2013.02.22 Fri
妖魔狩人 若三毛凛 if 第05話「千佳の異変 -後編-」
①→
「!?」
凛は会話の途中で、千佳の口元に牙のような鋭い歯が見えた。
まさか・・・
そのまま凛は精神を集中し、千佳の体から出る気を探る。
妖気だ! 千佳の体から妖気が感じられる。
「千佳、あなた…まさか…、最近の連続通り魔…、そして…おじさんやおばさんを襲ったのも…!?」
「なんね、気づいたん?」
千佳はクスッと笑うと、眼鏡を外しテーブルの上に乗せた。黒い瞳が金色に光りだす。
ショートヘアの髪はハリネズミのように逆立ち、小さな手の爪は刃物のように長く尖っていく。
間違いない、優里の母…美咲が妖怪化した時と同じ姿。
でも、いったい何時? 妖木妃はわたしとの戦いの後、姿を見せていないはず!?
「ねぇ、凛。あたしのさ、凛への想い…知っとぉ?」
甘い口調で凛へ問いかけるのと同時に、千佳は鋭い爪を突き出して、凛へ襲い掛かってきた。
「霊装っ!!」
千佳の攻撃を避けながら、戦闘服を装着し弓を手にする凛。
「その姿…、その服…、やっぱり凛だったんやね」
「何のこと!?」
クスッ!
「あたしさ、早生まれで未熟児やったんよ。だから今でも体は小さい方やけど、幼稚園や小学校の時でも一番小さくて、それでよくみんなから苛められていたとよ。」
千佳は突然昔話を始めだした。だが、それでいて攻撃の手は緩めていない。
「馬鹿にされ、苛められ、いつも一人ぼっちだった。だけどね、あたしと同じようにみんなから弾き出され、孤独だった子がもう一人いたとよ。」
「!?」
「そう…、凛…あんたや。」
大きく振り切った爪が、家具を真っ二つに切り裂く。
―なんて、鋭い爪なの!?―
「凛、あんたもお化けが見えるとか言って、同級生はだけでなく村の人からも気味悪がられよったよね。
あんただけやと思った。あたしの気持ちがわかる子は・・・。
だからあたしは、あんたと友達になろうと必死やったわ。」
―幼稚園の頃、千佳がわたしに話しかけてきたのは、そういう理由…―
「あんたはあまり心を開いてくれなかったけど、でも…いつも拒むことなく、あたしを受け入れてくれた。あたしにとって、あんたは最高の居場所だったんだよ」
話しながらも千佳の攻撃は止まらない。凛の体も二~三の傷を負っていた。
「あたしさ、凛の事…愛しているっちゃよ」
「えっ!?」
「小四の終わり頃から、その気持ちに気づいたんよ。友情とか信頼とか、そういうんやない。凛を一人の女の子として見て、自分のものにしたいってね。」
「え…? なに…っ?」
「いつも凛の事を考えてたら、あたしにとって凛はなくてはならない存在になっていったっちゃ。そしてその気持ちはいつしか、凛を抱きしめたい…、凛とキスしたい…、そして凛の体の隅々まで知りたい…って」
「それって…」
「そう、あたし…いわゆる、百合ってやつやったんやね」
言葉とは裏腹に、千佳の攻撃は更に激しさを増す。
素早い動きに、両手から繰り出される鋭い爪の嵐。
凛は弓を盾に、防戦するのが精一杯だ。
―この狭い部屋の中では、かわす事すらままならない。もっと広い場所へ―
苦し紛れにリビングの窓ガラスを矢で撃ち破ると、飛び込むように庭へ飛び出した。
―とにかく、距離をおかないと…―
体制を立て直そうとする凛に容赦なく襲い掛かる千佳。
「凛ーっ!あんたは、あたしのものっちゃよ!!」
「千佳…ひとつ聞かせて!貴方はいつ…妖怪になったの!?」
凛の問いに、一瞬動きを止めた千佳。
「一週間前のゴールデンウィーク、あんた…宿題の答え合わせに来られないって言った日があったやん?
