための機材を備え付けていた。
「それにしても、さすがは~光の天女…神楽巫緒ねぇーっ! たった一晩で、その精霊の支配者さんを倒してしまうなんてぇ~っ♪」
レイカは、まるで自分の友人が活躍したかのように、口元を緩ませている。
「ところで……マスター・レイカ。差し支えなければ、空いている部屋を一つお借りしても、よろしいでしょうか?」
手際よく機材を備えているレイカに向かって、ミンスーは申し訳なさそうに話を切り替えた。
「うん? 別にいいわよぉ~。ちなみに、何に使うのかしらぁ~っ?」
「はい。アタクシのコレクション製作、保管室として使わせていただこうと思っております。」
「コレクション……製作? ああーっ! たしか、生身の女の子のメダル化だったわね~ぇ! いいんじゃな~い!」
「ありがとうございます。では、さっそく女の子たちを部屋に連れて行きます。」
「あらあら! もう、捕獲しているのぉ~?」
「ええ、先程出かけたときに、大学受験予備校の生徒たちを、送迎バス毎……拉致してきたので。」
ミンスーはそう言って一旦館外へ出ていくと、ほんの数分で、十人前後の女生徒を引き連れ戻ってきた。ちなみに、一緒に乗っていたと思われる2~3人の男子生徒と、中年男性の運転手は、とっくに刺殺しているようだ。
館内の一階にある、古代生物展示コーナー。割と広めのこの室内に、ミンスーは魔力で檻を作ると、連れてきた女生徒たちをその中に押し込んでいく。だが、
「貴女は、ここに残りなさい。」と、一人だけ手を掴み、その場に残した。
それは、ストレートロングの髪に、白地にグレーの翁格子柄カチューシャ。小顔でクリクリとした大きな目。襟も真っ白なセーラー服に淡い青色のスカート。
一言でいうなれば、清楚な女生徒といった雰囲気をもった少女だ。
「貴女、この中では一番気立てが良さそうね。それも今時の女性とにしては、珍しいと言ってもいいくらいの。そこで、まずは貴女からアタクシのコレクションに加えていくとしますわ!」
「コ……コレクション……? あ、あの……、お願いですから、家に帰していただけませんか…?」
女生徒は、目にいっぱいの涙を溜め、震えながらそう返した。
「悪いけど、帰すわけにはいきませんわ。それより、コレクションにするためには、その品物の情報を細かく知る必要がありますの。
まずは、アタクシの目をよく見つめてくださいね!」
ミンスーはそう言って、女生徒の目と鼻の先まで自身の顔を近づける。怯える女生徒は、ミンスーに言われるまでもなく、眼前に迫ったその目を、ジッと見つめる他なかった。
すると、どうしたことだろう?
ミンスーの目を見つめていた女生徒の瞳は、上下左右にゆっくりと動き出すと、やがてぐるぐると回り出していった。
それだけでなく口端から涎が零れはじめ、まるで全身の力が抜けきったように両手をダランと下げ、上半身は風に煽られる草花のように、ユラユラと揺らめいている。
それはミンスーの魔術の一つでもある、魅了(チャーム)の魔法。簡単に言えば、催眠術みたいなものだ。
「まずは、貴女のお名前から聞かせてくれる?」
ミンスーはぐるぐると目を回し、すっかり惚けてしまった女生徒に質問を始めた。
「名前は、一之瀬美桜(みさ)です。」
「一ノ瀬……美桜ちゃん!? 見た目に合った可愛い名前ね。では、美桜ちゃんの年齢や身長体重、学校名から成績、趣味……。すべてを話すのよ!」
「歳は1月生まれの16歳。県立霞ヶ丘高校二年生です。身長は158㎝、体重は42㎏……、音楽が好きで、吹奏楽をやっています。」
ミンスーの聞かれるままに、自身の情報を次々に話す美桜。その中には他人には決して言いたくないであろうプライベートな内容まで、包み隠さず話していた。
檻の中から見ている他の女生徒からは、それは異様な光景だったに違いない。
「霞ヶ丘高校……。たしかこの地では、割と学力が高い学校でしたわね。そして、同じ部活の先輩に憧れていて、性体験はおろか……口づけすら未経験ということね!」
ミンスーはそこまで聞くと、嬉しそうに歯を剥きだして笑った。
「見た目だけでなく、内面まで今時珍しい娘だわ! 貴女、プラチナ(白金)メダル……決定よ!」
ミンスーはそう言うと、懐から小袋を取り出し、中に入っている白い粉を美桜の全身に振りかけた。
