2016.12.25 Sun
ターディグラダ・ガール 第三話「丘福に集まった6つの星 終章」
瀾と素子がイペタムを撃破したと聞いた和。それから数十分後に駆けつけた救急隊によって自身も、そして明日香も緊急病院へと運ばれた。
今回、植物園で起きたこの事故。発端となったアースキラーとイペタムという二体の未確認生物は退治することができた。だが、素直に喜べる結果ではない。
その二体によって、女子児童一名。女子生徒一名。女学生一名。中央署の警官六名が死亡した。大きな被害である。
他に男子児童が一名、行方不明になっている。現場から逃げ遅れて、隠れたままなのか? それとも別の事故か事件に巻き込まれたのか? これに関しては中央署と県警本部警備科が、引き続き協力して調査を進めている。
それにしても驚くは、やはり明日香の生命力だ。被害にあった女子児童や女学生よりも身体の水分を吸い尽くされ、残り……本来の3%程になっていたのに生命を維持していた。
そして一~二週間程の入院で体調が回復し、無事退院していったのだ。
和は改めて、明日香のクマムシと同等の生命維持体質を、驚く他なかった。
和自身も肋骨を骨折しており、他にも全身打撲で二週間ほど入院を余儀なくされたが、安静を条件に無事に退院し任務へ復帰することができた。
「おおっ!? 和くん、退院できたみたいだね~♪」
瑞鳥川を中心に対策室全員が、復帰した和を暖かく迎え入れた。
「ありがとうございます。特に植物園の件では改めてお礼を言わさせて欲しい。瑞鳥川さん、藤本くん、西東くん、中田くん。みんなの見事な連携で、戦えない明日香くんの代わりに事故を解決してくれた。本当に感謝する」
和はそう言って深々と頭を下げた。
「さて…話は変わるけど、先ほど警備部長から新たな役職、担当を通達されたので、今からみんなにもそれを伝える」
和はそう言って全員の顔を見渡した。
「まず僕……和滝也警部補。引き続き、未確認生物対策係係長をやっていく」
「頼りにしてるよ~~っ!」瑞鳥川が、早速茶々を入れる。
「次に藤本未希巡査部長。対策係主任兼通信担当。」
「はい。」
「続いて橘明日香巡査、担当特殊機動隊員。そして本日付で巡査長として、現場でのリーダーをしてもらうよ。」
「はい!任せてください」
「西東瀾巡査、担当機動隊員。あとキミ用に交通部と同じ……FJR1300Pが導入されるらしい。」
「よし、そっちの方が得意だぜ!」
「中田素子巡査、担当機動隊員。キミにも後方支援用として、豊和M1500が支給されるらしい。」
「おお!狙撃銃か……」
「瑞鳥川さんは正式な警察職員ではないので、今まで同様、特殊機動服管理と武器開発担当です」
「あと、橘ちゃんの体調管理もね~~っ♪」
「現在、未確認生物や改造生物は、組織化しているという可能性も強まっている。今後、より一層事故解決は難しくなるとと思う。」
和はここで一旦一息つくと
「だからこそ、みんな! 力を貸して欲しい。よろしく頼む!」
そう、再び頭を下げた。
さすがに今回ばかりは瀾も素子もいがみ合わず、にこやかに微笑んでいた。
つづく
今回、植物園で起きたこの事故。発端となったアースキラーとイペタムという二体の未確認生物は退治することができた。だが、素直に喜べる結果ではない。
その二体によって、女子児童一名。女子生徒一名。女学生一名。中央署の警官六名が死亡した。大きな被害である。
他に男子児童が一名、行方不明になっている。現場から逃げ遅れて、隠れたままなのか? それとも別の事故か事件に巻き込まれたのか? これに関しては中央署と県警本部警備科が、引き続き協力して調査を進めている。
それにしても驚くは、やはり明日香の生命力だ。被害にあった女子児童や女学生よりも身体の水分を吸い尽くされ、残り……本来の3%程になっていたのに生命を維持していた。
そして一~二週間程の入院で体調が回復し、無事退院していったのだ。
和は改めて、明日香のクマムシと同等の生命維持体質を、驚く他なかった。
和自身も肋骨を骨折しており、他にも全身打撲で二週間ほど入院を余儀なくされたが、安静を条件に無事に退院し任務へ復帰することができた。
「おおっ!? 和くん、退院できたみたいだね~♪」
瑞鳥川を中心に対策室全員が、復帰した和を暖かく迎え入れた。
「ありがとうございます。特に植物園の件では改めてお礼を言わさせて欲しい。瑞鳥川さん、藤本くん、西東くん、中田くん。みんなの見事な連携で、戦えない明日香くんの代わりに事故を解決してくれた。本当に感謝する」
和はそう言って深々と頭を下げた。
「さて…話は変わるけど、先ほど警備部長から新たな役職、担当を通達されたので、今からみんなにもそれを伝える」
和はそう言って全員の顔を見渡した。
「まず僕……和滝也警部補。引き続き、未確認生物対策係係長をやっていく」
「頼りにしてるよ~~っ!」瑞鳥川が、早速茶々を入れる。
「次に藤本未希巡査部長。対策係主任兼通信担当。」
「はい。」
「続いて橘明日香巡査、担当特殊機動隊員。そして本日付で巡査長として、現場でのリーダーをしてもらうよ。」
「はい!任せてください」
「西東瀾巡査、担当機動隊員。あとキミ用に交通部と同じ……FJR1300Pが導入されるらしい。」
「よし、そっちの方が得意だぜ!」
「中田素子巡査、担当機動隊員。キミにも後方支援用として、豊和M1500が支給されるらしい。」
「おお!狙撃銃か……」
「瑞鳥川さんは正式な警察職員ではないので、今まで同様、特殊機動服管理と武器開発担当です」
「あと、橘ちゃんの体調管理もね~~っ♪」
「現在、未確認生物や改造生物は、組織化しているという可能性も強まっている。今後、より一層事故解決は難しくなるとと思う。」
和はここで一旦一息つくと
「だからこそ、みんな! 力を貸して欲しい。よろしく頼む!」
そう、再び頭を下げた。
さすがに今回ばかりは瀾も素子もいがみ合わず、にこやかに微笑んでいた。
つづく
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