あの日、あたしは電話の後に、あんたの家に行ったっちゃ。」
「?」
「あんたがその姿で、化け物と戦っているのを見たっちゃよ」
―一週間前のゴールデンウィーク…、もしかして…初めて妖魔狩人になって、美咲おばさんや…ボンディァォフーニュと戦った時・・!?―
「あたしはなんとなく理解したっちゃ。子どもの頃からお化けが見えるとかいう…凛の能力。そのせいで、あたしらの予想できないような事に巻き込まれているんやないかと。」「あ…あれを見ていた…の?」
「翌日早朝、あたしは村外れの神社にお祈りのいったっちゃ。
『凛を助けて』…。『あたしに何かできる事はないか!?』…と」
「ち…千佳…」
「そうしたら拝殿から恐ろしく綺麗な女性が現れてや、あたしに強力な力を与えてやる言うて、一粒の種をくれたっちゃ」
―妖木妃!!―
「その種を飲んでから後は殆ど記憶がない。気がついたら数日後に神社の近くで保護されたっつうわけやん。強力な力を手に入れて…な!」
「千佳、その力は・・・!」
「わかっとる。あん時の化け物と同じ力っちゅう事やろ? あの日からあたしは、激しい怒りと憎しみばかりが心を覆っているっちゃ。壊したい・・・殺したい・・・そんな気持ちでいっぱいや」
いつの間にか、千佳は涙を流していた。溢れるような涙を…
「あたしは、村の人も…お父さんやお母さんも、そして…そして…
何よりも、凛・・・・っ! あんたを襲いたくなんか…ないっちゃよ!!」
暴走した己の体を止められない千佳は、激しく涙を流しながらも、凛への攻撃を緩めない。
そう、妖怪化した千佳の体は、完全にその『血』に支配されてしまっている。
だが、同様に妖怪化した優里の母…美咲と違って自我を持っているのは、おそらく凛に対しての想いが強いためであろう。
たとえそれが、一般的に許されない想いであっても…だ。
そして、その人としての心が、村人や両親を襲っても無意識のうちに加減し、命まで奪わなかったのだろう。
凛には、それが痛いほど感じ取れていた。と同時に妖木妃への怒りも強まっていく。
千佳の想いにつけこんだ妖木妃、絶対に許せない。
「ごめんね…千佳、わたしのために苦しい思いをさせて。でも…千佳、あなたはわたしの大事な親友だよ」
凛は初めて素直な気持ちを現したかもしれない。滅多に心を開く事のない…凛が。
その気持ちが千佳に届いたのか?
攻撃を止め、呆然と立ち止まり凛を見つめる千佳。
「元に戻ってぇぇぇっ! 千佳ぁぁぁぁっ!!」
その隙をついて、浄化の霊力を込めた矢を射る。
「あっ…?」
一瞬驚いた千佳、だがその表情はすぐに穏やかなものに変わる。
「ありがとう…凛」
輝く光に包まれながら、ゆっくりと崩れるように倒れる千佳。
ちょうどその時・・・
「凛、大変だぁっ!君の友人が・・・!!」
診療所から駆けつけた金鵄が現れた。
「凛…?」
そこには、徐々に人間の姿に戻っていく千佳と、優しい表情でそれを見守っている凛の姿であった。
そして凛は、改めて…いや、心の底から自らの手で、妖木妃の野望を止めると誓っていた。
第六話へ続く(正規ルート)
----------------------------------------------------------------
②は 》続きを読むをクリックしてください。
「!?」
凛は会話の途中で、千佳の口元に牙のような鋭い歯が見えた。
まさか・・・
そのまま凛は精神を集中し、千佳の体から出る気を探る。
妖気だ! 千佳の体から妖気が感じられる。
「千佳、あなた…まさか…、最近の連続通り魔…、そして…おじさんやおばさんを襲ったのも…!?」
「なんね、気づいたん?」
千佳はクスッと笑うと、眼鏡を外しテーブルの上に乗せた。黒い瞳が金色に光りだす。
ショートヘアの髪はハリネズミのように逆立ち、小さな手の爪は刃物のように長く尖っていく。
間違いない、優里の母…美咲が妖怪化した時と同じ姿。
でも、いったい何時? 妖木妃はわたしとの戦いの後、姿を見せていないはず!?
「ねぇ、凛。あたしのさ、凛への想い…知っとぉ?」
甘い口調で凛へ問いかけるのと同時に、千佳は鋭い爪を突き出して、凛へ襲い掛かってきた。
「霊装っ!!」
千佳の攻撃を避けながら、戦闘服を装着し弓を手にする凛。
「その姿…、その服…、やっぱり凛だったんやね」
「何のこと!?」
クスッ!