それは魔界ではよく知られる、『フニャフニャパウダー』と呼ばれる魔法の粉。振りかけられた者は、骨も肉も全て粘土のように柔らかくなってしまう。
次にミンスーは、二枚の小さなコインのような物を取り出す。それを指先で、ピンッ!と弾き上げると、それは直径40㎝ほどの金属製の盆のような形へと変化した。
その二枚の盆のような物を、一枚は立っている美桜の足の下に。もう一枚は彼女の頭上で、互いの面が並行になるように移動させる。
「製作開始!」
ミンスーの合図とともに、美桜の頭上にある盆が、ゆっくりと降下を始める。
ゆっくり……ゆっくり……降下する盆は、フニャフニャパウダーによって粘土のように柔らかくなった美桜の身体を、ジワジワと圧し潰していく。
「きゃぁぁぁぁっ!! やめてぇぇっ!!」
その悲鳴は、潰されている美桜本人ではなく、檻の中から様子を見つめていた女生徒たちのもの。
なぜなら、今……彼女たちの眼前では、一人の少女が無残にも圧し潰されている最中なのだ。中には、悲鳴すら上げられず、そのまま失神してしまった女生徒もいる。
しかし、当の美桜はと言うと……、
「あ、ふにゅ……、気持ち……うにゅ……」
まるで何を言っているのか解らないが、ただ言えることは、それは苦痛による声ではなく、むしろ快楽に溺れる声と言った感じのものである。
「フニャフニャパウダーには痛覚を麻痺させ、愉悦を感じさせる効果があるのよ。今、美桜ちゃんの心は、天にも昇るようなエクスタシーを感じているはずだわ!」
そうこう言っているうちに、二枚の盆は重ね合わさる寸前の所まで来ていた。
そしてついに、ガツッ――ン!!といった衝撃音とともに、二枚の盆は、ピッタリと重ね合わさったのだ!
「あぁ……っ…」
それを見た半数以上の女生徒たちは、バタバタと気を失って倒れていく。
「さてと、出来栄えはどうかしら~♪」
ミンスーは重なり合った盆を手に取ると、嬉しそうにそのうちの一枚を、ゆっくりと引き離し始める。
ベリベリッ!と上側の盆が引き剥がされると、そこにはクルクルと目を回したまま、凸凹の無い……ペッタンコになった美桜の顔が現れる。
更にもう一枚の盆を引き剥がすと、美桜の顔をした円盤状の物体が手元に残った。
「ウゥ~~ン♪ なかなか、いいメダルになったじゃなぁ~い♪」
ミンスーの言葉の通り、その円盤状の物体は、真ん丸のメダルとなった美桜そのものであった。
表側は中心に美桜の顔があり、その周りにセーラー服の襟元やスカートの一部らしきものが、模様のように残っている。そして裏面は、美桜が履いていた……ローファーの底から、紺のハイソックスと肌色の太腿だったものが、円形模様のように残っている。その周りにはスカートの裏地があり、中央にはそれと太腿に挟まれた白地模様が。
そんな裏面を眺めると、
「あら……この子。今時の子には珍しく、スパッツも短パンも履かないで、そのまま下着を着けていたのね~ぇ♪」
鼻を近づけ、クンクンとその匂いを嗅ぎだした。
「ハァ~ッ! 鼻にツーンとくる……処女の香り~っ♪」
まるで茫然自失となったかのように、ミンスーはしばらくの間、その匂いの余韻を不気味な笑みを浮かべながら楽しんでいた。
そして余韻から立ち直ると、少々名残惜しいように首を傾げていたが、やがて決心したかのように、新たな魔法を美桜に掛け始めた。
それは、ある種のコーティング魔法。円盤状になった美桜は、端から徐々に、眩い光沢の白色へと変化していく。
「嗚呼ぁ~ン! なんて、素敵なプラチナメダルなのかしらぁ~~っ♪」
今にも踊りだしそうな勢いで白色の円盤を掲げ、喜びの声を上げるミンスー。
彼女の言う通り掲げられた白色の円盤は、それは見事な白金(プラチナ)メダルと化した、美桜であった!
ちなみに、その光景を見つめていた残りの女生徒たちは、明日の我が身と思い知ったのだろう。皆、その場にバタバタと崩れるように倒れていく。中にはスカートの端から、ホカホカの湯気を立ち昇らせている子も、数名いたようだ。
| ターディグラダ・ガール | 21:44 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑
コイン化シチュエーション、キャラともに最高の出来栄えでした!
プラチナコイン認定も納得w
| basuka | 2017/10/21 22:03 | URL | ≫ EDIT