「あたしさ、早生まれで未熟児やったんよ。だから今でも体は小さい方やけど、幼稚園や小学校の時でも一番小さくて、それでよくみんなから苛められていたとよ。」
千佳は突然昔話を始めだした。だが、それでいて攻撃の手は緩めていない。
「馬鹿にされ、苛められ、いつも一人ぼっちだった。だけどね、あたしと同じようにみんなから弾き出され、孤独だった子がもう一人いたとよ。」
「!?」
「そう…、凛…あんたや。」
大きく振り切った爪が、家具を真っ二つに切り裂く。
―なんて、鋭い爪なの!?―
「凛、あんたもお化けが見えるとか言って、同級生はだけでなく村の人からも気味悪がられよったよね。
あんただけやと思った。あたしの気持ちがわかる子は・・・。
だからあたしは、あんたと友達になろうと必死やったわ。」
―幼稚園の頃、千佳がわたしに話しかけてきたのは、そういう理由…―
「あんたはあまり心を開いてくれなかったけど、でも…いつも拒むことなく、あたしを受け入れてくれた。あたしにとって、あんたは最高の居場所だったんだよ」
話しながらも千佳の攻撃は止まらない。凛の体も二~三の傷を負っていた。
「あたしさ、凛の事…愛しているっちゃよ」
「えっ!?」
「小四の終わり頃から、その気持ちに気づいたんよ。友情とか信頼とか、そういうんやない。凛を一人の女の子として見て、自分のものにしたいってね。」
「え…? なに…っ?」
「いつも凛の事を考えてたら、あたしにとって凛はなくてはならない存在になっていったっちゃ。そしてその気持ちはいつしか、凛を抱きしめたい…、凛とキスしたい…、そして凛の体の隅々まで知りたい…って」
「それって…」
「そう、あたし…いわゆる、百合ってやつやったんやね」
言葉とは裏腹に、千佳の攻撃は更に激しさを増す。
素早い動きに、両手から繰り出される鋭い爪の嵐。
凛は弓を盾に、防戦するのが精一杯だ。
―この狭い部屋の中では、かわす事すらままならない。もっと広い場所へ―
苦し紛れにリビングの窓ガラスを矢で撃ち破ると、飛び込むように庭へ飛び出した。
―とにかく、距離をおかないと…―
体制を立て直そうとする凛に容赦なく襲い掛かる千佳。
「凛ーっ!あんたは、あたしのものっちゃよ!!」
「千佳…ひとつ聞かせて!貴方はいつ…妖怪になったの!?」
凛の問いに、一瞬動きを止めた千佳。
「一週間前のゴールデンウィーク、あんた…宿題の答え合わせに来られないって言った日があったやん?
あの日、あたしは電話の後に、あんたの家に行ったっちゃ。」
「?」
「あんたがその姿で、化け物と戦っているのを見たっちゃよ」
―一週間前のゴールデンウィーク…、もしかして…初めて妖魔狩人になって、美咲おばさんや…ボンディァォフーニュと戦った時・・!?―
「あたしはなんとなく理解したっちゃ。子どもの頃からお化けが見えるとかいう…凛の能力。そのせいで、あたしらの予想できないような事に巻き込まれているんやないかと。」「あ…あれを見ていた…の?」
「翌日早朝、あたしは村外れの神社にお祈りのいったっちゃ。
『凛を助けて』…。『あたしに何かできる事はないか!?』…と」
「ち…千佳…」
「そうしたら拝殿から恐ろしく綺麗な女性が現れてや、あたしに強力な力を与えてやる言うて、一粒の種をくれたっちゃ」
―妖木妃!!―
「その種を飲んでから後は殆ど記憶がない。気がついたら数日後に神社の近くで保護されたっつうわけやん。強力な力を手に入れて…な!」
「千佳、その力は・・・!」
「わかっとる。あん時の化け物と同じ力っちゅう事やろ? あの日からあたしは、激しい怒りと憎しみばかりが心を覆っているっちゃ。壊したい・・・殺したい・・・そんな気持ちでいっぱいや」
いつの間にか、千佳は涙を流していた。溢れるような涙を…
「あたしは、村の人も…お父さんやお母さんも、そして…そして…
何よりも、凛・・・・っ! あんたを襲いたくなんか…ないっちゃよ!!」
暴走した己の体を止められない千佳は、激しく涙を流しながらも、凛への攻撃を緩めない。
そう、妖怪化した千佳の体は、完全にその『血』に支配されてしまっている。
だが、同様に妖怪化した優里の母…美咲と違って自我を持っているのは、おそらく凛に対しての想いが強いためであろう。
たとえそれが、一般的に許されない想いであっても…だ。
そして、その人としての心が、村人や両親を襲っても無意識のうちに加減し、命まで奪わなかったのだろう。
凛には、それが痛いほど感じ取れていた。と同時に妖木妃への怒りも強まっていく。
千佳の想いにつけこんだ妖木妃、絶対に許せない。
「ごめんね…千佳、わたしのために苦しい思いをさせて。でも…千佳、あなたはわたしの大事な親友だよ」
凛は初めて素直な気持ちを現したかもしれない。滅多に心を開く事のない…凛が。
その気持ちが千佳に届いたのか?
攻撃を止め、呆然と立ち止まり凛を見つめる千佳。
「元に戻ってぇぇぇっ! 千佳ぁぁぁぁっ!!」
その隙をついて、浄化の霊力を込めた矢を射る。
「あっ…?」
一瞬驚いた千佳、だがその表情はすぐに穏やかなものに変わる。
「ありがとう…凛」
輝く光に包まれながら、ゆっくりと崩れるように倒れる千佳。
ちょうどその時・・・
「凛、大変だぁっ!君の友人が・・・!!」
診療所から駆けつけた金鵄が現れた。
「凛…?」
そこには、徐々に人間の姿に戻っていく千佳と、優しい表情でそれを見守っている凛の姿であった。
そして凛は、改めて…いや、心の底から自らの手で、妖木妃の野望を止めると誓っていた。
第六話へ続く(正規ルート)
----------------------------------------------------------------
②は 》続きを読むをクリックしてください。
②→
「ごめん、責める気はないんよ。それより飲み物は紅茶でいいっちゃろ?」
「う…うん…」
千佳の強引な姿勢に思い切って反論できない凛。凛の対人関係の弱さ…、気の弱さが現れていた。
―千佳はわたしの同級生…、そして幼なじみ…、それ以外なんだっていうの?―
「お待たせ、熱いうちに飲んで~」
「あ…ありがとう…」
少し気持ちを切り替えよう。凛はそう思いながら出された紅茶に口をつけた。
―いつもより、味が濃い?―
どうでもいいと言えば、どうでもいい事なのだが、凛は紅茶に口をつけ、フトッそう思った。
「ねぇ…千佳…?」
顔を上げると、すぐ目の前に千佳の顔が・・・!
―近いっ!?―
凛がそう思うのもつかの間、千佳の両手が凛の頬を優しく、それでいてしっかりと挟んでいる。
「凛・・・、やっぱ…可愛いっちゃ~っ♪」
「えっ!?」
ブチューッ!!
有無言わさず千佳は、自分の唇を凛の唇に重ねていた。
「ち…千佳…っ!?」
目を白黒させる凛。
「美味しい…、初めて味わったけど…、やっぱ凛とのキスは美味しい!想像した通りやん!」
目を爛々と輝かせ、千佳は恍惚のひと時を楽しんでいる。
そんな姿を見て、思わず引いてしまう凛。
「あたしさ、小学四年生あたりから、凛の事…一人の女の子として意識していたんよ。可愛いな…、抱きしめたい…ってね」
「なっ…?」
「そうや、百合っていうやっちゃ。あたしさ、同性が好きなんよ。なかでも凛…、あんたの事は、愛してるって言っても過言じゃないっちゃ。」
そう言って千佳は凛の両肩を床に押し付けると、耳たぶを甘噛みした。
「きゃっ!」
顔を歪める凛。
「じっとして凛、痛くしないから…」
更に千佳の手は、凛の胸を撫で始める。
「やめ…て、千佳…!!」
凛は千佳を払いのけようとするが、まるで岩のようにびくともしない。
―まさか…千佳!?―
「あ、気づいた? そう…あたし、妖木妃様の力によって、妖怪として生まれ変わっているんよ。」
「い…いつ? どうして…?」
「そんな事はどうでもいいやん! あたしは妖怪になって良かったと思ってるちゃ。なんでかと言うと、自分の本能に正直に生きる事ができる。」
「!?」
「以前のあたしなら凛への想いも内に閉じ込めたままやったと思う。けど、こうして凛をこの手に抱くこともできる。気に入らないやつも、切り裂く事ができる!」
「だめだよ千佳!そんなことは・・・・あっ!!」
再び千佳の唇が凛の唇を塞いだ。
先ほどと違って今度はすぐに離さず、舌先で凛の舌、歯茎の裏などしっかり貪っている。
更に凛の服の中に手を入れ、その小さな胸先を静かに撫で回す。
―なに…これ? 体に力が入らない…、それに頭が…思考が回らない…―
「気持ちいい、凛? それにしても小さい胸。背はあたしの方が低いけど、胸は凛の方が小さいんやね、でも…そこがいい♪」
千佳は手を離すと、今度は凛の衣類を脱がし始めた。
「さっきの紅茶にはね、妖怪石榴の実を煎じていれてあったっちゃ。妖怪石榴は媚薬効果、そして頭や心で感じている心境を、そっくりそのまま身体で表すことができるっちゃよ」
―はぁ…はぁ…はぁ…―
「ま、すぐにわかるっちゃ」
衣類を脱がされ下着姿になった凛を、まるで鼠を捕まえた猫のような目で眺める。
「うふ、可愛い下着やね~♪」
クン…クン…
「うーん、いい匂い! 今すぐ全身を嘗め回したくなるやん!」
千佳は喜びを抑えるように凛を抱きかかえると、そのままキッチンへ運んでいった。
キッチンには人一人が入れるような大きな金属のボールがあり、千佳はその中に凛の体を入れた。
「な…なに…これ…?」
状況が理解できない凛。
しかし瞳は空ろになっており、全身も火照ったほうに、ややピンク色になっている。
「石榴が効いてきたようやね。今からもっと~もっと~、気持ち良くしてあげるっちゃよ」
そう言って千佳は凛の身体を優しく丁寧に撫でたり、揉んだりし始める。
小さな胸の突起を舌先で転がしたり、指先を下着の中に入れ、じっくり愛撫したり…。
「あ…だめ…、からだが…そんなとこ…きたな…あ!」
千佳の手の動きに合わせ、悶えるように全身をくねくねと捻りまわす凛。
「だめ…、と…溶けちゃう…、からだが…とろけちゃ…う……よ…」
不思議な事に凛がそう言葉を漏らすと、ゆっくりと凛の身体が溶け出していった。
それは、直射日光に当てた『チョコレート』がじわじわと溶けていくように。
「さっきも言ったけど妖怪石榴っていうのは、心が『溶けちゃう』っていう快感を得ると、身体が実際に溶けていくっちゃん」
「ち…千佳…、たすけ…て…」
「うふふ、でも気持ちいいんやろ? 溶けちゃうほど♪」
そう言って千佳は溶けかかっている凛の身体を、ゴムベラで優しく撫で回す。
「あ…、だめ…千佳…」
もはや今の凛の身体は、全身が性感帯といっても過言でないほど敏感になっており、触れただけで快感を得てしまっているようだ。
ゴムベラで、優しく~優しく~撫で回す。
いつしか大きなボールの中には、凛の全身が八割ほど溶けて、クリーム状になっていた。
「ち…千佳…、どこが手で足か…、頭の中も真っ白で…もう…何がなんだか…わかんない…よ」
しかし、その状態でもまだ凛の意識は残っている。
「心配せんで、とっても美味しそうなクリームになってきてるっちゃよ~凛」
人差し指で肌色のクリームをすくい上げる。
「あ…」凛が声を漏らした。
そしてそのまま口の中へ入れる。
舌の上で転がし、鼻から息を抜き、じっくりその味と香りを確かめる。
はぁ・・・・♪
思わず、歓喜の息が漏れた。
「美味しい…。とろけるような甘さの中に、微かに感じ取れる酸味。ちょっと青臭いけど、癒されるような香り。凛…想像以上の美味しさっちゃよ」
まるでオーガズムを感じたような恍惚な表情を浮かべる千佳。
「最高の食材やわ。慌てずじっくりと仕上げにかかるっちゃよ」
千佳は泡だて器を手にすると、ボールの中のクリームをゆっくり回し始めた。
「あ…目が…、目が…まわる……」
これが凛の最後の言葉だった。
この後、手間隙かけて仕上げられ、キラキラ輝く美味しそうな『生カスタードクリーム』が完成した。
「あとはシュー生地の中に詰め込むだけ」
予め焼き上げられたシュー生地に、搾り袋を使ってクリームを詰め込んでいく。
夕方には、数十個の大きなシュークリームがテーブルに並んでいた。
椅子に腰掛けシュークリームを手に取る千佳。
口に頬張ると、サクサクとしたシュー生地の中から、とろーりとした生クリームが流れ出る。
甘酸っぱい、フルーティーな香り。
「最高やね。今まで食べた、どのシュークリームよりも一番美味しいやん。ああ…凛の味が口の中に広がる~♪」
一つ…また一つとシュークリームを口に入れ、その都度愛していた凛の味を確かめながら、千佳は性的興奮を感じていた。
BADEND
「ごめん、責める気はないんよ。それより飲み物は紅茶でいいっちゃろ?」
「う…うん…」
千佳の強引な姿勢に思い切って反論できない凛。凛の対人関係の弱さ…、気の弱さが現れていた。
―千佳はわたしの同級生…、そして幼なじみ…、それ以外なんだっていうの?―
「お待たせ、熱いうちに飲んで~」
「あ…ありがとう…」
少し気持ちを切り替えよう。凛はそう思いながら出された紅茶に口をつけた。
―いつもより、味が濃い?―
どうでもいいと言えば、どうでもいい事なのだが、凛は紅茶に口をつけ、フトッそう思った。
「ねぇ…千佳…?」
顔を上げると、すぐ目の前に千佳の顔が・・・!
―近いっ!?―
凛がそう思うのもつかの間、千佳の両手が凛の頬を優しく、それでいてしっかりと挟んでいる。
「凛・・・、やっぱ…可愛いっちゃ~っ♪」
「えっ!?」
ブチューッ!!
有無言わさず千佳は、自分の唇を凛の唇に重ねていた。
「ち…千佳…っ!?」
目を白黒させる凛。
「美味しい…、初めて味わったけど…、やっぱ凛とのキスは美味しい!想像した通りやん!」
目を爛々と輝かせ、千佳は恍惚のひと時を楽しんでいる。
そんな姿を見て、思わず引いてしまう凛。
「あたしさ、小学四年生あたりから、凛の事…一人の女の子として意識していたんよ。可愛いな…、抱きしめたい…ってね」
「なっ…?」
「そうや、百合っていうやっちゃ。あたしさ、同性が好きなんよ。なかでも凛…、あんたの事は、愛してるって言っても過言じゃないっちゃ。」
そう言って千佳は凛の両肩を床に押し付けると、耳たぶを甘噛みした。
「きゃっ!」
顔を歪める凛。
「じっとして凛、痛くしないから…」
更に千佳の手は、凛の胸を撫で始める。
「やめ…て、千佳…!!」
凛は千佳を払いのけようとするが、まるで岩のようにびくともしない。
―まさか…千佳!?―
「あ、気づいた? そう…あたし、妖木妃様の力によって、妖怪として生まれ変わっているんよ。」
「い…いつ? どうして…?」
「そんな事はどうでもいいやん! あたしは妖怪になって良かったと思ってるちゃ。なんでかと言うと、自分の本能に正直に生きる事ができる。」
「!?」
「以前のあたしなら凛への想いも内に閉じ込めたままやったと思う。けど、こうして凛をこの手に抱くこともできる。気に入らないやつも、切り裂く事ができる!」
「だめだよ千佳!そんなことは・・・・あっ!!」
再び千佳の唇が凛の唇を塞いだ。
先ほどと違って今度はすぐに離さず、舌先で凛の舌、歯茎の裏などしっかり貪っている。
更に凛の服の中に手を入れ、その小さな胸先を静かに撫で回す。
―なに…これ? 体に力が入らない…、それに頭が…思考が回らない…―
「気持ちいい、凛? それにしても小さい胸。背はあたしの方が低いけど、胸は凛の方が小さいんやね、でも…そこがいい♪」
千佳は手を離すと、今度は凛の衣類を脱がし始めた。
「さっきの紅茶にはね、妖怪石榴の実を煎じていれてあったっちゃ。妖怪石榴は媚薬効果、そして頭や心で感じている心境を、そっくりそのまま身体で表すことができるっちゃよ」
―はぁ…はぁ…はぁ…―
「ま、すぐにわかるっちゃ」
衣類を脱がされ下着姿になった凛を、まるで鼠を捕まえた猫のような目で眺める。
「うふ、可愛い下着やね~♪」
クン…クン…
「うーん、いい匂い! 今すぐ全身を嘗め回したくなるやん!」
千佳は喜びを抑えるように凛を抱きかかえると、そのままキッチンへ運んでいった。
キッチンには人一人が入れるような大きな金属のボールがあり、千佳はその中に凛の体を入れた。
「な…なに…これ…?」
状況が理解できない凛。
しかし瞳は空ろになっており、全身も火照ったほうに、ややピンク色になっている。
「石榴が効いてきたようやね。今からもっと~もっと~、気持ち良くしてあげるっちゃよ」
そう言って千佳は凛の身体を優しく丁寧に撫でたり、揉んだりし始める。
小さな胸の突起を舌先で転がしたり、指先を下着の中に入れ、じっくり愛撫したり…。
「あ…だめ…、からだが…そんなとこ…きたな…あ!」
千佳の手の動きに合わせ、悶えるように全身をくねくねと捻りまわす凛。
「だめ…、と…溶けちゃう…、からだが…とろけちゃ…う……よ…」
不思議な事に凛がそう言葉を漏らすと、ゆっくりと凛の身体が溶け出していった。
それは、直射日光に当てた『チョコレート』がじわじわと溶けていくように。
「さっきも言ったけど妖怪石榴っていうのは、心が『溶けちゃう』っていう快感を得ると、身体が実際に溶けていくっちゃん」
「ち…千佳…、たすけ…て…」
「うふふ、でも気持ちいいんやろ? 溶けちゃうほど♪」
そう言って千佳は溶けかかっている凛の身体を、ゴムベラで優しく撫で回す。
「あ…、だめ…千佳…」
もはや今の凛の身体は、全身が性感帯といっても過言でないほど敏感になっており、触れただけで快感を得てしまっているようだ。
ゴムベラで、優しく~優しく~撫で回す。
いつしか大きなボールの中には、凛の全身が八割ほど溶けて、クリーム状になっていた。
「ち…千佳…、どこが手で足か…、頭の中も真っ白で…もう…何がなんだか…わかんない…よ」
しかし、その状態でもまだ凛の意識は残っている。
「心配せんで、とっても美味しそうなクリームになってきてるっちゃよ~凛」
人差し指で肌色のクリームをすくい上げる。
「あ…」凛が声を漏らした。
そしてそのまま口の中へ入れる。
舌の上で転がし、鼻から息を抜き、じっくりその味と香りを確かめる。
はぁ・・・・♪
思わず、歓喜の息が漏れた。
「美味しい…。とろけるような甘さの中に、微かに感じ取れる酸味。ちょっと青臭いけど、癒されるような香り。凛…想像以上の美味しさっちゃよ」
まるでオーガズムを感じたような恍惚な表情を浮かべる千佳。
「最高の食材やわ。慌てずじっくりと仕上げにかかるっちゃよ」
千佳は泡だて器を手にすると、ボールの中のクリームをゆっくり回し始めた。
「あ…目が…、目が…まわる……」
これが凛の最後の言葉だった。
この後、手間隙かけて仕上げられ、キラキラ輝く美味しそうな『生カスタードクリーム』が完成した。
「あとはシュー生地の中に詰め込むだけ」
予め焼き上げられたシュー生地に、搾り袋を使ってクリームを詰め込んでいく。
夕方には、数十個の大きなシュークリームがテーブルに並んでいた。
椅子に腰掛けシュークリームを手に取る千佳。
口に頬張ると、サクサクとしたシュー生地の中から、とろーりとした生クリームが流れ出る。
甘酸っぱい、フルーティーな香り。
「最高やね。今まで食べた、どのシュークリームよりも一番美味しいやん。ああ…凛の味が口の中に広がる~♪」
一つ…また一つとシュークリームを口に入れ、その都度愛していた凛の味を確かめながら、千佳は性的興奮を感じていた。
BADEND
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